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    3連休がヤマ 福島原発事故 - 2011.03.18 Fri

    未曾有の大震災、巨大津波から1週間がたちました。東京電力福島第1原子力発電所の状況は18日現在、好転していません。自衛隊の放水車による3号炉への放水は困難をかいくぐりつつ行われました。東京消防庁も放水の機会をうかがっています。東電職員、関連会社を含め、国民の安全のために被曝しながら献身的な努力を続けている方々への感謝を十分にいいあらわせることばは私の乏しいボキャブラリーにはありません。

    放水車 
    自衛隊の放水車

    ●スリーマイルと同じレベル5

    しかし、状況が好転していないのが厳しい現実です。原子力安全・保安院は18日、福島第一原発1~3号機の事故について、事態の深刻さを示す国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定評価を、米国スリーマイル島の原発事故と並ぶ「レベル5」(広範囲な影響を伴う事故)に引き上げました。原子炉が暴走した旧ソ連チェルノブイリ原発事故の
    「レベル7」より低いのですが、スリーマイル事故は1基。福島では3基です。レベルは同じでも深刻度はより高いでしょう。

    ●ヘリからの冷却水投下の効果は?

    原発事故の対策は「止める、冷やす、閉じ込める」が原則です。1号機から6号機まで事情は違いますが、冷却水の喪失で「閉じ込める」に失敗した原子炉もあり、いまの努力は「冷やす」ことに集中しています。17日行われた陸上自衛隊の輸送ヘリによる空からの冷却水と投下については「30トンのうち1トンもかかっていないのでは」という専門家の見方さえあります。東電は「一定の効果があった」と評価しています。そうであるとよいのですが……。 再度ヘリが投入されるかどうかでそれは判断できるでしょう。

    燃料プール 
    燃料プール

    ●使用済み燃料は炭のもえさしとはちがう

    燃料を冷やすというと、われわれはつい、火のついた炭を連想してしまいます。火のついた炭は1回十分な水をかければ危険はなくなります。しかし、核燃料はそうはいきません。炉の中で燃焼中の核燃料が高熱なのはもちろんですが、炉外に出した使用済み燃料も膨大な崩壊熱(かんたんに余熱といわれていますが!)を出し続けます。だからこそ、使用済み燃料は建屋内の冷却プールに入れて冷やされます。それを使用済み燃料処理施設に運び出すには最低1年かかるといわれます。ここにいま私たちが直面している問題があります。

    ●原子炉には膨大な量の水が必要

    原子炉構造 
    炉心部分の模式図

    3号機の燃料プールの水の量は1450トンといわれます。福島第1原発の6基の原子炉でいえば、数千トンになるでしょう。平時では、常に冷たい水を供給し、プール内で循環させています。一方、炉心部分も水を循環させて温度を制御しています。そのために、原発は巨大な冷却水供給装置と、バックアップの緊急炉心冷却装置(ECCS)、ポンプ、電源、補助電源になるディーゼル発電機などを備えています。しかし、今回は地震と津波で、そのすべてが機能を停止してしまいました。

    ●焼け石に水でも放水する意味

    原子炉を安全に運転するための膨大な水量に比べれば、30トンの水は真夏の打ち水程度の力しかなさそうです。しかし、ほかに冷却手段のない現在、これはやらなければならない作業であることはまちがいありません。焼け石に水でもあっても、少しでも温度を下げて、本格的な給水再開まで時間をかせぐ必要があるからです。

    ●電源復旧は切り札になるか

    本格的給水再開のために、いま期待されているのが電源復旧です。約40年前の原発建設工事に使われ、東北電力富岡変電所から福島原発にひかれた現在休眠状態の古い送電線を原発に接続しようとしています。17日にはケーブル点検が終了したそうです。しかし、各原子炉建屋への給水に必要な専用分電盤やリレー回線を接続するのは早くて18日深夜から19日以降になりそうです。廃墟のような環境での作業は困難を極めますし、作業には放射線被曝の危険が伴います。電源が確保できれば、燃料プールに給水する装置やECCSなどが使えるようになる可能性があります。しかし、地震による決定的損傷がどこかにあれば、ECCSは作動しません。これがわかるのがおそらく3連休中。大きなヤマになるでしょう。


    送電線が開通したあとの問題点を読売新聞がわかりやすくまとめてくれました。「機器類正常に動くか?電源復旧への課題」。しかし、ECCSなどを動かせなかった場合、さらに打つ手がありうるのか。それは現時点では語られていません。

    ●情報隠蔽か?情報貧困か?

    菅直人 

    一方、諸外国からは「日本政府や東電は情報を隠蔽している」との批判が出始めました。政府、東電は半径30キロに退避区域を設定しているのに、アメリカはじめ諸外国は自国民の退避を半径80キロ外に設定しました。自衛隊による放水作業にどの程度の期待がかけられるのか。これまでの作業にどの程度の効果があったのか。さらには、なぜ3号機が冷却作業の優先的対象になったのか。依然として政府・東電の説明はあいまいなためです。18日夜記者会見した菅直人首相は「政府、東電がつかみえた情報はすべて公開している」と釈明しましたが、釈然としない国民は多いと思います。それとも、ほんとうに断片的かつ乏しい情報しか持っていないのでしょうか?

    ●安全な生活への帰還を

    1970年、機器の故障で地球への帰還が危ぶまれたアメリカの有人月飛行船アポロ13号を思い出します。映画「アポロ13」は超人的な乗組員の努力の結果、なんとか地球に帰還する姿を描き出しています。福島原発の現場で作業にあたる人々を外国では「フクシマ50」と賞賛しています。アポロ13号の場合は、ケープ・ケネディの管制室が危機を制御するために完全なバックアップをしました。「フクシマ50」を政府・東電がアポロ13号の管制室のように支えてくれること、そして日本国民がまた安全な生活に帰還できることを祈ります。


     

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     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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