topimage

    2011-07

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    シュプリッツアー 猛暑にぴったりの清涼飲料 - 2011.07.25 Mon

    けさのNHK「あさイチ」は炭酸水特集でした。健康に料理に炭酸水がよいというお話でしたが、きょうの私のブログも炭酸水。以前から書こうと思っていたのですが、「政治ネタ」にじゃまされて登場しませんでしたが、「あさイチ」に便乗です。

    ●真夏のウィーンの飲み物

    それは猛暑に最高の飲み物です。真夏の昼、アルコールの入っていない清涼飲料では物足りないが、さりとて、ワイン、ビールは重いとお考えのみなさんはぜひお試しください。私は、これをウィーンに駐在していたころ覚えました。ウィーンはカフェの町。カフェは町の人の応接間として機能します。夏ともなれば、街中のそこここにパラソルやテントで日よけした席がしつらえられます。そこでのウィーン子の飲み物がこれ、Spritzer(シュプリッァー)です。Spritzerはオーストリア・ドイツ語でシュワー・・・と「ほとばしるもの」。

    viennacafe 
    ウィーンの町角の小さなカフェ

    ●ワインの炭酸水割り「Spritzer」

    ワインを炭酸水で割った飲み物です。眉をひそめる方がいるのが目に見えるようです。日本人の多くが「ワイン道」に傾き、フランスワインを最高と考えている中では、たしかにこれは邪道の飲み方かもしれません。オーストリアではポピュラーな飲み物ですが、日本のレストランでこれを用意しているところに行き当たったことはありません。でも、これは猛暑の夏には最高のアルコール入り清涼飲料です。

    ●材料、作り方は簡単

    作り方は簡単です。材料はワイン(赤でも白でも)、氷、炭酸水、グラスだけです。オーストリアではワイン表示法という法律の第4条でSpritzerの成分が決められています(いかにもドイツ民族です)。いわく、ワインが少なくとも50%、炭酸水が多くても50%で、最低4.5%のアルコール分があること、だそうです。ただ、夏には炭酸水を多めに、冬にはワインを多めにという手加減もするそうです。オーストリアでは、氷は普通供されませんが、高温多湿の日本では氷を入れると一段と夏向きになりますし、炭酸水を冷やしておく手間が省けます。

    spritzer 
    これは白ワインでつくってみました

    ●安いワインで十分

    Spritzerの良さはアルコール分を自分の好みで調節できること、そして後口(あとくち)の良さです。ワインの白か赤かはお好みですが、私は後口の点で赤をおすすめします。そして何より大事なのはワインの等級です。高級フランスワインや高級ドイツワインはまったくのムダです。そのへんのスーパーでカリフォルニア、チリ、南アフリカなどからの輸入ワインを買ってくればよいのです。私の愛用のワインはコストコで買ってくる1本500円以下のチリワイン「ポルタ」です。大事なことは甘くないこと、そのままで飲むと少し重いかなというようなワインがよいようです。

    porta 

    ●炭酸のしっかり入った炭酸水が必要

    そして、もう一つ大事なのは、炭酸ガスがたっぷり入った炭酸水。日本でおなじみの、WILKINSON、PerrierやS.PELLEGRINOではガスが物足りません。サッポロが代理店になったドイツの炭酸水、モーレツにガスたっぷりのGEROLSTEINERがおすすめです。

    ●清涼飲料と風土

    飲み物は風土に合うかどうかが一番です。ビールだって、日本ではドイツビールより国産ビールの方が上です。同じ高温多湿のサンミゲル(フィリピン)など東南アジアのものもよいのです。一方、乾燥したヨーロッパではまた違います。日本ビールはあまり合いませんが、PERNODなどというアニス入りの酒さえその風土には合います。かつて、ニュースステーションのでジェノバ・サミットを取材した夏のことです。コーディネーターをしてくれたローマ在住の日本人Iさんは、1日に15杯もジントニックを飲む人でした。ちょっと休憩でバーに入っては「ジントニック」です。最初はあきれていた私もお付き合いを始めたら、これが不思議、飲んだあと、あっという間にアルコールが抜けて、立ちレポにも一切差し支えないのです。イタリアの風土に合っているのでしょうね。ジントニックを呑み呑み(といっても、日中で4杯ぐらいでしたが)、デモ隊と警察の市街戦を取材したものです。帰国してから、ジントニックを試してみたのですが、イタリアでのようにはしっくりときません。翌夏、Iさんがイタリアワインのプロモーションで帰国しました。見本でもってきたワインは売るわけにはいかないのでと、残った20本ぐらいをプレゼントしてくれました。そのひと夏は、Spritzer三昧でした。Spritzerは日本の夏に合っていると確信したのはこの時でした。

