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    「屁のような人生」 水木しげるさんおめでとう - 2010.10.27 Wed

    ことしの文化功労者に漫画家の水木しげるさんが選ばれました。NHKの朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」によって、いまや知らぬ人もいなくなったでしょう。功成り名遂げての88歳。おめでとうございます。
     
    ●世の中変わった 文化庁も変わった
     
    漫画家で文化功労者に選ばれたのは故横山隆一さんがいます。横山さんの代表作は「フクちゃん」。戦前、戦後にわたり、朝日新聞、毎日新聞に連載されました。「漫画の神様」故手塚治虫さんは文化功労者には選ばれませんでした。60歳という若さでなくなったためでしょう。子ども向け、家庭向けの横山さん。新聞漫画に採用されたことを見ても、健全さは保証つきです。手塚さんはヒューマニスティックなストーリー漫画で、これまた保証つきの健全漫画です。これとはまったく違うのが水木さんの持ち味です。水木さんの顕彰は、まんがが市民権を得た何よりの証拠です。「文化庁も変わった」という感を強くします。

    水木しげる 
     
    ●水木しげるを教えてくれた友人
     
    「ゲゲゲの女房」で水木さんを知った方や「ゲゲゲの鬼太郎」で知った方は、暖かい水木まんがのイメージが強いかもしれませんが、1967年にはじめて水木さんを知った私はまったくちがうイメージを持っています。大学に入りたての私に水木まんがを教えてくれた友人は、なんと、あの鳩山邦夫さんです。彼と私は小学校、中学校の同級生。高校は違いましたが、大学でまた同級生になりました。
     
    ●紛争時代の学生はなぜまんがに魅了されたか
     
    大学紛争まで、まだあと1年の平和なころ。渋谷のパチンコ屋にけっこう一緒に行きました。そのとき、「おい、これはおもしろいぜ」と貸してくれたのが「墓場の鬼太郎」シリーズでした。これは、初期の「墓場鬼太郎」から「ゲゲゲの鬼太郎」への移行期間のバージョンです。クロのべた塗りの多い暗い画面、どちらかというと陰惨な絵、そして、暗いユーモアに私は魅了されました。
     
    1年後勃発した大学紛争。お決まりのコースで、青林堂刊の「ガロ」の愛読者になりました。まんがの多様性、可能性を教えてくれた水木さんの導きだったと思います。将来の不確実性を予感した学生たちは、古今の名作でなく、まんがに、なにかを求めていました。私もその学生大衆の中のちっぽけな一人でした。水木まんがでいえば、人間や社会のネガティブな面、「悪魔君」のメフィスト「鬼太郎」のねずみ男といったアンチヒーロー、どじで、みじめな、ときにはひきょうな市井の人々、にたまらなく共感を覚えました。なにせ、水木さんの米寿記念出版のタイトルは「屁のような人生」ですから。そして、水木まんがには理屈でない「反戦」の筋が貫かれていました。
     
    ●就職試験で「まんが問答」
     
    朝日新聞社の入社試験の面接のとき。当時はいまと違って、筆記試験を通って、すぐ役員による最終面接です。窓を背にしたエライ人。逆光でだれだかわからない人が「キミはまんがを読むかネ?」と聞きました。「読みます」と答えた私に、「どんな漫画家が好きかネ」。私は「私の好きな漫画家の名を、おそらくみなさんはご存じないと思います。名前をあげても意味がないでしょう」と答えました。
     
    クソ生意気な学生ですね。水木さんの導きで知った漫画家たち、たとえば林静一勝又進、さらに名前すら、いまのインターネットで捜すのが難しい漫画家たちが私のお気に入りでした。「新聞社のエライ人たちが知っていてたまるか!」という気持ちがありました。
     
    ●ありがとう 水木さん
     
    当時の朝日新聞社の幹部は心の広い人が多かったのでしょう。私は採用されました。私の人生の重要な転換点の陰で水木さんが舞台回しをしていたのです。そして、そのときの朝日新聞社のエライ人たちの年頃になり、「ひょっとしたら、彼らも知っていたのかも」と思い始めました。もう一つ、昔も今も、私は生意気な若い人が大好きです。
     
    我が家のトイレの小文庫には、「総員玉砕せよ!」など水木さんの作品が常備されています。long live! 水木さん。 長い間ありがとうございます。


      

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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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