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    日中―危機の相似性 - 2010.10.21 Thu

    前回のブログ「反日デモの中国的事情」を書くうちに、民主主義日本共産党独裁中国の奇妙な「相似性」という考えが浮かんできました。
     
    ●日中相似の社会経済条件
     
    明治以降の日本が中国に与えてきた数々の災厄を謝罪することになによりも重点を置く日本のべたな日中友好論者でも、心の底に「日本と中国では近代化の度合いが違う」という認識がない人はおそらくほとんどいないでしょう。しかし、中国の反日デモを生んだ社会経済的条件と「失われた20年」を経た日本人の社会的経済的条件は、いま現在そう違わないように見えます。
     
    ●「太子党」「共青団」に「自民党」「民主党」を見る

    中国共産党の第17期中央委員会第5回全体会議(5中全会)を報じた19日の日本経済新聞にこんな記事がありました。「太子党と共青団」というミニ解説です。いわく「太子党は中国共産党の高級幹部の子弟らで、特権的な階級にいるグループ。一部は企業経営にも熱心な半面、コネを使った情報収集などで『2世が優遇されすぎ』などの批判も根強い。共青団は共産党の若手エリートの集まり。共産主義を学ぶ場として機能しており、将来の党幹部の候補を選ぶ場にもなっている」。

    習近平 太子党に属する習近平氏
     
    太子党は、胡錦濤主席のあとを襲うとみられる習近平氏が属するグループ。共青団はその太子党の対抗勢力ということなのですが、これを読んで私は思わず吹き出してしまいました。「太子党」を「自民党」「共青団」を「民主党」と読み替えるとなんとなく納得できるのです。太子党は、世襲議員だらけ、政権交代前の行き詰まった自民党。共青団は「国民第一の政治」を学んだつもりになっている民主党です。
     
    ●国民への約束が果たせなくなった日中両国の政治
     
    中国では「改革開放」を打ち出して以来、国民に約束していた「早い遅いはあっても、みんなが豊かになる」ことが実現できそうになくなっているのに、問題解決の本当の道に気づかない「太子党」と「共青団」が権力闘争をしているということです。

    日本では、バブル崩壊後、「大きな政府による豊かさと安心の保証」が実現できなくなっているのに、いまだに「きのうと同じことをしていても、豊かで安心でいたい」という手前勝手にしがみついています。新興国に追い越されても「唐様で書く三代目」よろしく振る舞っているのです。結果として戦後日本の安心の根幹だった「総中産階級意識」は、その実質とともに音を立てて崩れています。

    ●日中の差は50歩100歩
     
    両国の違いは、「中間層が本格的に形成される前に挫折しそうな」中国と、「せっかく形成された中間層が崩壊していく」日本の違いだけかもしれません。「日本が先だ」といばれないのはいうまでもありません。そして、問題解決の本当の道を見つけられていないという点では、日本も中国もまったく同じです。
     
    ●切迫した日本の若者はどこへ
     
    中国同様、日本でも若い人々の意識は切迫しています。バブル崩壊以降に物心がつき、「上向きの社会」を経験したことのない若者たちが、いま未曾有の就職難に直面しています。これからの日本では、「年収300万円以下」で暮らさなければならない世帯がさらに増えていきます。
     
    こうした中、「日本の若者は保守化している」といわれます。これは「保守」ということばの誤用だと私は思います。若者は保守化しているのではなく、社会に疎外されて方向性を見失っているのです。これは「保守化」よりももっと危険な状態です。「太子党」のような自民党はもちろん、約束したことを実現しない民主党にも愛想をつかしています。

    何か大きなきっかけがあれば、その鬱屈したエネルギーは攻撃的な排外主義(当初バージョンでは拝外になっていました。訂正します)孤立主義、そして国内での対立先鋭化に向かいかねません。危機にあるのは若者たちだけではありません。働き盛りの人も、高年齢層の人も疎外が進んでいる点では同じです。
    16日の東京で行われた反中国デモは、穏健なものでしたが、それが危険なものに転化しないということをだれが保証できるでしょう。このデモをはれもののように扱い、正面から報道しないのはよくないと思います。
     

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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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