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    若葉マークの危機管理 ドサクサ紛れの底意も? - 2011.03.13 Sun

    東日本大震災発生から2日、地震の規模は当初のマグニチュード8.8から9.0(モーメントマグニチュード=Mw)に修正されました。放出されたエネルギーは阪神淡路大震災に比べてもはるかにはるかに巨大です。阪神淡路夫大震災はMw6.9です(注1)。まさに未曾有です。一方、東京電力福島第1原子力発電所では、12日の第1号炉爆発に続いて、13日午前、第3号炉の冷却機能が失われたと伝えられました。冷却水の給水ができなくなったためです。この経路は1号炉と同じです。1号炉では炉心溶融が起きているとみられており、13日午後には3号炉の水素爆発や炉心溶融の可能性も取りざたされています。今回の地震での緊急事態の通報は6機目です。東北電力女川原発での放射線量増加も報じられました。1957年の東海村実験炉以来半世紀余の歴史と安全神話を作り上げてきた我が国の原子力利用史上でも、未曾有の危機が到来しています。

    atom 爆発で建屋が失われた福島第一原発1号炉

    ●リーダーシップ誇示

    菅直人首相は昨日動きました。早朝からヘリで現地を視察し、夜8時半からは記者会見しました。危機を克服するリーダーシップ誇示に腐心しているようです。しかし、菅政権の対応は早くも批判を受け始めています。産経新聞の13日朝刊は、原発危機について「後手に回った首相、発生後2時間たち発表/現地視察も裏目」と強く批判しました。日頃民主党政権に批判的な産経だけではありません。朝日新聞も「危機管理ちぐはぐ 避難指示ぶれた情報」と論調がそろいます。1号炉の爆発が午後3時36分だったのに、住民避難の指示が遅れました。「10キロ圏外は大丈夫」(午後5時56分、枝野官房長官)といっていたのに、そのわずか30分後の午後6時25分には避難範囲を20キロ圏へ拡大。おまけに、拡大を記者会見で明らかにしたのは首相会見の場でした。結局、爆発音から5時間もたっていました。

    edano 菅直人 

    ●危機のリーダーシップには何よりモラルが大事

    一方、炉心溶融の可能性は11日夜にはすでに予想されていました。危機管理の原則は「最悪の事態を想定する」ことです。たしかに、最悪の状態を想定しても、すべての情報を垂れ流すのはもっとも稚拙なやり方です。国民への情報提供の原則は、ぶれないこと、パニックを起こさないこと、そして何よりも住民の安全を確保することです。しかし、実際に被曝者が出てしまった以上、まず第1ラウンドは落第点です。第2ラウンド以降は手際よくやっていただきたいと思います。他方、菅首相が会見する前から、ソーシャルネットワークシステム(SNS)では「沃化カリウム服用」など被爆対策の情報が流れていました。未曾有の危機に心をひとつにしはじめた国民。危機に際してのリーダーシップは、権力誇示ではありません。何よりもモラル的なリーダーシップが大事です。

    避難 避難した福島原発近隣住民

    ●垣間見える「大地震の政治利用」

    つい先頃、「仮免でなくなった」と放言した菅首相です。だからといって、「若葉マークの政権だから」と大目に見ることはできません。13日には「東祥三内閣府副大臣(防災担当)、ヘリ視察中に居眠り」(読売新聞)というゆるみも表面化しました。大地震発生直後には、ネット上にこんな怪情報が流れました。民主党の某大幹部が「大地震がおきて、菅さんはラッキーだ」といったというのがその内容です。発言の主がいかにもその手の発言をしそうな人であること、在日韓国人からの違法献金が明るみに出て、菅首相がいよいよ剣が峰に足がかかかっていた状況でおきた未曾有の危機を政治利用できそうな客観情勢が、怪情報流通を可能にしたのでしょう。国民が心をひとつにしはじめた一方で、メディアも直接の政権批判を控えていたのですが、原発をめぐる不手際はそれを台無しにしかねません。それどころか、民主党政権には、「危機の政治利用」が見え隠れしています。

    東祥三 東祥三防災担当副大臣

    ●ドサクサ紛れに平成23年度予算成立狙う?

