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    都会の時間 地方の時間 - 2011.07.21 Thu

    いきなり秋のような肌寒い天気になりました。台風6号が関東南岸で南に進路を変えたため、北の冷たい空気が入ってきたからです。あすからはまた暑さが戻ってくるのでしょう。先週の猛暑の盛りに、調査のため長野に行きました。時間が空いたので温泉へ行こうと思ったのですが、大都会の人間の感覚だと地方では思うように移動できないことを思い知らされました。

    ●電車に乗ったのがまちがいのはじまり

    長野市の南東にある松代温泉が目的地でした。長野駅前からバスに乗れば、30分で着くところです。しかし、「電車で行ってみよう」と思ったのがおおまちがいでした。長野電鉄長野線で須坂に行き、屋代線に乗り換えて松代に着くという寸法です。ローカル電車に乗るのは楽しいものです。乗り降りする地元の人々のさまをながめているだけで、いろいろなことを考えます。ジャーナリストとしては勉強になるひとときです。やがて、電車は須坂駅に着きました。須坂駅はまるで古い電車の博物館です。最新は成田エクスプレスに使用された車両。古いのは1957年登場の2000系、東京メトロ日比谷線に使われていた車両などが見られます。2000系は最近引退したのですが、私が長野市で勤務していたころは花形の特急車両でした。「ローカル線だから接続も急がなくていいだろう」と思いました。その通り、どころではありません。ホームの時刻表を見たら、松代行きはなんと2時間待ちです。


    2000系 
    長野電鉄2000系電車

    ●目的地を変更

    タクシーを使えばただちに松代へ向えます。でも、そんなことをしたら面白くありません。目的地を須坂温泉に変更です。改札口では、ホールにある野菜や特産品の販売も駅員がやっています。観光案内所でもらった案内図と首っ引きで、バスターミナルの時刻表で行動計画を立てます。昼食をとる時間を考えるとすぐに須坂温泉に向かうのは得策ではありません。知人が当主である「豪商の舘・田中本家博物館」を訪れることにしました。以前から「ぜひいらっしゃい」と誘われていたのですが、果たせなかったところです。


    田中本家 
    豪商の館 田中本家 HP

    ●豪商の館のゆったりとした時間

    駅前で20分待って、いそいそとバスに乗りました。しかし、案内図でチェックすると、バスはあっちに曲がったり、こっちに曲がったり。要するに市内中心部を回ってから最終目的地に向かうのです。地方のバスは乗り過ごすとえらいことになります。やっと、「田中本家」近くの停留所で降りました。照り返しの道を300メートルほど歩いて、歴史を感じさせる白壁の邸宅にたどりつきました。薄暗い展示室では「夏の装い」という企画展をやっていました。江戸中期からの格式のある田中家。「夏を快適に、おしゃれにすごしてきた田中家の人々。清涼感溢れる粋な模様の浴衣、洋風なデザインを取り込んだパラソルや帽子、日常の中にある夏の装いの美しさをご鑑賞下さい」という説明通り、興味深いものです。展示室を出ると「春」「夏」「秋」の三つの日本庭園です。まばゆく照りつける太陽の下の日本庭園がこれほどすばらしいとはいままで気づきませんでした。最近愛用の日本手ぬぐいで汗を拭き拭き、建物の広縁に座ると涼しい風が心地よいのです。泉水にはカルガモの親子が。しばし、無念無想の境地です。時刻は午後1時を周りました。冷房の効いたお休みどころでとろろそば(950円也)をいただいていると、磨き込まれた窓ガラス越しの庭園の景色がひとしおです。となりのテーブルは予約席で、すてきなお弁当が用意されています。テーブルのメニューにはない品ですが、心をそそられます。やがて、親子とみられる年配の女性が2人現れました。お弁当をいただいている2人の時間は、あきらかに私の時間よりゆっくり流れているようです。おかげで、私もゆったりとした時間を久しぶりに味わいました。

    庭園 
    お休みどころから見る庭園

    ●温泉は須坂で

    さて、次は須坂温泉です。2キロ以上も離れた道を炎天下歩くのは無理です。直行のバスはありませんので、やむなくタクシーを呼んで向かいました。こういうとき携帯電話はほんとうに便利です。須坂温泉・古城荘はひなびたいなかの温泉です。お湯から出て、ほてりをさましていると、部活帰りでしょうか、女子中学生が3人、お湯から出てきてアイスクリームを食べています。

    ●路線バスに乗るのはむずかしい

    さあ、長野へ帰ります。こんどはバスで帰ろうと受け付けの人に停留所を尋ねると、なにかもごもごいっています。歩いて5分ぐらいのところにあること、とる道もわかったので停留所に向いました。そのとおりに停留所がありました。すぐそばには木造の古い公民館があり、「信州岩波講座」と書かれた旗が立っています。「さすが、信州だな」と思いながら、標識のそばのコンクリートの胸壁に腰をかけて待ちました。バスは予定時刻には来ません。標識のところにいるのだから、乗れないことはないと確信して、ちょっと下を向いていたら、バスが通過していきます。反対方向のだろうと思ってみると、なんと「須坂駅行き」ではありませんか。バスは2車線の道路の標識とは反対側の車線を通過していったのです。古城荘の受付の人がもごもごいっていたわけがわかりました。「標識は片側にしかない」「標識の向かい側で待て」といっていたのです。後の祭りとはこのことです。次のバスまではずいぶん間隔があります。そういえば、さっきの女子中学生3人もママの迎えのクルマで停留所の前を通っていきました。結局、携帯でタクシーを呼ぶことになりました。

    ●苦労したごほうび

    「地方ではクルマなしでは生活できない」といわれます。長野は土地勘のあるところですが、公共交通機関だけで動こうと思ったら、いまのノウハウを身につけなければならないのです。しかし、おかげでゆったりとした時間を体験しました。田中本家にはまた行きたいと思うのですが、クルマで行っていたら、今回のような体験はできなかったでしょう。バスを待ち、暑い道を歩いてたどりついたごほうびだったのだと思います。

    80 

    停留所のそばにはこんな立て看がありました。いわく「80出して40で死ぬか 40で80まで生きるか」。妙に胸に落ちる標語でした。

     

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     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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