topimage

    2017-09

    スポンサーサイト - --.--.-- --

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    「透明性」「明確な見通し」そして「配慮」を期待 - 2011.03.18 Fri

     17日は東電福島第1原発の事態は好転はしないまでも、大幅に悪化することはなかったようです。このためでしょうか、菅直人首相の「国民に向けたメッセージ」はありませんでした。その一方で、このところの大臣たちの不用意な発言が目立ちました。

    ●ヘリ投入の「限度」って何だ?

    投下 
    冷却水投下を見守る人々=産経新聞から

    第1号は北沢俊美防衛相です。17日午前、国民が注視したのは陸上自衛隊の輸送ヘリによる原子炉への冷却水投下です。午前10時前、2機のCH-47が交互で4回にわたって約90メートル上空から計30トンの海水を投下しました。作戦終結後、北沢防衛相は記者会見で、前日見送った作戦を決行した理由について「今日が限度であると判断し、決心した」と述べました。しかし、「限度とは何か?」という質問に対しては「3号炉の現状報告に基づき、私と菅首相が昨日、話し合いをする中でそういう結論に達した」と述べました。この局面で「限度」というのは重大な表現です。おそろしいことを予感させるからです。さらに詰められると、「首相と私の重い決断を折木良一統合幕僚長が判断し、統幕長の自らの決心の中で投下を実行すべしということになった」と説明しましたが、何の限度かは明らかにしませんでした。

    ●菅首相のこだわりか

    北沢俊美 菅直人 

    ヘリ作戦には菅首相がこだわっていたと伝えられていました。「限度」は、菅首相を押しとどめる限度だったのかもしれません。しかし、ヘリからの冷却水投下は、その効果が疑わしい点と乗員の安全確保の点で自衛隊・防衛省が二の足を踏んでいたことはこのブログでも書きました。それでも決行しました。そして「限度」発言です。透明性に欠け、不安を呼ぶ発言です。

    ●被災地の物資不足は被災地以外のせい?

    第2号は蓮舫消費者担当相です。節電啓発担当相に任命されながら、ロープロファイルな蓮舫大臣は17日、買いだめによって首都圏で食料品などが品薄となっていることを受け、都内の小売店を視察しました。テレビには格好の素材を提供してくれたわけですが、これに先立つ15日、蓮舫大臣は記者会見で、「東日本大震災の被災地に支援物資が回らない可能性も出てくる。買い占めないでほしい」と発言しました。漫然と聞き流していれば、もっともに聞こえてしまいます。しかし、首都圏など被災地以外の物不足と、被災地の物資不足は根本的に構造が異なります。

    renho 

    ●「運べない」「届かない」

    被災地住民の状況は真冬並みの寒さと雪のためさらに厳しくなっています。夜のNHKのニュースの中継に出た福島県南相馬市(屋内退避地域)の桜井勝延市長によると、国土交通相の政務官がはじめて町にやってきたものの、ガソリンなどの救援物資の搬入の障害は依然として除去されていないとのことです。しかし、被災地の外部には救援物資は山のように集積され始めました。ここでの問題は、「モノがない」というよりも「運べない」「届かない」なのです。南相馬市の場合は屋内退避地域とその外を往来することです。桜井市長は「運送してきたトラックは地域内に入ってこない。退避しているわれわれが戸外に出て取りにいかなくてはならない。しかし、そのガソリンもない」と不条理を訴えてきました。大災害のあとの国家の任務である道路や燃料供給網といった社会インフラの復旧が進んでいないためです。

    物資 
    集積された救援物資=読売新聞

    ●無用な対立招くおそれ

    別の面から見ると、首都圏など被災地外で買い急ぎの対象になっている消費物資は、通常の商業的流通ルートに乗っているものです。被災地ではそれが崩壊していますから、現段階では救援ルートの緊急物資です。供給ルートが異なります。そして多くのメーカーが被災地向けに生産を拡大しています。ですから、「運び」「届ける」ことがカギなのです。「日本全体では物資は十分にある」という政府の説明が事実なら、蓮舫大臣の発言は、被災地と被災地以外の事情の連関を十分理解していないだけでなく、被災地と被災地以外の対立を無用に煽りかねない不用意な発言です

    ●混乱まねいた「予測不能」発言

    海江田 
    海江田経産相=産経新聞

    3番目は海江田万里経済産業相です。海江田大臣は17日夕刻、急に記者会見して、上記した被災地への燃料緊急供給網を整備することを説明しました。これは時宜を得た説明でした。しかし、これに加えて東京電力の供給体制について「本日夕方から夜にかけて電力需要量が供給量を大幅に上回り、(首都圏などで)予測不能な大規模停電が発生する恐れがある」と強い表現で、節電を呼び掛けたのです。結果として政府の要請に応じ、JRや首都圏の私鉄各社が運行本数を削減。百貨店大手が閉店時間を早めるなどの対策を講じました。

