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    細川厚労相の罪は・・・ おそろしい試算 - 2011.03.09 Wed

    前原誠司外相が辞任したことで、菅直人政権に対する野党の攻撃のターゲットは細川律夫厚生労働大臣に絞られてきました。細川厚労相は、鳩山由紀夫内閣、菅内閣で厚生労働副大臣を務め、菅改造内閣では長妻昭氏に代わり、副大臣から昇格する形で厚生労働大臣に就任。翌2011年発足の再改造内閣でも留任しました。副大臣とはいえ、民主党政権の厚生労働行政の”継続性”をだれよりも代表する人物であり、”政治主導”を体現していることを期待される政治家です。

    ●逃げ口上弄する細川厚労相

    hosokawa 
    思い出ボロボロ

    それが、専業主婦の国民年金切り替え届け出漏れ問題で、問題の多い救済措置が「厚労省の課長通達のみで行われたことを知らなかった」と認めただけでなく、「長妻昭前厚労相から引き継ぎを受けていなかった」と逃げ口上を弄して辞任を拒否しているのが、3月8日現在の状況です。いまになって菅首相は「極めて重要な問題を、課長の段階で(通達を出す)決済をしたというあり方には問題があった」と認め、「法律に基づく対応が望ましい」と述べています。細川厚労相は昨年12月にこの救済策を了承した年金記録回復委員会に出席しています。この点について、厚労省はその後、救済策を決定したのは昨年3月と修正してきました。これは、長妻前厚労相に責任をなすりつけようとする小細工のように見えます。

    ●自民党流官僚依存よりお粗末な「政治主導」

    長妻昭 
    この人も(が?)トンネル

    これほど問題になる決定をノーチェックで見逃してしまったのは、長妻氏にせよ細川氏にせよ民主党内閣の厚労相であることにはかわりありません。政権交代を実現させた民主党の「政治主導」はこんなことではなかったはずです。「役所に任せておくと何ををするかわからないから、政治家で構成する内閣がきちんとチェックする」ことではなかったのでしょうか。これは最小限の「政治主導」です。政策形成に積極的に政務三役が関与して、合理的な政策を打ち出し、それを国会の審議を経て実現することこそが、「政治主導」です。「知らなかった」というのはお話になりませんし、自民党政権時代と同じ「官僚依存」、それも相当お粗末なものです。

    ●「スーパーJチャンネル」のモデル

    これだけでも細川氏は辞任に値するのですが、問題はこれだけではありません。「課長通達」によって実施されようとした救済策にどれだけのお金がかかるはずだったか、です。現在のところ、これはあまり議論されていませんが、きょうの夕方のテレビ朝日「スーパーJチャンネル」にそのヒントがありました。8日の「スーパーJチャンネル」は2人のモデルを取り上げました。

    ①10年間の未納期間のある人が今回の救済措置によって、さかのぼって2年分の保険料を支払い、10年間支払ったのと同じ扱いを受ける人
    ②10年間保険料をきちんと支払った人
    です。

    ①②のほかの条件が同じなら、この10年間に相当する年金支給額は①の人も②の人も同額になります。これでけでも、「まじめに払ってきた人がばかを見る」という批判はまさに正当です。

    ●保険料0が生む巨大な国民負担

    === 世代別の保険料と給付額 ===
    40年加入した時の一人当たりの保険料と給付額及び倍率
    (厚生労働省2004年推計)wikipediaから
    生まれ年保険料(万円)給付(万円)倍率
    1935年(昭和10年)2301,3005.8
    1945年(昭和20年)3901,3003.4
    1955年(昭和30年)6001,4002.3
    1965年(昭和40年)8301,6001.9
    1975年(昭和50年)1,0001,8001.8
    1985年(昭和60年)1,2002,1001.7
    1995年(平成7年)1,4002,3001.7
    2005年(平成17年)1,6002,6001.7

    
    これを一歩進めて考えてみなくてはなりません。「スーパーJチャンネル」によると、対象の10年間に支払う保険料は①の人が167万円、②の人は36万円だそうです。差額は131万円です。では、この差額131万円が年金として支給されるとどうなるでしょうか? 上記の表「40年加入した時の1人当たりの保険料と給付額及び倍率」を見ると、対象者が1965年生まれとすると、倍率は1.9倍ですから支給年金額は約250万円です。つまり「2年間支払えば10年保険料を支払ったとみなす」という救済策は「0円の保険料納入で250万円もらえるということになります。今回の救済策の対象になる人は100万人いるそうですから、乱暴に上記の例をあてはめると、総額はなんと2兆5000億円です。本来ならその年金原資になるべき保険料は「みなし」=0円です。結果として給付は国庫負担です。そのまま税金の負担(あるいは国債)です。まじめに払ってきた人はバカを見るだけでなく借金まで背負わされるのです。


    ●政府は「救済策」による国民負担の正確な試算を明らかにすべき

    人口ピラミッド
    日本の人口ピラミッド(2010年)

    これはあくまでも素人の試算であることは断っておかなくてはなりません。怒りにかられて1時間弱で一気に書いたものですから、誤りがあればご指摘をお願いします。たしかに、どうがんばっても、「みなし」が8年分に満たない人もいますし、「みなし」を入れても40年の保険料支払いどころか、給付の条件である「25年間の保険料納入」に達しない人もいるでしょう。これらは試算の減額修正要素です。しかし、一方で、給付倍率は対象が1945年生まれなら3.4倍で高齢者ほど大きいことと、給付倍率の高い団塊の世代前後の高齢者が多いことは試算の増額修正要素になります。また、試算では、救済される期間を8年分で計算していますが、救済策では、1986年以降の未納期間すべてが救済の対象になることも忘れてはなりません。政府にはぜひ、正確な国庫負担の試算を出していただきたいところです。

    ●もう、「政治主導」とはいわせない

    菅直人 

    いずれにせよ、「政府債務残高の1000兆円弱と比べればたいしたことはない」と思われる方はお大尽様です。でも、こんな不当な救済策であっても、法律として定めることを目指し、きちんと国会で審議をつくして「これでよし」ということなっていたならば、問題はありません。国民が不公平を甘受するわけですから。菅首相が「法律で」といいだしたのはこのためです。しかし、今回のケースは、国会の審議どころか、一介の(あえて一介のといわせていただきます)課長風情の通達で莫大な金額になる救済策を決めてしまいました。それこそが由々しき問題なのです。細川氏が「知らなかった」のは「いつ、どこで、だれが、どのように決定したか」にとどまりません。一番重要な「何を決定したか」を知らなかったのです。とんでもないことです。莫大かつ不公平な国民負担につながる決定をトンネルした民主党内閣から「政治主導」ということばはもう聞きたくありません。




     

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     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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