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    来年のアカデミー賞? 映画「英国王のスピーチ」 - 2010.12.23 Thu

    来年2月に公開されるイギリス映画「英国王のスピーチ」を見てきました。試写会の案内にヘレナ・ボナム=カーターの名前を見つけたのが動機でした。ヘレナ・ボナム=カーターは最近では、「アリス イン ワンダーランド」(2009)の赤の女王役で知られていますが、私は「眺めのいい部屋」(1986)以来のファンです。フィレンツェを舞台にしたきわめてブリティッシュな私小説映画ですが、新人だったヘレナはベテラン女優マギー・スミスと実にすばらしいハーモニーを醸し出していました。

    ヘレナ 
    赤の女王のヘレナ・ボナム=カーター

    ●吃音症だった戦時の英国王

     「英国王のスピーチ」は、王冠を賭けた恋で知られるエドワード8世の退位を受けて即位したジョージ6世のプライバシーに関わる映画です。ナチス・ドイツと対決する宿命にあったジョージ6世は吃音症だったのです。ジョージ6世がどのようにしてそれを克服し、国民をひとつにまとめ鼓舞したか、を解き明かします。

    ●演技派目白押しのブリティッシュな映画

    イーリー 
    ジェニファー・イーリー

    映画が始まって驚きました。ジョージ6世には「マンマ・ミーア」
    (2008)のハリー役だったコリン・ファース。ヘレナ・ボナム=カーターはその妻エリザベス。ジョージ6世の吃音症を治療するオーストラリア人ライオネル・ローグに「恋に落ちたシェークスピア」(1998)の小屋主ヘンズローを演じたジェフリー・ラッシュ(パイレーツ・オブ・カリビアンのバルボッサといった方が早いかも)。そしてローグの妻マートルに「抱擁」(2002)の運命の女性クリスタベル・ラモットを演じたジェニファー・イーリー。いずれも演技派、そして私の大好きな俳優たちのオンパレードです。セリフには「lovely」とか「bloody」といった単語がいっぱいでてくるブリティッシュぶりです。kinging(王様する)なんて表現も。

    ●「ヨーロッパで最も危険な女性」

     mum elizabeth 
    ジョージ6世と  第2次大戦中、兵士を慰問するエリザベス妃
    エリザベス妃

    英王室を扱いながら、大仰な構えはありません。広角レンズを多用した心のドラマです。ローグの記録をもとにした脚本化は30年以上前に企画されながら、ジョージ6世の妻エリザベス皇太后が、自分の生きている間は公にしてほしくない、と許可を与えなかったため見送られていたそうです。そのエリザベス皇太后は現在のエリザベス2世女王の母でもありますが、第2次世界大戦中のナチス・ドイツによる英国爆撃との戦い(Battle of Britain)で国王を支え、国民を鼓舞したことで、ヒトラーをして「ヨーロッパで最も危険な女性」と呼ばしめたそうです。

    ●王室秘話に留まらない現代的価値

    elizaII カミラ 
    エリザベス2世女王    チャールズ皇太子とカミラ夫人

    エリザベス皇太后は2002年に亡くなりました。戦争を前にしているのに国民よりも不倫相手の女性を選んで退位した先王に代わった内気な性格の夫を支え、The Queen Mum(女王のおっかさん)として国民に敬愛されました。この英国民のドラマの主役をヘレナ・ボナム=カーターは見事に演じています。いま、英国女王エリザベス2世は在位60周年を目前にしています。しかし、その後継者問題はいささか混沌としています。ダイアナ妃の悲劇を生んでまで長年のガールフレンドと結婚したチャールズ皇太子は映画中のエドワード8世と重なります。国民の統合の象徴としての君主の役割は国民の支持がなければ果たせません。チャールズ皇太子を飛ばしてダイアナ妃の息子ウィリアム王子に王位を継がせることを望む声は小さくないようです。現代の君主とは何か、国民の統合とは何か、この映画は単に王室秘話にとどまらず、われわれ日本人に対しても現在的示唆に富む映画です。2011年のアカデミー賞の有力候補という看板にいつわりはありません。


     

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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
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