    ●Spritzer供するお店も

    これまでも知人にはお教えしていたのですが、その中からお客に供してくれる店が出てきました。長野市の善光寺大門前の創作郷土料理の「門前茶寮・弥生座」です。積乱雲がもくもくと浮かぶ青空の下、汗をふきふきお参りしたあとにはSpritzerは最高でしょうね。
     
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    60代の「趣味」と「実益」 音楽を高音質で聴こう - 2011.07.22 Fri

    24日の正午をもって、日本のアナログテレビは、被災地の岩手、宮城、福島の3県をのぞいて、その歴史を終えます。テレビ番組の映像は高画質のハイビジョンになります。最初期の白黒のぼやけた映像から比べると飛躍的な進歩です。地デジ移行に伴いさまざまな問題点が出ていますが、やがてそれも解消されるでしょう。しかし、その一方で、ある放送だけは質の低下が余儀なくされていることはあまり知られていません。

    地デジカ 

    ●超高音質のPCM音楽放送も中止に

    それは、放送衛星(BS)を使って、データを圧縮しない超高音質のPCM放送で音楽を流してきた「ミュージックバード」です。有料のミュージックバードは10のチャンネルのうち、クラシック音楽専門の「ザ・クラシック」とジャズ専門の「ザ・ジャズ」が、CDより音質のよい超高音質のPCM放送で、音楽ファンに根強い人気を盛っていました。しかし、昨年、加入者に1通の手紙が届きました。「2011年7月24日で放送を終了します」。今後は圧縮されたデータを放送するデジタルの「Space Diva」に移行します。移行する加入者には、「Space Diva」を受信するためのチューナーとアンテナを無料で提供するというのです。

    ミュージックバード 

    ●地デジ化の巻き添え

    原因は、「地デジ移行」でした。「地デジ移行」に伴い、これまでアナログで放送されていたBSアナログ放送(たとえばNHKのBS1)などはすべてデジタル放送に移行しますが、ミュージックバードはその巻き添えを食ったのでした。BS1やミュージックバードなど有料のBSアナログ放送は、契約者だけが視聴できるように、コンテンツを暗号化して放送しています。契約者は放送事業者からもらったキーで暗号を解除して視聴する仕組みです。ミュージックバードだけそれを続ければよいではないかと思ったのですが。そうはいかないことがわかりました。

    ●暗号化業務ストップとチップ生産停止が息の根とめる

    暗号化を一手に引き受けていた公益法人の放送セキュリティセンターが暗号化業務をやめてしまうこと、BSアナログ廃止をおり込んだ電子機器メーカーが暗号解除に必要なチップ(電子回路)の生産をやめてしまったことがミュージックバード停止の理由です。暗号化ができなければ、有料放送はなりたちません。チップが供給されなくなれば、チューナーも生産できません。ミュージックバードは自前の暗号化やチップの委託生産も検討したとのことですが、ごく一部のマニア向けの商売ですから、コスト負担に耐えきれません。やむなく放送中止に追い込まれたというわけです。

    tuner 
    ミュージックバードのチューナー(上)とSpace Divaのチューナー(下)

    ●同じCDでもPCM放送の音質とCD再生の音質はちがう

    再生音楽の音質というのは微妙なものです。気になり出すと音質やわずかな歪み、ノイズが耐えられなくなります。このため、1メートルのケーブルに10万円以上をかける人さえいるのです。なかにはおまじないもどきの自己流を開発する人もいます。私はそこまでのマニアではありませんが、因果なことに無圧縮のPCM放送のミュージックバードと圧縮されたデジタルの「Space Diva」のちがいはわかってしまいます。このため、ミュージックバード廃止後は、聴き流しには「Space Diva」を使い、本格的に聞くときにはCDに頼ろうと思ったのです。しかし、またあることに気づいてしまいました。これまでミュージックバードで放送された未知の曲で気に入ったものがあると、そのCDを購入し、聴いていたのですが、同じ音源なのにミュージックバードで聴く方がCDで聴くより音質のきめが細かいのです。当然我が家の10年以上使用しているCDプレーヤーのせいだと思いました。そこで、ミュージックバードに問い合せて、スタジオで使っている業務用CDプレーヤーの型番を教えてもらいました。我が家のCDプレーヤーのメーカーと同じでした。そこでそのメーカーに、「業務用機器と同等の現役民生用機器はどれですか?」と問い合わせました。ところが、回答は「ミュージックバードの機器と、あなたのいま使っているCDプレーヤーの音質に変わりはありません」という意外なものでした。

