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    「ジャスミン」は枯れた カダフィ大佐の終末 - 2011.10.22 Sat

    「中東の狂犬」と呼ばれたリビアの独裁者カダフィ大佐が20日、根拠地のシルト陥落とともに殺害されました。リビアの人々は、独裁者が消えたことに歓喜していますが、今回のリビアの結末は気がかりな点を残しました。
     
    ●統制なき結末
     
    カダフィ大佐拘束の映像は、私が出演したテレビ朝日「スーパーJチャンネル」でも放送されました。血まみれでもみくちゃにされるカダフィ大佐の周囲の人たちが「生かしておけ」といっているスーパーとともに、です。「ラー、ラー、ラー」と叫ぶ声も。「ラー」はアラビア語の「ノー」です。カダフィ大佐自身の声か、それとも拘束した民衆の声かはわかりませんが、「殺すな」という人々の中で、カダフィ大佐に銃弾を発したのは19歳の少年だったそうです。カダフィ派を追い詰めた武装勢力に「統制」がまったくなかったことがわかります。非合理的な抵抗を最後までやめなかったカダフィ大佐側にも一端の責任はありますが、リビアの混乱はそこまで行き着いた上での結末を迎えたのです。
     
    ●保てるか?リビアの一体性

    ことし1月、無血でベンアリ大統領を追放したチュニジアの民主化は「ジャスミン革命」と呼ばれました。続くエジプトでも、ムバラク大統領は逮捕されて裁判を受けています。しかし、リビアでは、独裁者を裁判にかけるという民主主義の手続きがとれない「民主化」に終わりました。独裁者を追放することはできましたが、今後の民主化が順調に進むのか懸念されます。西部トリポリタニアと東部キレナイカの対立にアラブ人とベルベル人の亀裂を抱えた国だけに、今後リビアの一体性が保てるのか、北アフリカの安定がどうなるかが心配です。アフリカ一番の原油産出国だけに、その成り行きは国際社会に大きく影響するからです。
     
    ● もはや「ジャスミン」の名は冠せない
     
    中東では、まだシリア、イエメンで民主化闘争が続いています。とくに、先代のハフェズ・アサド大統領と、その息子のバシャル・アサド大統領と少数派アラウィ教徒による強権的かつ陰湿な独裁が続いているシリアでは、独裁者側の弾圧が依然として強力です。チュニジア、エジプトからリビアに至り、中東の民主化はもはや「ジャスミン」の名は冠せなくなりました。シリア、イエメンで流血の度合いが深まることが警戒されます。独裁者打倒が流血のものであればあるほど、その後の民主化は危ういものになるからです。
     
    ● NATO関与の正当性は?
     
    もうひとつの懸念は、北大西洋条約機構(NATO)の関与です。これまでに伝えられるところでは、カダフィ大佐はシルト陥落に伴い、車列で脱出する途中でNATO軍機の空爆に会い、排水管に隠れているところを拘束されました。NATO軍の関与はことし3月の安保理決議1973に基づくものです。決議はリビアにおける停戦の即時確立を要求し、文民を保護する責任を果たすために、国際社会によるリビア上空の飛行禁止区域の設定と、外国軍の占領を除いたあらゆる措置を講じることを加盟国に容認する内容となっています。「あらゆる措置」にカダフィ大佐殺害までが含まれるかどうか。案の定、ロシアのラブロフ外相は、21日ジュネーブ条約に記された人道規定に抵触する可能性があるとして国際的な調査を求めました。
     
    ● 「外部の正義」はどう関与できるか?
     
    主権国家内で、非人道的な独裁が行われているとき、国際社会は何ができるかという基本的な問題がここでも問われているのです。「ロシアは東西冷戦のころからのカダフィ体制と近かった」と、この問題を見過ごすのはよくありません。湾岸戦争、イラク戦争、ソマリア内戦、ルワンダ内戦、ユーゴスラビア内戦、スーダン内戦と繰り返されてきた問題です。折しも、世界は世界同時不況、新たな世界恐慌の瀬戸際にあります。「外部の正義」による関与のあり方をもう一回考えなおす必要がありそうです。


     

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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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