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    日独交流150周年 日独関係の未来は? - 2010.10.07 Thu

    来年は、ドイツと日本のおつきあいが始まってから150周年、今月から来年10月まで、日独双方でさまざまな催しがあります。


    日独 
    日独交流150周年記念事業のチラシ

    ●埋没する日独関係
     
    105日(火)、東京・南麻布のドイツ大使館で「日独交流150周年」の記者会見が行われました。
    会見には
    フォルカー・シュタンツェル(Dr. Volker Stanzel)大使のほか、古森重隆・富士フィルム社長、奥寺康彦・横浜FC会長が出席しました。席上、「日本とドイツの関係がだんだん低調になっているのはなぜか」との質問が出ました。
     
    明治以来長い間日本の大学生が英語以外に学ぶ外国語の1位だったドイツ語の地位は凋落しました。記者会見でも、「いつまでも、ベートーベン、ロマンチック街道の時代ではないでしょう」という指摘がありました。もちろん、新しい息吹も生まれていますが、日独関係は、それぞれの国が持つ様々な2国間関係の中に埋没しそうです



    ドイツ 
     china Japan


    ●ここにも中国の影
     
    私は、ここにも中国の存在を感じます。長い間、西欧諸国がアジアで友人としうるだけの成熟した政治、経済を持つ国は日本だけでした。しかし、いまや世界第二位の経済大国になった中国は彼らにとって最重要な市場です。ドイツと日本は中国の新幹線商戦では商売がたきです。
     
    1990年の天安門事件のあと、人権抑圧を非難してEU(欧州連合)は中国との首脳交流を停止しました。それを最初に破った主要国はドイツ。1995年のコール首相の中国訪問でした。産業界の大立て者多数を引き連れたコール訪問団は、経済的利益に屈服したと非難されたものです。
     
    そのころ、日本の経団連に相当するドイツ産業連盟(BDI)で一つのシンポジウムが行われました。朝日新聞のボン特派員だった私は取材に行きました。テーマは「ドイツにとって大事なのは日本か?中国か?」です。ドイツの中国専門家と日本専門家の議論でした。
     
    ●ドイツにとって重要なのは日本か中国か?
     
    [世] [画像] - 名目GDP(USドル)の推移(1980~2010年)の比較(中国、日本)

    当然のことながら、ドイツにとっては中国との交流の方が長い歴史をもっています。15年前も中国の潜在的な経済力が圧倒的であることは理解されていました。「日本支持派」の説く日本のメリットは「日本の経済成長1%分だけで中国の経済成長8%分に相当する」というものでした。上のグラフにあるように、当時の中国のGDP(国内総生産)は6000億ドル前後、日本は5兆ドル強でしたから、ドイツにとっての商機は、日本が上だったでしょう。おまけに、天安門事件後、中国の政治的リスクは日本とは比べものにならないほど巨大でしたから、まだ「日本派」の言い分はありました。
     
    ことし中国はGDPで日本を追い越しました。経済成長率もリーマンショックの2008年でも6%強、それに引き替え、日本は2008年にはマイナス0.7%でした。いまや商機がどちらにあるかは明々白々です。
     
    ●日本はアジアにおける支えであり続けられるか?
     
    シュタンツェル大使は日本の専門家であるだけでなく、中国の専門家でもあります。天安門事件後の1990-1993年、在北京ドイツ大使館員でした。そして、2004-2007年、中国大使を務めました。西欧主要国の外交官で中国と日本両方の大使を務めた人はきわめて珍しい存在です。

    stanzel 
    シュタンツェル大使と私             ドイツ大使館提供

    シュタンツェル氏は30年来の友人です。彼はかつて私に「日本人が中国を脅威と感じるときがくるだろうか?」と質問したことがあります。私は「長い中国との交流の歴史で、日本は文化的に筆舌に尽くしがたい恩恵を受けた。日本人の教養の基本は中国文化だったから、日本人は中国を侵略的と考えたことはない。元寇は異民族の王朝だった」「アメリカによる占領を経て、アメリカ仕込みの教養を基礎にパワーポリティクスで世界を見る世代が日本の指導層の多数を占めるようになったら、それは変わるかもしれない」と答えたものでした。
     
    その後、グローバリゼーションは世界を、そして日中関係の環境をも変えました。東シナ海の海底資源が両国の決定的な利害対立を招く時代です。尖閣紛争は「中国の脅威」を日本人に感じさせるようになってきました。
     
    記者会見後、久闊を叙する中で、シュタンツェル大使は、こうした日中独の関係の変化を踏まえても「ドイツにとってのアンカー(錨、転じて支え)は日本です」と語りました。外交辞令ではないと思いますが、その場合の前提は「日本の政治的安定」でしょう。戦後の日独関係はきわめて良好でした。分断国家西ドイツのときも、日米安保条約を前提を出発点に西側世界の一員としての姿勢に揺るぎなかったからこそ、「日独2国間には何の問題もない」と胸が張れたのです。ドイツはEUの中でも日本のもっともよき理解者でした。でも、もし日本が安全保障政策で本格的に漂流を始めるなら、ドイツの日本に対する見方も変わってくるかもしれません。


    注)「日独交流150周年」の開幕および閉幕行事として、以下が予定されています。
    開幕行事:2010年10月16日(土) 於東京横浜独逸学園
    閉幕行事:2011年10月3日(月)「ドイツフェスティバル」
                    於横浜港大さん橋
     



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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
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