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    「想定外?」「想定内?」 福島原発の苛酷事故 - 2011.03.19 Sat

    19日の朝刊のラテ欄をみると、テレビのNHK総合の番組表が、ニュースは拡大されているものの、平常の編成に戻りました。災害時の緊急報道を使命とするNHK総合が平時編成に戻るのは、通常では、緊急事態が終息し、これ以上の悪化の見通しがなくなったことを意味します。しかし、今回は違います。「集積所にモノはあるのに届けられない」という状態はまだ改善されず、深刻な被災地の方々の窮状は進行しています。テレビのレポートが伝える地域は、報道の可能な地域です。報道カメラが入れないところは、救援の手も届きにくいところです。その状況が大変心配です。一方、東京電力福島第1原子力発電所については、正午現在目立った状況の好転はありませんでした。


    18日の自衛隊による放水作業

    19日午後2時すぎ、東京消防庁は、3号機への放水を再開しました。離れた場所で海水をくみ上げて連続して放水する仕組みで放水車を一時的に無人にして7時間にわたる放水ができます。放水される海水は1260トンに上り、使用済み燃料を保管するプールの容量とほぼ同じになる計算、とNHKは伝えました。電源復旧までのつなぎとはいえ、期待のできる進展ですが、その一方で徐々にではあれ、まだ危機は進行していると見る方が妥当です。「2つのing」が去らない以上NHKが平時編成に戻ったのを単純に喜ぶことはできないのです。

    屈折放水塔車  
    東京消防庁が投入した屈折放水塔車

    ●twitterでみつけた情報

    きょうは過去1週間の情報の中から、早急に対応策を講じ、日本国民が再び安全な日常に戻った時に解明する必要があると感じていることをお伝えします。3月15日、「『福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっている。……そのため私たちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた』とする共産党による 2007 年時点での報告」というつぶやきをtwitterで発見しました。早速そのURLに飛びました。日本共産党福島県委員会、同福島県議団、原発の安全性を求める福島県連絡会連名の「福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ」です。2007年7月24日付で東電の勝俣恒久社長(当時)に宛てられています。

    ●福島原発が「過酷事故」に至るとの警告

    3号機 
    16日の福島原発3号機(東電撮影)

    中越沖地震による東電柏崎刈羽原発火災を受けた5つの要望の4番目は、「福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっている。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された核分裂生成物質による崩壊熱を除去する必要があり、この機器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険がある。そのため私たちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた。柏崎刈羽原発での深刻な事態から真摯に教訓を引き出し、津波による引き潮時の冷却水取水問題に抜本的対策をとるよう強く求める」と述べています。

    ●今回の推移を予言

    今回の事故の推移をそのまま予言しています。翌日共産党本部広報に電話して「申し入れ」が事実かどうかを確認したことのほか、私が付け加えることはあまりありません。全体は共産党福島県議団のURLをごらんください。

    ●なにが「想定外」で、なにが予測可能か

    今回の災害は地震の発生を含めて、「想定外」ということばでくくられてきました。たしかに、あれほどの規模の巨大地震が、それも三陸沖から茨城県沖という広範囲で起きたことは「想定外」でした。しかし、 「チリ級津波」という既知の災害を前提としても、冷却機能が喪失するおそれがあるという警告が出されていたという事実は、福島原発の事故をも「想定外」ということばでくくるのはむずかしいということを示しています。

    切手 
    東海村実験炉竣工記念切手(1957年)

    ●崩れた原子力平和利用のコンセンサス

    「安全を十分に確保したうえで、原子エネルギーの恩恵を享受する」ことが、「フクシマ以前」の日本のコンセンサスでした。「フクシマ」はそれを根底から破壊しました。エネルギー政策は根本的に変更されるでしょう。それに適応する過程で、日本経済、国民生活はさまざまな不具合に苦しむことになるでしょう。東京電力という企業は自らの存立基盤すら脅かされる結果になりました。共産党広報との電話で「私は反原発論者でも、共産党シンパでもありませんが、このような活動は今後も続けていただきたい」という私に、共産党広報の人は「私たちと協力している核廃絶論者の中にも原発賛成の方はいらっしゃいます」と話していました。

    東電本社 
    東京電力本社

    ●メディアの責任どこまで

    一方、15日にこの情報にリツィートした私に「これを生かさなかったメディアの責任は?」という問いかけがありました。私は「その疑問はもっともです」と答えざるをえませんでした。データベースで、ある全国紙の2007年の記事を検索した限りでは当時の「申し入れ」は報道されていません。共産党広報に電話した翌日の17日、志位和夫共産党委員長は記者会見でこの問題に触れました。時事通信はそれを短く伝えましたが、大手紙は伝えていなかったようです。もちろん、巨大な危機が進行しているさなかですから、無理からぬところはあります。

    ●ただちに原発の総点検を

    いま、ここで「れば、たら」を論じるのは生産的ではありません。大事なのは「想定外」で片付けずに、全国の原発の安全性を総点検し、早急に根本的な対策を講じる必要があるということです。中部電力は浜岡原発(静岡県御前崎市)6号機の建設計画を延期する方針を固めたそうです(読売新聞)。これは健全な反応といえるでしょう。



     

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    Author: はぎたに じゅん
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    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
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