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    民主党代表選挙のバグ(2) - 2010.09.08 Wed

     システムバグの2は民主党の党員・サポーター構成の偏りです。


    この6月、日本国の国内有権者人口は1億440万113人(総務省調べ)でした。これに対して、民主党の党員・サポーターは約34万5000人です。これが少ないからどうこうというのではありません。昨年の選挙では、総選挙の有権者の多数が「民主党+鳩山由紀夫さん」を是としたのですから。


    自由民主党にしても党員・党友数は約104万人です。政党の党員が少ないこと自体をうんぬんするのは意味がありません。少ないのは「政党の党員になることが当たり前のことと受けとめられていない」日本社会の意識の反映にすぎないからです。


    私は1978年の自民党総裁選挙を自民党記者クラブ所属の記者として取材しました。総理・総裁の職務を継続する意思を持つ与党党首=首相に党内の有力政治家が挑戦する戦後政治史上希有な図式では、今回の民主党代表選挙と同じです。このとき、総理・総裁であった福田赳夫さんは、党員党友が参加した予備選挙で敗れ、「天の声にもときには変な声がある」との名言を残して国会議員による本選挙を辞退しました。


    福田さんを倒したのは大平正芳幹事長を推す田中角栄派が全国でローラー作戦を展開した成果だったといわれます。いま、現職の菅直人首相を引きずりおろそうとする小沢一郎前幹事長の「川上作戦」はこのときの成功体験に裏打ちされています。1978年当時、自民党の党員・党友にはイヌやネコまで紛れ込んでいると揶揄されました。


    しかし、問題はそれよりも、自民党の党員・党友の大勢が議員の後援会、企業、業界業種団体など自民党周辺の利益グループによって構成されていたことでした。日本の主役である大都市のサラリーマン層はそこに加わっていなかったのです。この偏りのある党員構成が長期的な自民党の衰退を招くことになったと私は思っています。


    それでは、いま民主党の党員構成はどうでしょうか? 自民党支持者にも民主党代表選挙の投票ハガキが届いたという報道もありますが、これは自民党のイヌ・ネコ同様無視します。ここでのポイント=システムバグは、民主党の党員・サポーターはやはり議員の後援会のほか、労働組合、市民運動など大衆団体が主体とみられることです。市民運動を利益グループだというと柳眉を逆立てる方もいらっしゃると思いますが、政治学的には、労働組合や大衆団体、市民運動も、自民党の場合の企業、業界業種団体などと、政治過程に与える機能は同じです。


    そして、ここでも自民党の場合と同様、日本の主役である大都市のサラリーマン層疎外されているようです。産経新聞9月8日付6面の「イチから分かる」によると、小沢さんの地元の岩手4区の民主党員・サポーター数が1915人なのに対し、菅さんの地元東京18区1273人に過ぎないのは、この推察を補強してくれます。


    また、自民党が、日本の伝統的な地域社会で影響力を持った名望家を基盤とした政党であったの対し、民主党は、かつての自民党の議員リクルートシステムから外れた保守系政治家、旧社会党、旧民社党、労働組合・大衆団体、インテリ・文化人らからなっています。


    権力への渇望が強い一方、階級政党のDNAがまだ消えきらないといえるかもしれません。


    そうした人々が長年の野党暮らしの末に権力を手にしたのです。権力を手放したくないのは当然です。また、それ自体責められるべきことではありません。しかし、党の基盤やウイングを広げることを怠ったり、日々変容する国民の意思に対する敏感さを失ったりして、自分たちの利益を革命的正義感によって美化できると錯覚するようなら、やがて国民の多くから見放されるでしょう。システムのバグを取り除かないと、選挙を基礎とする議会制民主主義のビルトイン・スタビライザー(その1参照)はここでも起動します。


    民主党外の世論が、菅・小沢の対決を「どちらがいいか?」ではなく、「どちらがより悪くないか?」で判断しているのはその始まりかもしれません。

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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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