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    裏目に出た大震災1ヶ月 危機に浮遊する菅ニッポン - 2011.04.12 Tue

    昨日午後、中東問題研究会のあと東京・日比谷の日本記者クラブでオールド・ジャーナリストたちと雑談をしていると、携帯にメールが入りました。「きょう11日、ここ数日間と比べて東北や長野で細かい地震がかなり頻発中。要注意」。メールの送り主のネタもとは、先月11日の東日本大震災の直前にも警告を発していた人です。しばし、雑談ののち「お気を召されよ。ご同輩」と帰宅の途につきました。1時間後、自宅最寄り駅に電車が滑り込もうとしているとき、乗客の携帯が一斉に鳴りはじめました。「緊急停車します」というアナウンスとともに、電車は平常通りホームに停止しました。

    ●久しぶりに地震速報装置が活躍

    警報装置 

    帰宅してみると、テレビは福島県の震度6弱を中心とする地震のニュースを伝えていました。昨夜からけさにかけてさらに地震は頻発し、しばらく鳴りを潜めていた我が家の緊急地震速報装置(写真上)が頻繁に警告を発しました。これはケーブルテレビiTSCOMの付帯サービスですが、家人によると、3月11日の本震のときは「4分前」に警告を発しました。火の元をとめ、家の玄関にいた飼い犬コタロウを庭のケージに戻し、と十分に準備の時間を与えてくれたすぐれものです。気象庁のホームページを見ると、午後5時すぎのM7.1の地震の前に、たしかにここ1週間ほどには無かったほどの地震の回数が記録されていました。

    ●地震発生回数はね上がる

    気象庁のHPによると、震度3以上の地震は結局11日には41回です。そしてきょう12日午前中は27回と前日よりハイペースでした。ネットを検索すると、「東北地方太平洋沖地震発生前後の地震発生回数の推移グラフ」がありました。日本気象協会のデータ(気象庁HPとは異なり、震度2以上)をもとに10分に1回更新される丁寧なものです。それを見ると、3月11日、12日以降漸減傾向だった地震発生回数が4月11日、12日には特異に突出しています

    chart  
    ●余震か、新たな本震か、はたまたその予兆か

    一般的に大地震のあと、地震発生回数を累計回数でグラフにすると、日数が経過するにしたがってグラフの勾配はゼロに近づきます。最近の大地震ではほとんどが1ヶ月以内に「0」に近づいたのですが、先週テレビ朝日「スーパーJチャンネル」に出演した元気象庁長官によると、東日本大震災の場合は、累計回数が他とは比べものにならないほど多いだけでなく、4週間たってもグラフの勾配は「0」になっていませんでした。余震が収まっていないのか、それとも新たな本震あるいは新たな本震の予兆なのか。それはわかりません。一般に、大地震の最大余震は本震よりもマグニチュード値として「1」ほど低いものとされています。東日本大震災の本震のモーメント・マグニチュード(Mw)は9.0です。発展途上の学問である地震学では、残念なことに、昨日の地震がどういう意味を持つのかは、推測しかできないのです。12日午後2時すぎには、福島県浜通りと茨城県北部で震度6弱の地震(M6.3)がありました。

    ●福島原発事故は最悪の「レベル7」に

    1夜明けた朝のNHKニュースは「原発事故評価 最悪のレベル7へ」いう特ダネを報じました。そして、午前11時すぎ、経済産業省の原子力安全保安院は、東京電力福島第1原子力発電所から広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、国際的な基準に基づく事故の評価(INES)を、これまでの「レベル5」から最悪の「レベル7」に引き上げることを発表しました。「レベル7」は、旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価です。これまで、日本では奇妙な自己満足の空気がありました。「いくらなんでも、あの旧ソ連のようなことにはならない」というものです。たしかに運転中の原子炉が爆発したチェルノブイリと違い、日本のケースは、だらだらと放射性物質の放出が続く結果、「累積値」がレベル7の下限を超えたということです。

    チェルノブイリ  fukushima 
    チェルノブイリ原発                 fukushima(3月18日)

    ●「5」から「7」になった原因は?

    レベル7

    しかし、指摘しなければならないのは、「なぜ、そうなったか?」です。それぞれの時点での原子力安全保安院の評価「レベル5」「レベル7」が正当だと仮定するなら、「レベル7」に至ったのは事後の対策の失敗の結果だと考えることができます。そして、今後も効果的な封じ込め策に成功しなければ、だらだらと放射性物質の累積放出量も増え続け、やがてチェルノブイリ・レベルに近づくということも「想定外」とはいえなくなるかもしれません。津波直撃後の初動のどこに誤りがあり、だれが責任を負うべきかは継続的に検証しなければならないでしょう。

    ●1ヶ月という発想の陳腐さ


    菅直人政権は11日、「東日本大震災復興構想会議」の新設を決めました。政府は11日、米ウォール・ストリート・ジャーナル、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン、英フィナンシャル・タイムズ、仏フィガロ、中国の人民日報、韓国の朝鮮日報、露コメルサントで、6か国計7紙に支援を感謝する意見広告「絆」を掲載しました。11日夕方には、菅首相の記者会見が予定されていました。10日投開票の統一地方選で明確に示された「政府・与党への不信」を相対化するねらいもあったでしょう。選挙での敗北は想定内だったからです。つまり、「大震災1ヶ月」を、政権への内外からの逆風を食い止める足がかりにしようともくろんでいたことがありありです。しかし、自然現象、物理学的反応に人間世界の「1ヶ月」という枠組みを当てはめようとういう発想はなんとも陳腐です。意味のあることなら、もっと早くやっていればよいのです。

    kizuna  

    ●もくろみは裏目に?

    菅首相の会見は夕方の大地震でキャンセルに追い込まれました。「東日本大震災復興構想会議」のメンバーをみれば、よくて官僚機構のお膳立てを追認するぐらいのことしかできないでしょう。だったら、政府が直接官僚機構を効果的に使うことに専念した方が賢明です。松原聡・東洋大学教授は「無用の長物。安倍内閣の『教育再生会議」』のように、総理交代とともに事実上の機能停止するだろうけど・・」とツィートしています。また、「レベル7」への評価変更によって、世界の目はさらに厳しくなってくるでしょう。竹田圭吾ニューズウィーク日本版編集主幹は12日午後「アルジャジーラもBBCもワシントンポストもNY TImesもサイトの一面トップが『フクシマ、最高レベルに』『日本の事故、チェルノブイリ級に』に切り替わった」とツィートしています。

    ●もう、XX心は捨ててください

    菅直人

    振り返ってみると、菅政権は大震災の前から危機に見舞われ続けました。そこで特徴的なのは次から次へと襲う危機の波高が前のものより高くなっていることです。そして、政権にしがみつく一心の菅首相は危機の波頭を浮遊しているようなものです。朝日新聞の12日の社説は「危機克服に一刻の猶予もならない時だからという理由だけで、辛うじて政権の継続が黙認されている。もはやそこまで追い詰められていると、首相と民主党は自覚するべきである」と指摘しています。下品なことばですが、もう「助平心」を捨てて一生懸命仕事をして「結果」を出すか、辞任するかの瀬戸際です。もう、次の危機を経験するのはいやですし、まして、それが民主党政権に起因するものだとしたらとんでもありません。


     

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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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