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    大震災に先人は何を思う 後藤新平と安田善次郎 - 2011.04.07 Thu

    東京では6日、サクラが満開になりました。日比谷公園のサクラも咲き誇っていますが、時節柄、その美しさを楽しむ余裕のある人は例年のように多くはありません。

    日比谷のサクラ 

    ●歴史のえにし

    取材の途中、日比谷公園界隈を歩くうち、あることに気づきました。単なる偶然ではありますが、この春、日本を不安に陥れた2つのtoo big to fail(大きすぎてつぶせない)企業の東京電力とみずほ銀行の本店が東京・内幸町の隣組だということです。そしてもう1つは、みずほ銀行本店、東電本店と日比谷通りをはさんで向かいに日比谷公会堂があることです。ここには歴史の縁(えにし)があります。

    日比谷 
    左から市政会館(日比谷公会堂)、みずほ銀行本店(超高層ビル)、その右の低いビルが東電本店

    ●後藤新平と安田善次郎

    日比谷公会堂は上野の東京文化会館ホールができるまで、東京で唯一の本格的コンサートホールでした。1929年に開館した日比谷公会堂は、東京市長でもあり、中立な市政のための調査機関の必要性を訴えていた後藤新平の主張に銀行家安田善次郎が共鳴、当時としては巨額の350万円の寄附を得て、「市政調査会(市政会館)」およびそれに併設する公会堂として計画されました(wikipedia)。東日本大震災後、関東大震災からの復興に尽力した後藤新平の名が再び思い出されましたが、その気宇、計画の規模の大きさから「大風呂敷」とあだ名された後藤新平を理解し、資金面で支えていたのが安田善次郎でした。

    後藤新平安田善次郎  
      後藤新平     安田善次郎

    4月5日付の産経新聞の1面コラム「産経抄」は震災からの復興と2人の関係をとりあげています。(以下引用)

    ●「産経抄」

     ソフトバンクの孫正義社長(53)が、東日本大震災の被災者のために、個人で100億円を寄付するとの発表には、仰天した。経済界からは、すでに「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(62)や楽天の三木谷浩史会長兼社長(46)らが、10億円の寄付を表明している。
     ▼彼らに匹敵するような太っ腹な実業家といえば、明治から大正にかけて、数多くの破綻銀行を救い、銀行王と呼ばれた安田善次郎が思い浮かぶ。東京大学の象徴ともいえる大講堂の建設費用を寄付して、「東大安田講堂」にその名を残している。寄付した100万円は、現在では約4億円に当たるという。
     ▼もっとも安田は、原則として寄付を匿名で行っており、生前は知られていない。それどころか、納得のできない寄付の申し入れにはたとえ少額でも拒否したから、世間では「吝嗇(りんしょく)家」の悪評が広がっていた。
     ▼大正10年に神奈川・大磯の別荘を訪ねてきた男の凶刃に倒れ、82年の生涯を終えたとき、犯人が英雄扱いされたほどだ。一方、安田の訃報を聞いて、「しまった」と口走ったのが、東京市長の後藤新平だった。
     ▼安田は、後藤の「東京改造」計画に賛同して、当時の国家予算のほぼ半分に当たる8億円の支援を約束していた。その東京が2年後、関東大震災によって壊滅的打撃を受ける。復興のために後藤が立てた案が大幅に縮小される話を、2週間前に書いた。「安田がいてくれたら」と何度も悔やんだことだろう。
     ▼被災地となった、東北地方太平洋岸の復興には、気が遠くなりそうな時間と資金が必要だ。「平成の安田善次郎」がいることはわかった。後は「平成の後藤新平」の出現を待つばかりだ。

     (引用終わり)

    ●京浜工業地帯と安田善次郎

    安田講堂 
    東大安田講堂

    東大の著名教授が政治学の講義で「顕示的消費」(売名のためにお金を出すこと)の例として安田善次郎と安田講堂をあげたのを聞いたことがあります。当時は「そんなものかな」と思ったのですが、後になって「産経抄」にあるように安田が当初匿名を条件に寄付し、暗殺後、顕彰のために名前を冠したということを知りました(wikipedia)。安田はまた、浅野聡一郎が立案した東京湾築港計画を支援しました。東京から横浜にかけての臨海工業地帯を創設しようという計画のあまりの規模の大きさに神奈川県すら二の足を踏んだ事業でした。いま、この2人はJR鶴見線の安善駅浅野駅に名前を残していますが、浅野もまた安田善次郎の非業の死を悔やんだ1人です。

    浅野総一郎 
    浅野総一郎

    ●庶民を大事にした銀行王

    幕末維新のころ、富山から江戸に出てきて、日本橋小舟町の道に戸板を敷いて両替商をはじめたという伝説の残る安田善次郎は一方で庶民の顧客を大事にする銀行家でした。巨大財閥系の銀行がお金持ちしか相手にしなかったころ、安田の経営する銀行は1銭の預金も喜んで受け入れたそうです。安田銀行は戦後富士銀行と名を変え、その後みずほ銀行になります。そのみずほ銀行は度重なるシステム不全で庶民の経済活動に不安を与えました

    ●求められる先人の構想力

    ホール 
    日比谷公会堂のホール(楕円形がレリーフ)

    日比谷公会堂のホールには、後藤と安田の肖像のレリーフが飾られています。東日本大震災と東電原発事故に対し、事態鎮静化と復興に向けた構想力を示せないでいる政府、そして日比谷通りをはさんで向かい合う巨大企業、東電とみずほ銀行のていたらく。いま日本に必要なのは未来に向けた構想力です。図抜けた構想力を持っていた後藤新平と安田善次郎はどう思っているでしょうか。
     




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