    denon 
    10年以上使用している我が家のCDプレーヤー

    ●「なせだろう?」から始まる楽しみ

    「なぜだろう?」。キツネにつままれたような気持ちでした。PCMチューナーは放送で送られてくる電波をアナログの音声信号にするのが役目です。CDプレーヤーも音楽CDのデータをアナログの音声信号にします。どちらのの音声信号も同じアンプに送り込まれ、スピーカーを動かしているのですから、違うのは放送用業務用プレーヤーと我が家のCDプレーヤーだけのはずです。でも、「?」が出てきたとき、なぜかを調べるのは習性です。幸いいまはインターネットという強い味方がいます。そこから、趣味と実益を兼ねた新しいホビーの道が開けてきました。趣味は、よりよい音質で音楽を聴くこと。実益は、「60の手習い」といいましょうか、新しい技術を使いこなすための勉強による「ぼけ防止」です。(続く)
     

    都会の時間 地方の時間 - 2011.07.21 Thu

    いきなり秋のような肌寒い天気になりました。台風6号が関東南岸で南に進路を変えたため、北の冷たい空気が入ってきたからです。あすからはまた暑さが戻ってくるのでしょう。先週の猛暑の盛りに、調査のため長野に行きました。時間が空いたので温泉へ行こうと思ったのですが、大都会の人間の感覚だと地方では思うように移動できないことを思い知らされました。

    ●電車に乗ったのがまちがいのはじまり

    長野市の南東にある松代温泉が目的地でした。長野駅前からバスに乗れば、30分で着くところです。しかし、「電車で行ってみよう」と思ったのがおおまちがいでした。長野電鉄長野線で須坂に行き、屋代線に乗り換えて松代に着くという寸法です。ローカル電車に乗るのは楽しいものです。乗り降りする地元の人々のさまをながめているだけで、いろいろなことを考えます。ジャーナリストとしては勉強になるひとときです。やがて、電車は須坂駅に着きました。須坂駅はまるで古い電車の博物館です。最新は成田エクスプレスに使用された車両。古いのは1957年登場の2000系、東京メトロ日比谷線に使われていた車両などが見られます。2000系は最近引退したのですが、私が長野市で勤務していたころは花形の特急車両でした。「ローカル線だから接続も急がなくていいだろう」と思いました。その通り、どころではありません。ホームの時刻表を見たら、松代行きはなんと2時間待ちです。


    2000系 
    長野電鉄2000系電車

    ●目的地を変更

    タクシーを使えばただちに松代へ向えます。でも、そんなことをしたら面白くありません。目的地を須坂温泉に変更です。改札口では、ホールにある野菜や特産品の販売も駅員がやっています。観光案内所でもらった案内図と首っ引きで、バスターミナルの時刻表で行動計画を立てます。昼食をとる時間を考えるとすぐに須坂温泉に向かうのは得策ではありません。知人が当主である「豪商の舘・田中本家博物館」を訪れることにしました。以前から「ぜひいらっしゃい」と誘われていたのですが、果たせなかったところです。


