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    清明上河図 中国文化外交の威力 - 2012.01.05 Thu

     東京国立博物館の特別展「北京故宮博物院200選」を見てきました。初めて国外で展示された「清明上河図」(張択端)を見るためです。「清明上河図」は、北宋の都・開封(かいほう)=現在の河南省開封市=の光景を描いたもので、北京故宮博物館随一の「神品」といわれる大作です。詳しくは www.kokyu200.jp/をごらんください。

    2008年の北京オリンピックで北京の町が様変わりする前に故宮博物院とりわけ「清明上河図」を見ておきたいと思い、3回北京に行き、故宮博物院をなめるように見たのですが、これまで「清明上河図」には対面できませんでした。北京でもたまにしか展示されないものですから、私ごときの都合に合わせてくれるわけもありません。半ばあきらめていました。ところが、「北京故宮博物院200選」の開催直前に出品が決まったとかで、「これは行かないわけにはいかない」と思い、足を運びました。

    故宮 

    このような「清明上河図」ですから、この作品だけの観覧待ちの長蛇の行列ができています。最後尾に並んだ昼過ぎには「待ち時間210分」のプラカードが。日頃、レストランであれ、何であれ行列がきらいな私ですが、「清明上河図」だけは腰が痛くなるのもなんのその、まったく苦に思わず、素直に待ちました。幸い実際に待ったのは70分程度。こうした展覧会に多い高齢の方々もたいへん行儀よくお待ちでした。

    いよいよ長さ6~7メートルの大作の前に来ると、ガードマンが「立ち止まらないでください」と声をからします。ですから、落ち着いて鑑賞とはいきません。でも、見られるだけでもありがたいと、いつになく私も謙虚です。図録などで見てはいたのですが、殷賑を極めた開封の町が細密に描かれたさまは、ただただ感動するのみです。70分待ちもむだではありませんでした。

    12巻のうち、2巻が出品された「康煕帝南巡図」は彩色もまだ鮮やかです。12月に取材に行った南京が描かれています。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」で12月23日にオンエアした「2歳女児ひき逃げ見殺し事件」の中で私が立ちレポをした「水西門」界隈もありますので、ひときわ興味深いものでした。そのほかもいずれも名品です。なかでも刺繍は目を奪います。「刺繍三羊開泰図」の色彩と細密さは圧巻です。乾隆帝の装束「孔雀翎地真珠珊瑚雲龍文刺繡」はその豪華さ。上海に行ったときに手に入れた蘇州の上等な刺繍(↓)でおなじみではありましたが、本物のすごさはまた別格です。

    刺繍2 
    現代の蘇州刺繍による帝衣

    私たち日本人にとって、中国の文化は長くあこがれの的でした。延々長蛇の列をものともしない高齢者の方たちも、こうした日本の伝統の中で生きてきた人々ですから、すなおに感動していたと思います。神品の「清明上河図」の出品が急遽決まったということが主催者のセールストークでなく、事実だとしたら、最近顕著になった中国包囲網を意識した中国の「パンダ外交」ならぬ「清明上河図外交」か?と勘ぐらせるところがありますが、いずれにせよ、日中国交回復40年という節目に芸術・文化という中国のもっともすばらしい面を見せてくれていることはまちがいありません。尖閣諸島や南シナ海をしばし忘れさせることができるとは、芸術外交の威力は大したものです。

    国立博物館の展示のしかたも上質でした。でも、ひとつだけ混乱がみられました。「清明上河図」が展示されている部屋では、長時間待って絵を間近で見る人の列と、前の展示室から次の展示室に移動する人の列が並行して設けられています。たしかに、「清明上河図」の前に巨大な渋滞ができるのを避けるためにはよい方法ですが、2つのルートの動線が何か所かで交差しています。このため、同じ部屋の中の「清明上河図」から離れた通路を通って、階段ホールまで行って長い列の後ろに並ぶというシステムがわかりにくく、鑑賞客が戸惑っていました。たまに、この混乱を利用し、ズルをして紛れ込もうとする不届き者もいてスタッフがてんてこ舞いなのがかわいそうでした。主催者にはもう少しアタマを使ってもらいたいと思いました。




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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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