    それは、救援・復興をめぐる予算措置です。野党やメディアが「政治休戦」に傾くのをよいことに、政府・民主党は「平成23年度予算を早期に成立させた上で、23年度補正で災害対策を」と提案しています。その理由は22年度予算には予備費が2000億円しかないことです。しかし、
    「バラマキ4K」を含む23年度予算は、場合によっては菅首相の首あるいは解散総選挙にかかわる大地震以前最大の争点です。それを大地震のドサクサ紛れに成立させてしまえば、「菅政権は安泰」です。それかあらぬか12日午前のNHK日曜討論で民主党の代表は、ばらまき4Kの財源になる予算関連法案まで期待するような風情を自民党代表にとがめられました。

    国会議事堂 

    ●バラマキ4kを災害対策に振り向けよ

    一方の自民党は「国会の休会」を提案していますが、これもあまりすばらしいとはいえません。政府に非常大権を与えるようにみえますが、災害時の非常大権を定めた憲法上の規定(有事法制の一面)がない以上、政府の行動には制限があります。現行憲法体制では、平成22年度補正予算として災害対策を行い、その財源には赤字国債を認める、さらにその予算には予備費的性格を与えて政府に年度をまたいだ予算執行を認めるというようなやり方も考えるべきでしょう。バラマキ4kの財源を災害対策に振り向けることです。しかし、政府民主党にどさくさ紛れの底意が露骨になれば、野党も硬化せざるをえません。「政治休戦」どころか、被災者そっちのけの政争の泥沼です。

    ●グローバル経済の大津波に備えよ

    グローバル経済 


    そんなことをしている暇はありません。あちこちで孤立している被災者の救助は焦眉の急です。「救出のタイムリミット」は集団で孤立している方々にもあります。一方、被災地にとどまらない国民経済全体への打撃が次第に明らかになっています。東京電力は14日からの「輪番停電」を検討しています。これらの社会インフラのほか、物資の流通も障害を受けており、労働力の供給にもやがて障害が出てきます。東北地方を中心に操業を休止する企業が出てきています。国民経済の活動レベルは否応なく低下していくでしょう。そして、金融市場はそれを折り込んで週明けには機敏に反応してきます。グローバル経済の大津波です。ただでさえ、国際環境は資源高が加速している中、日本売りが襲来することへの対応策はあるのでしょうか?

    いずれにせよ、菅内閣にはしっかりと危機対策をとっていただきたいと思います。当面は、あなたたちにやっていただく以外の選択肢はないのですから。



    注1) マグニチュードには、地震学一般で使われるモーメントマグニチュード(Mw)と気象庁マグニチュード(Mj)などいくつかの種類があります。東日本大震災の気象庁修正後の9.0はMwで、Mjについての記述は気象庁の発表(「平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震」について=第 15 報=)
    www.jma.go.jp/jma/press/1103/13b/kaisetsu201103131255.pdfにはありません。阪神淡路大震災はMjで7.3、Mwで6.9とのこと。基準値の取り間違いでいまのところ規模の比較に混乱があります。

    Mw6.9とMw9.0の差2.1。マグニチュードが1.0増えるとエネルギーはおよそ31.62倍ということですから、差が2.1だと、1000倍以上ということになりますが、正確なところは私にはわかりません。メディアによっても数字が違うのはこのためでしょう。目くじらを立てずに「一つ、二つ、三つ、たくさん」という感覚でお読みください。




     





     

    ● COMMENT ●

    パニックになるか。。。

    今回日本側の情報公開は確かに問題があると思います。そのせいで、中国でも色んな噂ができて、人々は在日親族や知人などを心配して、「中国に戻れ」と呼びかけしております。まさにパニックのような状態。。。

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     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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