    ●ショックは円高にも拍車

    円高 
    =産経新聞

    混乱したのは、「鉄道は停電しないから大丈夫」と出勤した人々です。都内の各駅は早く帰ろうと殺到した人々でごった返しました。混乱回避のため夕方のテレビやラジオは必死にこの情報を流しました。私はテレビ朝日のスーパーJチャンネルのスタジオにいて、ヘリや駅からの中継をはらはらしながら見ていました。ここでも日本人の高いモラルが幸いしたのでしょう。大混乱は起きなかったようですが、すでに夕方のラッシュアワーに入った時間での唐突な「予測不能」発言は不用意でした。ショックは海外にも伝わり、円高に拍車をかけてさえしまいました。

    ●「透明性」「見通し」「配慮」が必須

    仙谷2 

    ただでさえ国民はいま巨大な不安にさいなまれています。一致して難局にあたっても、いつまた安心な日常生活に戻れるかがわからないからです。そうしたときに、「説明不足」や「対立を招くような発言」さらには「不安や思惑を誘う発言」は厳に慎まなければなりません。こうした中、政府は高齢の藤井裕久官房長官に代えて、仙谷由人前官房長官を官房副長官に据える人事を発表しました。仙谷氏は問題発言の数々で問責決議を突きつけられ、更迭されたばかりです。仙谷氏は被災者支援本部のトップになるそうです。「ふざけた人事」という反発もあるようですが、野党からは仙谷氏の手腕には期待も寄せられています。もともとは人権派弁護士の仙谷氏には「透明性」「明確な見通し」そして「慎重な配慮」をモットーに仕事をしていただきたいと念じます。


    追記 南相馬市の桜井勝延市長は17日、避難を希望する市民のうち
    約1600人を新潟、群馬両県に移送
    することを決断しました。屋内退避の対象となって、「放射能に汚染された地区」と誤解され、食料や燃料などの物資が入ってこない上、福島原発が予断を許さない状況が続いているためです。新潟県と群馬県の思いやりは、3日間にわたって桜井市長の訴えを取り上げたNHKのおかげもあるでしょう。南相馬市が直面した偏見につながりかねない誤解を取り除く配慮も政府とりわけ仙谷氏には期待されます。



    ● COMMENT ●

    こんばんは

    萩谷さん、お疲れ様です。
    今日、地震当日、東京に出張にいっていた知人から話しを聞きました。
    知人は、日帰り出張のはずが、東京から出る事が出来なくて、会社に宿泊し不安な時間を過ごしたと生々しい話しを聞きました。

    私もNHKで、桜井市長の電話インタビューを見ました。
    それを見て一番悲しく、私自信不安になった市長さんの言葉が、「県からも国からも何も連絡も情報も入って来ない。テレビでしか情報が入って来ない」 という言葉でした。
    いろんな対応で大変だと思いますが、国、行政にたいしてすごく不信感を感じました…
    まだ言いたいコメントがあります。長くなりそうなので、
    またコメントさせていただきます。


    管理者にだけ表示を許可する

    トラックバック

    http://hagitani.blog51.fc2.com/tb.php/145-56529845
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    3連休がヤマ 福島原発事故 «  | BLOG TOP |  » 冷却水投下断念

    おすすめブログに

    萩谷 順

     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
    出演番組
     スーパーJチャンネル(金)
     モーニングバード!(水)
     ワイド!スクランブル(月)
     ビートたけしのTVタックル
       (不定期)
    過去の出演番組
     そうだったのか!学べるニュース
     やじうまプラス'04-'10
    ニュースステーション '00-'04
     ニュースレーダー '85-'87
     (いずれもテレビ朝日)

    お問い合わせや講演の依頼は...

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    本人から返信します(お名前やメールアドレスなど個人情報は本人の同意なしには公開しません)

    いま何時?

    ※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません

    Twitter

    最新記事

    カテゴリ

    大震災+原発事故 (38)
    政治経済 (71)
    国際情勢・グローバル化 (21)
    社会・生活・文化 (22)
    大学・教育・若者 (4)
    テレビ (4)
    講演 (2)
    IT・パソコン (2)
    たのしみ (28)
    ごあいさつ その他 (8)

    リンク

    このブログをリンクに追加する

    朝日新聞グループニュース

    月別アーカイブ

    RSSリンクの表示

    検索フォーム

    最新トラックバック

    FC2カウンター

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。