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    菅首相の「脱原発依存」とは - 2011.07.08 Fri

    菅直人首相が突然海江田万里経産相の原発の運転再開安全宣言をくつがえして原発ストレステスト(耐性検査)を言い出した翌日の7日は蜂の巣をつついたような大騒ぎです。

    ●政府与党も大混乱

    首相に後ろから鉄砲を撃たれ、6日 「もう頭に来た。今さら何を言っているんだ」と怒りをぶちまけたといわれる海江田大臣は7日の参議院予算委で、「時期が来たら責任をとる」と辞任を表明しました。海江田大臣の安全宣言を信じて玄海原発の運転再開を了解した岸本英雄玄海町長は「了解は苦渋の決断だった。政府のやり方は、小ばかにしている」と強い憤りを表明して了解を撤回、佐賀県の古川康知事は、全原発でストレステストを行う政府方針について、「テストが終わらないと再稼動できないのか(あるいは)できるのか、言われる方によって発言が違う」と述べ、政府部内で見解が統一されていないと批判。古川知事と会談した枝野幸男官房長官は陳謝せざるをえなくなりました。民主党の岡田克也幹事長も「ストレステストがそもそも再稼働の条件なのかもはっきりしない。今ごろになってそういう議論が出てくるのは釈然としない」と不満を表明、政府の原発対応を「ちぐはぐ」と批判しました。

    海江田 
    海江田経済産業相

    ●こりない菅首相

    ご本人は終日、参議院予算委員会で答弁に立ちました。自民党の礒崎陽輔委員(自民)に「官邸ジャック」と揶揄され、いわゆる退陣3条件を「身代金要求」と表現されると、青筋を立てましたが、批判には「逆ギレ」の術。「細野豪志原発大臣はストレステストをすべてパスしなければ運転再開はないというが、海江田大臣は玄海原発はテスト実施前でも再稼働は可能という。内閣の責任者としてどちらが正しいかはっきりさせよ」と片山さつき委員(自民)に迫られても「2人の大臣に聞いてくれ」とごまかしました。「論点そらし」「同じ内容の繰り返し」は相変わらずです。

    菅直人渋面 

    ●ひとつの仮説

    政府、与野党の信頼関係はさらに傷つき、「政治空白」がさらに深刻になりかねません。政府・与党関係者もあわてているのに、菅首相一人ちっともこりていません。なぜでしょうか? かりに菅首相に私が直接問いただしたところで、正確な答えが返ってくることはありえないので、ひとつ仮説を立ててみました。

    ●キーワードは「脱原発依存」

    それは、「脱原発依存」です。ふつうこのことばは、「脱『原発依存』」、すなわち、「原発依存」から脱却することと理解されています。当面、原発を維持せざるをえないと考えている人々をもふくめ、いま、国民の大半のうなづくところです。しかし、菅首相の場合はことばの意味が違うというのが、私の仮説です。菅首相の「脱原発依存」は「『脱原発』依存」と読みます。すなわち、「脱原発」に依存することです。菅首相の「『脱原発』依存」は国民の中にある不安をかきたて、「脱原発」の権化になることによって、「何もできない総理」「存在そのものが障害」とまでいわれている状況を一発逆転し、「政治家として歴史に名を残す」ことを可能にするのです。

    ●「脱原発」シングルイシューの大博打

    その手順はこうです。内閣不信任案の再提出や参議院での問責決議などで、いよいよ絶体絶命に追い込まれたときには、「衆議院解散」の大博打に出るのです。そうなれば、マニフェストもなんのその、「脱原発」のシングルイシューです。ほおっておけば、軒並み落選しかねない民主党のかなりの部分は議席を守るために、なりふりかまわず、「脱原発党」に付和雷同するでしょう。

    ●勝てば英雄、負けても殉教者

    そして、国民の不安を煽るのに成功して選挙に勝つというのがベストケースシナリオです。海江田大臣や古川知事らが心配する「国民経済の今後」は顧慮されません。では、選挙に負けたらどうでしょうか? 政治家菅直人は「国民の安全という正義を掲げて戦ったのに、不正に敗れた」殉教者になれるのです。選挙の勝敗、どちらに転んでも、いまのまま雪隠詰めになって不名誉な退陣に追い込まれて「無能無策の宰相」で終わるより、菅直人個人にとっては遥かに名誉な未来が待っているのです。

    ●見えてくる合目的性

    これは、あくまでも仮説だということを承知のうえ、読んでいただけたと思いますが、この仮説を立ててみると、「思いつき」「無責任」と酷評されている菅首相の言動に一定の合目的性が見えてくると思います。そして、菅首相がドジを踏めば踏むほどそのリアリティは増していくでししょう。しかし、この場合の「合目的性」は菅直人個人のものであって、国民全体にとってではなさそうです。そして、歴史上、国民の中にある巨大な不安を煽り、利用して権力を奪取した政治家を洋の東西でチェックしてみると、肌に粟を生じるような実例に気づくことでしょう。


     

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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
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