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    カイロのおばあちゃんと電話がつながった - 2011.02.01 Tue

     100万人デモのうねりが始まったカイロに電話がつながりました。家内が「カイロのおばあちゃん」とやっと話ができました。今度ばかりは長電話OKです。マダム・アミーラはカイロ国際空港と旧市街の間にあるナイル東岸郊外のヘリオポリスに住んでいますが、今回はナイルの西岸にあるモハンデシーンの親戚の家に避難しています。モハンデシーンは数日前にデモ隊と治安警察が衝突した地域ですが、ヘリオポリスより安全と判断したためです。

    破壊 
    破壊されたエジプト考古学博物館の収蔵品

    ●中間層の住宅地も破壊、略奪の対象に

    ヘリオポリスは中間層の多い新興住宅地です。マスコミにはあまり伝えられていませんが、ヘリオポリスも混乱が進んでいるとのことです。マダム・アミーラの友達マダム・シャディアの夫婦が経営するレストランは群衆に破壊、略奪されました。お店にあったATMがねらわれたようです。私たちはマダム・シャディアの家族とも家族ぐるみのつきあいで、息子同士はよい遊び友達でしたから、つらいニュースです。マダム・アミーラは3月1日にカナダで手術を予定しているそうで、無事に出国できることを願うのみです。

    エルバラダイ 
    エルバラダイ氏

    ●エジプトがイスラム国家化すれば世界は不安定に

    今回の民主化闘争がどのように向かうのかはまったくわかりません。開明派のエルバライダイ氏(元国際原子力機関事務局長=ノーベル平和賞受賞者)が前面に出ていること。エジプトの原理主義組織「ムスリム同胞団」が歴史のある比較的穏健な組織であることから楽観的な見方もあるようですが、今後の推移によっては、イスラム革命に進む可能性も完全には否定できません。世界の安全保障の一方の要石だったエジプトが急進的なイスラムに傾いたなら、世界が不安定になる度合いは、オサマ・ビンラディンの比ではありません。イスラエルのネタニヤフ首相から警戒のメッセージが発せられているのは、イスラエルからすれば当然ですし、日本にとっても中長期的には対岸の火事ではすまないでしょう。

    スカーフ 
    スカーフをかぶったイスラムの女性たち

    ●ふつうのイスラム教徒にとっての原理主義

    20年ほど前、カイロに住んでいたころ、マダム・アミーラと話したことが思い出されます。マダム・アミーラはこういいました。
    イスラム原理主義をどう思うの? 原理主義者の主張のほとんどは私たちイスラム教徒の共感できるものなの。もちろん、私たちは暴力には絶対反対するけれど、原理主義者のいうことは私たちのこころの奥にあるもの、ひとの道です」

    マダム・アミーラは、ハッジ(聖地メッカ巡礼)に行ったことがありますが、熱狂的なイスラム教徒ではありません。いつも洋装でスカートをはく開明的な中間層のマダムです。それがあるころから、外出するときにスカーフで髪を覆い始めました。「なぜ?」と尋ねると、「世の中がちょっとそういう風向きになってきたのよ」と答えたものです。マダム・アミーラの夫は故サダト大統領時代にスエズ運河庁の高官でした。長男のアシュラフはアインシャムス大学を卒業、次男のガマールはカイロ大学を卒業し、いずれもアメリカ、カナダで働いています。原理主義運動とは無縁の中間層、西側の友人です。それでも、彼らイスラム教徒にとっては、原理主義は異物ではありません。日本人にとっての「やまと心」よりもっと人々にとって強いものでしょう。

    ●民主化闘争の結末はエジプト市民の心次第

    民主化闘争の推移は、ムバラク政権や軍の出方、ムスリム同胞団など野党勢力の出方、周辺アラブ諸国や国際社会の対応、国内外の過激な原理主義組織の浸透のからまりあった複雑な方程式の解です。そして何よりもエジプト市民の心がどのように動くかにかかっています。





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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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