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    菅直人首相は何を、どう、言ったか? 日中首脳会談 - 2010.11.14 Sun

    注目されていた日中首脳会談が13日行われました。横浜でのアジア太平洋協力(APEC)首脳会議の中でわずか22分という短いものでした。中国側の発表文では、「会晤」(会談)と「交談」(言葉を交わす)の表現を両方使用された(日経)程度のものです。他方、会談が行われることが公表されたのはわずか10分前。これらを併せて考えると、日本側の執拗な要請に中国側が形式的に応えたという背景が浮かび上がってきます。

    ●日本政府の基本的立場を伝えた

    hu 菅直人 
    胡錦濤中国主席       菅直人首相

    会談の中で、菅直人首相胡錦濤主に対して、尖閣諸島に関する日本政府の基本的な立場を伝えた(読売)そうです。これは、8日の衆議院予算委員会で自民党の棚橋泰文委員に対し「胡錦濤中国主席に対して、はっきりと『尖閣は日本領土だ』という」と答弁した首脳会談最大のポイントでです。13日の首脳同士のやりとりについて、朝日新聞も「首相は日本の確固たる立場を伝えた」との福山哲郎官房副長官の発言を伝えるのみで、「この領域に領有権問題は存在しないとの従来の政府方針を伝えたものとみられる」と、あとは推測になっています。

    ●外交上の理由

    朝日、読売ともに、菅首相の発言の直接引用はありません。福山官房副長官が胡主席の反応を含め、会談の詳細については「外交上の理由から差し控えたい」として明かさなかったからです。また、朝日の「確固たる立場」は福山副長官の発言の引用ですが、読売の「基本的立場」は地の文です。

    福山哲郎 
    福山哲郎官房副長官

    ●政治記事における「引用」の意味

    こうしてみると、菅首相が胡主席に対して何をどういったかははっきりしないというのが現実です。朝日や読売も間接引用にせよ、「日本の立場を伝えた」といっているではないかという方もいると思いますが、新聞が間接引用しかしない(あるいはできない)のには大きな意味があります。政治、とくに外交の世界で、「ことば」は、その意味内容だけでなく、使われた場やニュアンスを含めて極めて大きな意味を持ちます。ですから、政治記者はメモをとるときには、全文筆記を心がけます。最近ではICレコーダーが発達していますから、なおさら発言内容は正確ならざるをえません。正確さを旨とし、さらに過度の推測の余地がないことを心がけています。

    ●憶測の余地を残した「何を、どう、言ったか」

    上記のような条件での福山副長官の発言の引用では、朝日の推測がもっとも好意的な推測でしょう。つまり菅首相が「尖閣は日本領土だ」と明言したかどうかはわからないのです。14日記者会見した菅首相は「わが国固有の領土であり、この地域に領土問題は存在しないということを明確に伝えた」と明らかにしました(読売)。もし、そうなら、福山副長官は誤解を招くようなブリーフィングをなぜしたのか、これも憶測を呼びそうです。

    ●「知る権利」は国会の追及とメディアの取材に期待

    首相官邸 国会議事堂  
    首相官邸                            国会議事堂

    会談冒頭の風景からは、双方首脳の固い表情が明らかでした。とくに菅首相はメモを両手で握りしめ、緊張しきった表情でした。果たして、菅首相の発言が中国に対して日本国民の利益を守ろうとするものであったか、それとも、国民に対して、自己の政権を守るためにするものであったか、また菅首相の「発言」がどのようなコンテクストで出たものなのか。これを明らかにするのは今後の国会での追及や、メディアの取材にまつしかなさそうです。そして、ここでも「知る権利」と「国家機密」の対立が生じそうです。

    さらに、菅首相は14日の記者会見で「私が首相に就任した6月に(日中関係を)戻すことを実現することができた」と述べたそそうです。そうなると、菅首相の状況認識、また中国首脳から「何を、どう聞き取ったか」も検証する必要がでてきそうです。

     

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    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
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