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    単なる反日問題ではない 尖閣諸島をめぐる日中関係 - 2010.09.20 Mon

     日本と中国の間で問題が起きると、中国のネット世論が「反日」で盛りあがり、反日デモが発生します。すると、日本のテレビや新聞がこれを伝えます。「さあ、大変だ」となるのですが、何が大変なのかがほんとうに理解されているでしょうか?


    報道官 
    中国外務省の姜瑜(Jiang Yu)報道官


    ●中国の権力は実は世論に脆弱●

    中国の共産党支配は民主主義によって正統性が付与されているものではありません。依然として、抗日戦争勝利、国共内戦の勝利によって打ち立てられた支配、すなわち暴力を根拠とした支配=革命政権です。一方で、経済成長に伴って、世論が形成されつつあります。しかし、先進国では健全な世論形成の装置である新聞やテレビが、中国では厳重な党の規制のもとにおかれています。この結果、中国の自由な世論はネットにはけ口を求めますが、ネット世論はその性格上、ひとつ道を誤れば、世論の暴力に転化しかねません。

    ネット世論が暴力化して共産党支配に挑戦してきたとき、共産党は揺らぎます。いまのところ、中国のネット世論は「反日」です。しかし、指導部が、この問題の扱いを誤れば、「王様ははだかだ」すなわち反共産党支配に向かう可能性があります。天安門事件のときは、小平は暴力によって、当時の世論を鎮圧しました。その後発達したネット世論は、サイバー空間にはびこります。戦車のキャタピラでは破壊できません。これが現在の中国支配層が世論に敏感にならざるをえない理由です。


    天安門 
    鎮圧後の天安門広場

    ●理解を妨げる2つのわな●

    しかし、これだけでは、今回の尖閣諸島事件を「中国の国内問題」としてしか理解していないことになります。これは、往々にして特派員が陥りがちなわなです。任地への関心の強さが、問題を大きな連関の中に位置づけて見ることを妨げるのです。同じような傾向は国内の政治記者にも見られます。2つ目のわなは「民主党政権がどうこの問題を扱うか」という視点にとらわれることです。

    たしかに、2つ目のわなは魅力いっぱいです。民主党・小沢一郎元幹事長の「人民大会堂参勤交代」や鳩山由紀夫前首相の甘ったるい「東アジア共同体構想」など、突っ込みどころ満載ですし、今回ばかりは、財政問題などとちがって、「自民党政権が・・・・・」と責任を転嫁する得意技がききません。どう解決するんでしょうか?

    しかし、私たちは、こうした2つのわなにとらわれてはなりません。




    ●ひとり日本だけの問題ではない●

    尖閣諸島事件をきっかけに中国は、漁船船長の即時釈放を求めて、東シナ海海底資源共同開発交渉の中断閣僚レベル以上の交流停止と矢次早に手を打ってきています。これを中国国内の世論をなだめるためだけと矮小化するのは誤りです。むしろ、日本の政権、世論への揺さぶりをかけ、蓮舫大臣の発言のように「尖閣問題を領土問題化」しようとしていると理解すべきでしょう。反日世論なるものより、中国政府の意図を重大視すべきです。

    ヴァリャーグ 
    中国が購入した旧ソ連の空母ヴァリャーグ

    今回の事件は「靖国神社問題」のようなイデオロギー的な過去指向の色彩が強い問題ではありません。生々しい問題です。21世紀のアジアで最大の問題の入り口、すなわち「中国の覇権主義」であると理解する必要があります。日中間では、2国間の国境問題であり、海底資源をめぐる権益の問題ですが、未来の日中関係だけでなく、未来のアジアに大きな影響をもたらす問題なのです。南シナ海を自国の内海化しようとする中国との間に問題を抱えるフィリピンベトナムマレーシア、インドネシアなどは今回の推移を絶大な関心をもって見つめているでしょう。日本が毅然とした態度をとり続けられるか、屈服するかは、彼らにとって明日は我が身だからです。ですから、冷静のうえにも冷静にかつ毅然と対応しなければならないのです。

    ● COMMENT ●

    Re: ウェンティさん!

    > コメントありがとうございます。
    > 中国をよく知っているあなたのコメントはきわめて有益です。
    > 「上訪」というのですか。13億の市民に「上訪」のチャンネルをつくるのはかんたんなことではありませんが、これは国家としてはやらなければならないことです。

    恐ろしいネット世論

    確かに今中国のネット世論は暴力化しています。
    普通の民衆が政府に対して文句があるとき、「上訪」という方法はあんまり効かないので、ネットでしか言えません。
    このように、ネット世論は両刃の剣になっています。民衆にとっては問題解決の一つのツールと共に、政府にとって相当な脅威でもあります。


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     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
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