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    中国に「自由と民主」が実現すると・・・・・ - 2010.10.22 Fri

    中国は尖閣諸島海域に漁業監視船3隻を派遣し、その常駐化を目指しています。中国農業省高官は「釣魚島の海域に行って漁業活動を保護することは国家主権を守ることであり、漁民の合法的権益を保護するもの だ」と述べています(以上読売新聞)。反日デモはとりあえず収まった一方で中国の領有権主張はまったく弱まりません。

    ship 中国の漁業監視船

    ●中国に「自由と民主」が実現するとどうなる?

    反日デモの背景には、「豊かになる」という小平の約束が満たされないかもしれないのに、「自由と民主」は与えられないことへの怒りという側面があることはこれまでにで説明しました。では、中国に「自由と民主」が実現したら、日中関係の不愉快な要素は消えるのでしょうか? 端的にいえば、反日デモがなくなり、領土主張もなくなるのでしょうか。結論からいうと、そうはいかないと思われます。

    中国での「自由と民主」の実現を2つの側面で考えて見ましょう。
    1)「自由と民主」を実現する過程で起きる問題
    2)「自由と民主」が実現した場合に起きる問題
    です。

    ●暴力、カオスなしで民主主義に移行できるか?

    まず、「実現する過程」です。「自由と民主」は中国共産党の「一党独裁」とは両立しません。だからこそ、小平は「一党独裁」を貫徹する代わりに「豊かさへの期待」を与えました。「天安門の血の弾圧」はその断固たる意思表示でした。今後も共産党が多元社会における一政党の立場(日本共産党の位置がそれです)を受け入れて、平和裏に政権交代のある議会制民主主義に移行する可能性は極めて低いでしょう。

    毛沢東 毛沢東

    共産党が権力を手放す過程は暴力を伴う可能性が大です。毛沢東以来、中国の自立と近代化という巨大な功績を果たした共産党ですが、一方で国民のうらみを買いすぎているからです。大躍進政策、文化大革命などであまりに多くの国民を死なせましたし、過去60年にわたって、共産党は特権を独占してきました。

    また、共産党が権力から追放される過程には、人民解放軍という巨大な暴力装置も関与します。内戦から軍閥の地方割拠、それも核兵器を持った地方権力のにらみ合いという恐ろしい事態も絶対に起きないとはいえないでしょう。中国5000年の歴史は、中央集権の王朝支配と分権の割拠状態の交代の歴史です。交代の起爆剤になるのは、根無し草化された農民の反乱でした。21世紀に入ったいま、その歴史が繰り返されるとしたら、13億の人口を持つ大国のカオスは周辺国にとっては悪夢以上のものです。周辺国は単なる領有権主張よりも深刻な迷惑をこうむることになりそうです。

    人民解放軍 行進する人民解放軍兵士

    ●民主主義は中国の基礎代謝をあげる

    次に2)の「実現した場合」です。仮に大きな問題がおこらずに、中国で「自由と民主」が実現し、国民の声が選挙を通じて政治に反映されるようになったら、何が起きるでしょうか。よく「民主主義国家同士は戦争をしない」といわれますが、中国は領有権主張を撤回して、真の日中友好が実現するでしょうか? そうなるとよいのですが、これまたそうはいかないだろうと私は考えます。

    中国に民主主義が定着すれば、中国の持つ国土と資源、そしてマンパワーの配合は、共産党独裁よりも効率的になるはずです(これが民主主義の存在理由のひとつです)。中国の経済活動は活発化します。人体でいえば、基礎代謝が向上するようなものです。国民はいまよりさらに豊かになり、さらにもっと豊かになることを求めるでしょう。資源有限の世界で13億人以上が新たに豊かになることが可能でしょうか? 中国は必ずしも資源に恵まれた国ではありません。民主化された中国は必然的に外部への依存あるいは要求を強めるでしょう。

    ●尖閣の領有権主張程度で収まるか?

    それが尖閣諸島の領有権程度の小さな問題でおさまるのか、それとも、日本、韓国、ベトナムなどの周辺国を新中華秩序の中の“属国”にするという解決策をとろうとするのか、それはわかりません。今回の反日デモで、「沖縄奪還」のスローガンが掲げられたのは、単なる偶然や景気づけではないでしょう。自民党の丸山和也参院議員との電話に「属国化はいまに始まったことではない」と話したという仙谷由人官房長官は過去の歴史だけでなく将来をも見通しているのでしょうか。 

    (今回の中国シリーズは、これでいったん打ち止め。さらに深い興味のある方には、右の「リンク」の欄にある「海鴎日記」をお読みになることをお勧めします。中国の基層社会(庶民のコミュニティ)を研究している学者のブログです。






     

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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
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