topimage

    2017-07

    スポンサーサイト - --.--.-- --

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    菅政権にやってほしくないこと  「外交」編 - 2010.11.11 Thu

    2010年度補正予算案の衆議院予算委採決は、政府がめざしていた10日採決を断念し、15日に先送りされることになりました。13、14日にはアジア太平洋経済協力(APEC)の首脳会議が開かれます。この週末から週明けにかけて、日本の政治は菅直人内閣の命運を決しかねない大きな山場を迎えることになりそうです。

    ●重要な決断を迫られるケースが山積

    小沢一郎氏の権力掌握を阻止して登場した菅内閣ですが、9月7日の尖閣諸島沖での中国漁船と巡視船衝突事件以降、やることなすことが裏目に出ています。これから先の一週間を見ても、菅内閣が重要な判断をしなければならない局面が数多く出てくるでしょう。はたして、局面、局面で国民の意に沿う決断、歴史に照らして恥ずかしくない決断ができるかどうか、はらはらしている人も多いと思います。そうした中で、今後「菅内閣にやってほしくないこと」をいくつかあげてみましょう。きょうは「外交」です。

    パシフィコ 
    横浜APECの会場

    ●様相変えた東アジア情勢

    まず、APECです。これまでのAPECはアジア太平洋の国々の「和」を強調するセレモニーでした。しかし、横浜APECはまったく様相を変えています。少なくとも日本にとってはそうです。かつての眠れる獅子・中国は膨張主義を露骨にし、日本や東南アジア諸国を威嚇するだけでなくアメリカにまで「だまっていろ」とうなり声をあげています。その機をとらえて、ロシアは大統領による北方領土視察という、これまでにない大きな「既成事実」を打ち立ててしまいました。

    ●APECでの日中首脳会議 実現しなければ強い批判

    hu  菅直人
    胡錦濤中国主席      菅直人首相

    日中、日露の関係は話し合いによって打開しなくてはならないことはいうまでもありません。しかし、政府民主党の姿勢は、「何が何でも、首脳会談実現」に固執しているように見えます。ブリュッセル、ハノイでの「菅・温・廊下会合」はそれを如実に示しています。たしかにAPECで首脳会談が実現しなければ、菅政権は「無策」として強い国内からの批判を浴びるでしょう。

    ●実現しても危惧が多い

    しかし、首脳会談が実現したところで、菅首相が「胡錦濤中国主席に対して、はっきりと『尖閣は日本領土だ』という」との国会答弁(8日)通りの行動ができるかどうかは危ういものです。首脳会談を実現するために菅政権が中国にどのような「貢ぎ物」をするかも心配です。10日現在中国は日本側の会談要請にだんまりを決め込んでいます。中国側がこれを外交カードとして使っていることは明白です。一見、「和」を重視するかに見える「首脳会談では領土問題を持ち出さない」ことを条件にされたらどうなるでしょうか。「和」を強調し、APECを成功させるためという名目でこれを受け入れても、歴史に残る結果は、「尖閣諸島事件後の最初の日中首脳会談で日本は領有権主張をしなかった」ことになります。

    空から見た 
    空から見た尖閣諸島

    ●首脳会談実現を自己目的化するな

    これを回避するのは、APECの場では、あえて首脳会談を行わない決断をすることですが、世論の支持や友好国の信頼を失いつつある菅政権がAPECをかき乱したという内外の批判を甘受できるかどうかは怪しいものです。「実現」「見送り」のどちらに転んでも、よい結果は期待できないという点で、菅政権は「王手飛車取り」の局面に陥っています。その中で、最低限望まれるのは、「首脳会談実現を自己目的化しない」こと、「首脳会談実現のために、禍根を残すような貢ぎ物をしない」ことです。国民の利益を譲るような「和」は演出すべきではありません。APECの場で「首脳会談を行わない」という受動的なかたちであれ、日本が強い姿勢を示すことは、中国、ロシア以外の参加国の理解を得られるでしょう。

    ●ノーベル平和賞授与式出席に態度表明なし

    劉 
    ノーベル平和賞を受賞する劉暁波氏

    前原誠司外相は9日の国会で、中国の人権活動家・劉暁波氏が受賞するノーベル平和賞の授与式について「中国から日本政府代表を出席させるな」という要請があったことを明らかにしました。ところが、前原氏は「在ノルウェー日本大使の出席については適切に対応したい」と述べるにとどまりました。授与式はひと月先の12月10日です。「APECの大ヤマを越えてから出席表明してもかまわないだろう」との判断があるのかもしれませんが、現在の日中関係からみると、この姿勢には大いに問題があります。

    ●逡巡は日本への国際的評価を下げた

    前原 サルコジ 
    前原誠司外相       サルコジ仏大統領

    まず、中国の要請は「内政干渉」です。また、ノーベル平和賞の授与式に政府代表を出席させるかどうかは、ノーベル平和賞の意義を認めるか否か、ひいては自由主義世界が共有する「平和」と「民主主義」そして「自由」という価値についての日本の態度をはかるバロメーターになるものです。最近中国との間で巨額の商談を成立させたフランスのサルコジ大統領は同じ日、無条件での「出席」を表明しています。ほかのヨーロッパ諸国もこれにならうでしょう。「平和」と「民主主義」そして「自由」という価値を「取引材料」にしてはなりません。日中関係がどのようであれ、出席の判断を留保するべきではなかったのに、政府は逡巡しました。この逡巡は、日本に対する国際的な評価を下げることにつながるでしょう。



     

    ● COMMENT ●


    管理者にだけ表示を許可する

    トラックバック

    http://hagitani.blog51.fc2.com/tb.php/78-25ec13fa
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    尖閣ビデオ流出 保安官の処分遅らせる2つの逡巡 «  | BLOG TOP |  » 世の中いろいろ、人もいろいろ

    おすすめブログに

    萩谷 順

     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
    出演番組
     スーパーJチャンネル(金)
     モーニングバード!(水)
     ワイド!スクランブル(月)
     ビートたけしのTVタックル
       (不定期)
    過去の出演番組
     そうだったのか!学べるニュース
     やじうまプラス'04-'10
    ニュースステーション '00-'04
     ニュースレーダー '85-'87
     (いずれもテレビ朝日)

    お問い合わせや講演の依頼は...

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    本人から返信します(お名前やメールアドレスなど個人情報は本人の同意なしには公開しません)

    いま何時?

    ※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません

    Twitter

    最新記事

    カテゴリ

    大震災+原発事故 (38)
    政治経済 (71)
    国際情勢・グローバル化 (21)
    社会・生活・文化 (22)
    大学・教育・若者 (4)
    テレビ (4)
    講演 (2)
    IT・パソコン (2)
    たのしみ (28)
    ごあいさつ その他 (8)

    リンク

    このブログをリンクに追加する

    朝日新聞グループニュース

    月別アーカイブ

    RSSリンクの表示

    検索フォーム

    最新トラックバック

    FC2カウンター

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。