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    ネットが支える人々の相互扶助 大震災その後 - 2011.03.20 Sun

    [高画質で再生]

    宮古湾の日の出 [投票]
    レクイエム(フォーレ)

    ことし1月、岩手県の宮古湾。対岸の重茂(おもえ)半島にのぼる朝日を浄土ヶ浜パークホテルの部屋からデジカメで映しました。あくまでも静かな海。本州最東端の町にのぼる朝日は心にしみ通る美しさでした。それからわずか1か月半後にこの海が多くの人命を飲み込むとは夢にも思えない光景です。

    ●大震災直前の宮古訪問

    宮古商工会議所のお招きで会員のみなさんに講演をするのが三陸への初めての旅の目的でした。なつかしい海産物に再会できた経験はこのブログに書きました。サケの冷燻の生産・研究をしている佐々由商店のA子さん。初対面の私たち夫婦に30分にわたって冷燻やサケのトバの説明をしてくれました。3年ものの冷燻を試食もさせてもくれました。都会育ちの私たち、A子さんの説明がなければ、腐敗していると思ってしまったでしょう。白いものが浮き出したそれはチーズのような実に微妙な味でした。

    トバ 
    サケのトバ 宮古市魚菜市場の佐々由商店で

    ●被災漁師のブログ

    そして、大震災。A子さんはじめ宮古でお会いした方々がどうなったのか、気が気でない毎日です。たまたま自分のブログのリンク元をチェックしているうちに、宮古市の「今」を寄せ集めている「みやごじん」というサイトに行き当たりました。「みやごじん」に私のブログがリンクされていたのです。「みやごじん」のリンク一覧から、大震災当日、船で沖合に逃げて命びろいした漁師heiunさんのブログ(この画面のリンク欄の一番上にあります)を見つけました。

    ●被災状況の報告、人探しに獅子奮迅

    加工場 
    漁船が水産加工場の屋根の上に(heiunさんのブログから)

    heiunさんは、大震災後、精力的に宮古の状況を報告しています。そして、heiunさんのブログのコメント欄で家族や知り合いの消息を尋ねるワラをもつかむ思いの宮古外の人々にブログで情報を送っています。行政のネットワークさえ壊滅してしまった町が多い三陸沿岸。親類縁者の消息を求める宮古出身の方々の切実な思いも伝わる貴重なブログです。佐々由商店についての私の問い合わせにも答えてくださいました。しかし、多くの方々が行方不明になっているため、A子さんの消息はまだわかりません

    ●浄土ヶ浜パークホテルは避難所に

    一方、すばらしい2泊を提供してくれた浄土ヶ浜パークホテルについてもheiunさんは情報を提供してくれました。ホテルは無傷でした。そしてホテルは避難所として被災した方々を助けています。その後、ホテルのサイトで、従業員の方々も無事と知りました。しかし、宮古市が壊滅したことが経営再建中のホテルのこれからにどう影響するかが気になります。浄土ヶ浜というすばらしい景色を擁する浄土ヶ浜パークホテルが大震災から力強く立ち直ることを願います。20日早朝にアップロードされたheiunさんのブログでは、浄土ヶ浜の被害の状況が紹介されています。

    浄土ヶ浜 
    浄土ヶ浜の景観

    ●ネット上の「人探しサイト」で知人の健在を知る

    そんな中、この週末、「Person Finder(消息情報)2011日本地震」というサイトを発見しました。「名前を打ち込んで人を探す」「消息情報を提供する」という2つの機能を持っています。3月20日朝現在、34万件余の情報が登録されてます。講演のときに交換した名刺を頼りに人探しをしました。宮古商工会議所のBさんはご家族ともどもご健在であることがわかりました。県漁連会長のCさんは、名刺の住所と同じ町に住む同姓同名の方がその日東京にいてご無事という情報がありました。このサイトはネット掲示板のかたちで、探す人、情報を知っている人が書き込めるので、どのように被災し、現在どうしているか、現在の連絡先もわかることがあります。あとの4人のうち1人は尋ね人として登録されていました。3人については尋ね人としての登録情報がありません。登録情報がないのは探す必要もないご健在と解釈したい気持ちです。地方自治体や新聞社のサイトなどもこうした捜索情報を掲載していますが、この「Person Finder」は使い勝手のよさと現地の人によって書き込まれた情報のディテールで優れていると思います。NHKはホームページからこのサイトにリンクをはっています。

    ●「尋ね人」はラジオからネットへ

    インターネット以前では考えられもしなかったことです。お役所やマスコミを通じなくても、インターネットのおかげで人々の相互扶助がさらに効率的になっているのです。これ以外にもネット上には尋ね人サイトが一杯あります。興安丸による大陸からの引き揚げ事業が行われた子どものころのラジオの「尋ね人」の思い出がよみがえります。感情を抑えたアナウンサーの口調が子ども心にも、その背後にある人々の苦難を想像させたものでした。いま、人々の苦難は、それを伝えるメディアを変えて人々に共有されていきます。heiunさんや「Person Finder」などを運営している方々には感謝を捧げたいと思います。

    興安丸 
    引き揚げ船「興安丸」

    ●twitterには治安情報も

    一方、twitterのハッシュタグ#miyakoには「宮古市鍬ヶ崎で、真っ暗な中、人探しと偽ってXXナンバーXX色のXXXX(車種)と若者数名が徘徊し、窃盗などを行っている可能性が指摘されています」というような情報もつぶやかれています。マスコミ、いや警察でも手が届きにくい身近な情報です。これがデマ、扇動に利用されるおそれはあるのですが、ネット時代ならではのできごとです。

    ●ジャスミン革命、そして東日本大震災

    ことしに入って最初の世界的大事件・中東のジャスミン革命ではインターネットが大きな役割を果たしました。そしてそれに続いて世界を揺るがしている東日本大震災でもインターネットは大きな存在です。直接の被災地ではネットはダウンしましたが、その後の安否確認や救援活動でインターネットの存在は無視できません。一方、ネットに押されて衰退気味だったテレビも今回は同時に多数の人々に精査された情報を伝えるという特質を発揮しています。被災情報から、交通情報、地震警報に至るまで多くの人々がマスコミからの情報の恩恵を受けています。

    ●ネットとマスコミ

    ネット世代からは、ときに「マスゴミ」などと罵られるマスコミ、その一方、年配者からは、何か薄汚いもののように思われるネットですが、双方の特質を生かせば、必ず未曾有の苦難を乗り越えようとしている日本人の強い味方になると思います。





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     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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