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    秋は萩の花から 名前の話 - 2010.09.30 Thu

    萩の花 我が家に咲いた萩(ハギ)の花です。
    かそけき花ですが、秋がやってきたことを印象づけてくれます。萩は俳句の秋の季語。古くから日本人に親しまれ、『万葉集』で最もよく詠まれた花だそうです。秋ハギと鹿の組み合わせの歌が多いとか。

    ところが、花札の萩は猪突猛進のイノシシとコンビにされて優雅とはいえません。生け花でも、あまり萩は主役を仰せつけられることはないようです。「何となく、正当な扱いを受けていないなあ」と萩谷は不服に思います。


    萩と荻は同じ? 違う?

    とよく似た字に荻(オギ)があります。このため、実によく間違えられます。私の名前を「はぎたに」と申し出ても、正しく書いてくれる人の何と少ないことか! また、きちんと読んでくれる人も本当に少ないのです。

    オギ オギの穂

    オギはハギよりさらに地味な植物です。見た目がススキにそっくりなため、オギと認識されないことが多いとのことです。「難波の葦は伊勢の浜荻」ということばもあります。「オギもつらいんだなあ。それに比べれば、ハギの方が風流だ」と一人得心したのですが、残念なことに、萩という字は漢字ではないのだそうです。国字といって、日本でつくられた字だということです。

    私は小さいころから、自分の名字に違和感を感じていました。「鈴木」や「田中」だったらよかったのにと思いました。かそけき「萩」が薄暗い「谷」に生えているのです。なんとなく意気があがりません。



    ●谷と谷はどう読むの?

    おまけに「谷」の方も「たに」と「」の読み方が分かれます。「萩」は正しく読んでくれても、「はぎや」と読む人の何と多いことか。ですから、病院の受付がまだ患者を名前で呼びだししていたころ、私は「はぎたに」はもちろん、「おぎたに」「はぎや」「おぎや」「はぎわら」「おぎわら」の呼びだしのどれにも、「はい」と返事をしてカウンターに行きました。そしてそれは、ほぼ100%私でした。

    でも、「はぎや」と「はぎたに」が間違えられるのは仕方がないようです。漢字二字の地名で、下に「谷」がつくもの、例えば、「XX谷」は、大阪では「XXたに」と読むのが普通で、東京では「XXや」と読むのが通常だそうです。例えば、東京の地名で「たに」と読むのは、鶯谷(うぐいすだに)と茗荷谷(みょうがだに)だけだと聞きました。もし、もっとあったら教えていただきたいと思います。


    自業自得か

     そして、「はぎや」と読まれてしまうのは、我が先祖にも責任があるようです。我が家のルーツは茨城県の旧瓜連(うりづら)町=現那珂市)です。江戸時代、そこの村医者だった先祖の姓は、「萩野谷」(はぎのや)でした。幕末維新のころ、そこの息子が「倒幕」の志を持って、へ出ました。亡くなった父は「どうも水戸・天狗党に刺激されたみたいだね」といっていました。

    常福寺
    先祖の菩提寺、瓜連の常福寺


    そして、その萩野谷家の息子は「萩谷」と改名し、陸軍軍医を退官したあと、大阪の谷町(タニマチ)で医者を開業します。相撲のタニマチの谷町です。本人は関東系ですから、「はぎや」のつもりでしたが、まわりの人々は「はぎたに」としか読んでくれません。「めんどうだ」とばかりに、「はぎたに」と自分たちでも読むことにしたのです。漢字で記録する日本の戸籍の便利さというか、いいかげんさです。

     ところが、その孫である父は東京に出て定住しました。こんどは「はぎや」と読まれることになったのです。いってみれば、「谷」の読み方をめぐる混乱は自業自得のようなものです。父は生前、「『はぎや』に戻してもいいんだよ」といっていましたが、平成の御世となっては、そうもいきますまい。

    名前は、identityの根幹なのに、「萩谷」姓のために、周囲の人を混乱させてきてしまいました。「鈴木」「田中」だったら、こんなややこしいことはなかったでしょう。我が家には3人の息子がいますが、彼らもこの混乱を背負って生きていくと思うと何となくかわいそうです。


    なんと! 萩谷が多数派に!

     そして、「萩谷」姓は両方の読み方を合わせても、日本社会ではきわめて少数派です。多少読み間違えたところで、多くの人にはまったく痛くもかゆくもありません。

    石碑
    常福寺の奉納者名簿の石碑には、
    「萩野谷」さん29人、「萩谷」さんも2人

    ところが、最近、おもしろいことがおきました。弁護士萩谷麻衣子(はぎや まいこ)さんの登場です。この萩谷さんは、やじうまプラス月曜日のコメンテーターでしたが、この番組のコメンテーターの中では、読み方は違え、「萩谷」が多数派になったのです。人生で初めてのうれしい体験でしたが、迷惑をかけたのは、MCの小松靖アナウンサーと堂真理子アナウンサーです。萩谷さんと私が同じ日に出演するときも、そうでないときも、「呼びまちがえないように、気を遣いました」とのことでした。ごめんなさい。

    そしてお粗末さまでした。


    ● COMMENT ●

    No title

    猪股(いのまた)という家に嫁いだ妹は
    子どもの健診に行ったとき「猿股さーん、猿股さーん」と呼ぶ看護師の声に
    もしかしたら、それは私?と聞いたら
    そのとおりだったと…
    20年前の笑い話です。
    少数派の名字は大変ですね(^_-)-☆


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     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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