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    大局を見失わないために 東電福島原発事故 - 2011.03.27 Sun

    まるでモグラ叩きのような状況です。東京電力福島第1原発の事故だけに限定しても、避難地域・屋内退避、作業員の被曝、水道水汚染、海水汚染、野菜の汚染、首都圏への汚染波及と次から次へと事態は拡散しています。これに加えて、東電が作業員がつかる水の汚染を知りながら通告していなかったこと、半径20~30キロの住民への「自主的避難の要請」という矛盾した政府の対応、さらには、野菜、水道水の汚染について「ただちには健康に影響はないが。摂取しない方がよい」というわけのわからない告知などなど。私たちは、あたかも「あっち向いてホイ」の遊戯のように毎日、目先の異なる深刻な新しい事態に驚いています。そして政府、東電ともに失策を連発して国民を怒らせることばかり。おかげで、大局を見失っている人が少なくないようです。

    モグラ叩き 

    ●かゆいところに手が届くブログ

    そんなとき、twitter上で、冷静に事態の本質を解説しているブログを見つけました。ブログが指摘するのは「原子炉本来の冷却系を回復する」ことというあたりまえのことです。長文のブログなので、ここで引用することは控えます。そのURLをクリックしてください。筆者は専門家ではありませんが、(あるいはその故に)かゆいところに手の届く書き方です。40年前、大学紛争の中熟読したサムエルソンの「経済学」(当時の翻訳!)をほうふつとさせます。

    ●断片的情報摂取が疑心暗鬼招く

    3号機 

    福島第1原発が保有する6基もの原子炉は状態のよいものから状態の悪いものまでさまざまです。マスコミは1つが改善すれば、それをクローズアップし、1つが悪化すれば、それをクローズアップします。人はこんな危機でも、それぞれがなすべき仕事があります。24時間ウォッチできるのは暇人です。ですから、どうしても情報摂取は断片的になります。これが人々の疑心暗鬼を呼びます。西表島まで逃亡した人もいるようですし、ネット上には「これはユダヤ人の陰謀だ」という破天荒なデマまで横行しています。こうしたとき、テレビやネットは断片的情報摂取を加速してしまう傾向なしとしません。

    ●新聞の機能に期待する

    新聞には、立ち止まって現状を正確に把握させる役割を期待したいのですが、悲しいかな十分にその機能を発揮しているとは言い切れません。「本格的高級紙」が存在しない日本の新聞文化の故ですし、それ以前に大震災前から人々は「新聞離れ」していました。そんな中27日の朝日新聞に、3月26日現在の「福島第1原発の損傷」という表が掲載されました。この図表と上記のブログを読むと、現状がよくわかります。

    a1 

    ●現在行っている「冷やす」は緊急避難にすぎない


    6つある原子炉の1つ1つの状態変化に一喜一憂するよりも、6つの原子炉を一体として考えましょう。原子炉事故対策の基本は①停める②冷やす③閉じ込めるです。①の停めるについては稼働中の炉も緊急停止されました。②の冷やすについては、現在もっとも進んだ段階は「原子炉への真水注入」です。しかし、この消防のポンプなどによる真水注入はあくまでも緊急避難措置です。事態の解決をもたらす「冷やす」は緊急炉心冷却装置(ECCS)を含む原子炉本来の冷却系の機能を回復することです。「fukushima50」の決死の活動はそれをめざしています。そのために東北電力の休眠電力線をつなぎました。さらに、ポンプや冷却装置を点検、修理しよう、あるいは別系統の冷却装置を稼働させようという努力が続けられているのです。

    破損 

    ●「冷やす」に時間がかかれば、さらに派生的被害

    しかし、問題は「冷やす」というプロセス回復に時間がかかっていることです。原発は生命体ではありませんから、あくまでも人間が機能を回復させなければなりません。自然治癒はありえないのです。「冷やす」に時間がかれば、状態は悪化し、派生的な被害を生みます。野菜、水道水、海水の汚染がそれですし、作業員の被曝もそれです。まず、「冷やす」を達成させなければなりません。「冷やす」にメドが立たないことから、当然「閉じ込める」も道遠しです。2号機から通常運転時の原子炉内の冷却水の1000万倍という高濃度の放射性物質が検出される(27日のNHKニュース,同日夜東電と経済産業省原子力安全・保安院は「ほかの物質と取り違えた誤りだった」と訂正)などこれまでに出てきしまった派生的被害はその結果です。さらに時間がかかり、「閉じ込める」が失敗すれば、さらに派生的被害を生むでしょう。それがどこまでか、を見極めることが大事です

    経路   

    ●戦争なら人間がやめられる

    危機管理の基本は「最悪ケース」を想定することです。しかし、政府、東電がそうしているとは見えません。いま私たちが直面しているのは、人類がこれまで経験したことのない巨大地震+巨大津波+複数の原子炉事故です。これは大規模な戦争よりも苛酷です。戦争は人間がやるものですから、人間は戦争をやめることができます。一方、原子炉事故の経過を支配しているのは、核分裂反応という物質界の法則です。物質界の法則は人間の意思や希望とは無縁に冷厳に進みます。「停める、冷やす、閉じ込める」人間の努力もあくまでも物質界の法則の枠内でしか効果を持ちません。

    降伏 
    米戦艦ミズーリ艦上での降伏文書調印

    ●ダメージコントロールの視点を

    いま必要なのは政府、東電、そして私たちが事態の本質を直視して「最悪ケースシナリオ」が進行しないように努めること、そして、「ダメージコントロール」の視点を持つことです。それには、「情報の公開」が欠かせません。たとえば、3号機については、プルトニウムを燃料とするプルサーマル炉であることから、プルトニウム汚染が警戒する声がネット上にはあふれています。それなのに、政府はプルトニウムにほとんど触れません。プルトニウムに関しては3号機だけの問題ではありません。ウランだけの燃料でも、燃焼することによってプルトニウムを生成します。すべての炉で水以外に遮蔽物のないプールに入っている使用済み燃料にはプルトニウムが入っているのです。これもほとんど触れられません。なにか、政府、東電ともに希望的観測を頼りに漂流しているように思えます。それが「ひょっとして、最悪ケースはわかっているのに隠しているのではないか。マスコミもそれに加担しているのではないか」という疑いを招いているのです。



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     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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