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    「自粛」は日本経済をさらに痛める 大震災と経済 - 2011.03.31 Thu

    巨大地震+巨大津波+原発事故の傷が癒える兆しがまだ見えない中、次第に経済への悪影響が進行しています。日経平均や円相場はとりあえず安定していますが、今後の日本人の取り組み次第で、憂慮すべき事態になる可能性なしとしません。30日のNHK「クローズアップ現代」は東北地方の製造業インフラが崩壊した有様を伝えました。メーカーを頂点とした下請け、孫請けのピラミッド構造のどこが壊れても、日本がそして世界が必要としている「モノ」の生産は減速します。それは、失業→収入減→消費減退→企業の縮小・倒産→失業のスパイラルを招きます。30日には青森を本拠地とする百貨店「中三」の倒産が伝えられました。地方に立地した製造業を主な働き先かつ収入源としてきた被災地の兼業農家は被災者の上に失業者になります。

    ●私たちに無縁な経済活動はない

    フカヒレ 
    フカヒレは気仙沼の特産だった(河北新報)

    30日夕のテレビ朝日「スーパーJチャンネル」は、フカヒレの国内生産の8割を占める宮城県気仙沼市の水産業が壊滅したことで、フカヒレを仕入れられなくなった横浜中華街の悲鳴を伝えていました。「フカヒレは食さない」という人もいます。しかし、食しても、食さなくても、また対象がフカヒレ以外のものであっても、すべての日本人がマイナスのスパイラルと無縁では済まされません。外国にも大震災のせいで高度な工業製品の供給がとまって困っている企業も出てきているのです。中華街では中国人のコックさんが続々帰国しているようです。そのせいでしょうか。六本木ヒルズにある、中国人職人の手さばきが外から見える上海小籠包の名店は休業しています。東京・新大久保の韓国系24時間スーパーは24時間営業ができなくなりました。韓国人店員が帰国してしまったからだそうです。こうした人々を介しても、私たちすべてが経済活動のネットワークにつながっています

    ●広がる「自粛」の波

    石原慎太郎 

    東京都の石原慎太郎知事は「桜が咲いたからといって、一杯飲んで歓談するような状況じゃない」と被災者に配慮して今春の花見は自粛すべきだとの考えを示しました。石原知事は「今ごろ、花見じゃない。同胞の痛みを分かち合うことで初めて連帯感が出来てくる」と指摘したうえで「戦争の時はみんな自分を抑え、こらえた。戦には敗れたが、あの時の日本人の連帯感は美しい」とも語ったそうです。某大企業では九州の支社までを含めて「講師を呼んでの社員研修」の自粛令が出たそうです。「華美なことは避けよ」というのが主旨だそうです。こういうとき、人の話を聞くことは大事だと思うのですが、ひたひたと自粛の波が広がっています。やがて津波となって日本経済を破壊しかねないおそれがあります。

    ●「自粛はやめて!」 被災漁師の叫び

    折も折、このブログでも再三紹介している岩手県宮古市の漁師@heiunさんが30日、こんなツィートをしていました。「イベントなど自粛してるようだけど被災者からすればあなた達は 経済を回すことをしてください。自粛しなくていいです。経済止めたらばだめ」。不必要な自粛はかえって被災者のクビを絞めることになるという悲鳴にも似た警告です。

    ●「有望な輸出商品」を破壊した原発事故

    海江田2 

    海江田万里経済産業相は30日、福島第1原子力発電所の事故が原発の海外輸出に与える影響について、「さらなる安全対策を固めていく中で世界の信頼を得られる道も付けられると思っている」と述べ、引き続き輸出を推進する意欲を示しました。案の定この発言はネット住民のかっこうな餌食になりました。環太平洋パートナーシップ協定が論議されていたつい先頃まで、「原発」は日本の有望な輸出商品でした。「半世紀にわたって深刻な事故を起こしていない」のがウリでした。しかし、いまや短期的にはもちろん中期的にもこれはムリです。そういえば「安全でおいしい日本の農産物」も有望な輸出商品とされていましたが、中国産のキュウリやシイタケの悪口はいえない(危険ならいうべきですが)心持ちです。

    ●オプションはオープンにということか

    とはいえ、原子力平和利用の研究を葬り去るのが自明の道かどうかはむずかしいところです。ジャーナリストの武田徹さんは日経ビジネスonlineで「福島第1原子力発電所の事故が原発の海外輸出に与える影響について、「反原発と推進派、2項対立が生んだ巨大リスク」という記事を書いています。この記事自体の理解も2項対立を呼びそうですが、これまでの日本の原子力利用が犯した誤りの1つの本質を的確に指摘しています。海江田発言が時宜をわきまえない上っ調子なものであるとしても、「輸出立国」のリーダーである経済産業大臣の遠い未来に向けた1つの考え方としてtake noteしておくのがよいかもしれません。

    切手 

    ●企業活動への支援がjobを生む

    巨大地震+巨大津波+原発事故がなくても、「輸出立国」の日本は、ポストITの国際競争力を備える必要に迫られていました。その原動力はなんといっても企業です。富士通福島をはじめ、災害から立ち上がろうと生産を再開する企業のニュースも相次いでいます。心から声援を送りたいと思います。企業活動が再び活性化すれば、それはjobを生みます。被災者の方々にはできるかぎりの支援をしつつ、企業活動を活発にしなければなりません。復興財源としての「所得税の上乗せ定率増税」や国債発行はすでに検討されています。@funomatasaburoさんはツィッターで「大企業には200兆円も及ぶ内部留保金があります。この20%でも投資できる環境を作ることはできないものでしょうか。例えば今回の震災地域に投資した企業には、法人税率を10%にするとか。お金が回れば経済は活性化するのでは」という提言をしています。企業活動を活発化するために、政府、経済界、学者、そして民間の知恵を結集すべきでしょう。

    ●チャーチルと@heiunさん

    churchill 

    いま必要なのは「自粛」ではありません。1914年、第1次世界大戦に直面した英国民にチャーチルは
    "The maxim of the British people is 'Business as usual'"(英国民が心すべきはいつも通りに働くこと)」と述べたそうです。宮古の漁師@heiunさんの叫びと同じです。チャーチルは「悲観主義者はすべての好機の中に困難をみつけるが、楽観主義者はすべての困難の中に好機を見いだす」ともいっています。被災者の@heiunさんは動いています。けさは5時から活動、船のバッテリーを充電し、魚群探知機で港内の海底調査です。ブログには「今日もコツコツやれることからです」とありました。




     

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     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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