    田中本家 
    豪商の館 田中本家 HP

    ●豪商の館のゆったりとした時間

    駅前で20分待って、いそいそとバスに乗りました。しかし、案内図でチェックすると、バスはあっちに曲がったり、こっちに曲がったり。要するに市内中心部を回ってから最終目的地に向かうのです。地方のバスは乗り過ごすとえらいことになります。やっと、「田中本家」近くの停留所で降りました。照り返しの道を300メートルほど歩いて、歴史を感じさせる白壁の邸宅にたどりつきました。薄暗い展示室では「夏の装い」という企画展をやっていました。江戸中期からの格式のある田中家。「夏を快適に、おしゃれにすごしてきた田中家の人々。清涼感溢れる粋な模様の浴衣、洋風なデザインを取り込んだパラソルや帽子、日常の中にある夏の装いの美しさをご鑑賞下さい」という説明通り、興味深いものです。展示室を出ると「春」「夏」「秋」の三つの日本庭園です。まばゆく照りつける太陽の下の日本庭園がこれほどすばらしいとはいままで気づきませんでした。最近愛用の日本手ぬぐいで汗を拭き拭き、建物の広縁に座ると涼しい風が心地よいのです。泉水にはカルガモの親子が。しばし、無念無想の境地です。時刻は午後1時を周りました。冷房の効いたお休みどころでとろろそば(950円也)をいただいていると、磨き込まれた窓ガラス越しの庭園の景色がひとしおです。となりのテーブルは予約席で、すてきなお弁当が用意されています。テーブルのメニューにはない品ですが、心をそそられます。やがて、親子とみられる年配の女性が2人現れました。お弁当をいただいている2人の時間は、あきらかに私の時間よりゆっくり流れているようです。おかげで、私もゆったりとした時間を久しぶりに味わいました。

    庭園 
    お休みどころから見る庭園

    ●温泉は須坂で

    さて、次は須坂温泉です。2キロ以上も離れた道を炎天下歩くのは無理です。直行のバスはありませんので、やむなくタクシーを呼んで向かいました。こういうとき携帯電話はほんとうに便利です。須坂温泉・古城荘はひなびたいなかの温泉です。お湯から出て、ほてりをさましていると、部活帰りでしょうか、女子中学生が3人、お湯から出てきてアイスクリームを食べています。

    ●路線バスに乗るのはむずかしい

    さあ、長野へ帰ります。こんどはバスで帰ろうと受け付けの人に停留所を尋ねると、なにかもごもごいっています。歩いて5分ぐらいのところにあること、とる道もわかったので停留所に向いました。そのとおりに停留所がありました。すぐそばには木造の古い公民館があり、「信州岩波講座」と書かれた旗が立っています。「さすが、信州だな」と思いながら、標識のそばのコンクリートの胸壁に腰をかけて待ちました。バスは予定時刻には来ません。標識のところにいるのだから、乗れないことはないと確信して、ちょっと下を向いていたら、バスが通過していきます。反対方向のだろうと思ってみると、なんと「須坂駅行き」ではありませんか。バスは2車線の道路の標識とは反対側の車線を通過していったのです。古城荘の受付の人がもごもごいっていたわけがわかりました。「標識は片側にしかない」「標識の向かい側で待て」といっていたのです。後の祭りとはこのことです。次のバスまではずいぶん間隔があります。そういえば、さっきの女子中学生3人もママの迎えのクルマで停留所の前を通っていきました。結局、携帯でタクシーを呼ぶことになりました。

    ●苦労したごほうび

    「地方ではクルマなしでは生活できない」といわれます。長野は土地勘のあるところですが、公共交通機関だけで動こうと思ったら、いまのノウハウを身につけなければならないのです。しかし、おかげでゆったりとした時間を体験しました。田中本家にはまた行きたいと思うのですが、クルマで行っていたら、今回のような体験はできなかったでしょう。バスを待ち、暑い道を歩いてたどりついたごほうびだったのだと思います。

    80 

    停留所のそばにはこんな立て看がありました。いわく「80出して40で死ぬか 40で80まで生きるか」。妙に胸に落ちる標語でした。

     

    瓦礫の女たちと「なでしこ」 - 2011.07.18 Mon

    「何度見てもいいね!」。なでしこジャパンが女子サッカーのワールドカップに輝いた翌日の18日、このことばが人々の挨拶がわりでした。再放送を見ても、拍手がわきます。おめでとう。ほんとうによくやったと思います。ドイツ戦、スウェーデン戦と未明の中継で手に汗を握った私でしたが、米国との決勝戦の中継を見るのはあきらめていました。翌日は終日テレビ朝日で「そうだったのか!学べるテレビ」の収録なので、寝不足は禁物だったからです。夜12時にベッドに入り、ふと目が覚めたのが、米国の先制ゴールの直前、追いつくことを期待していると、宮間選手の同点ゴール。ワンバック選手に2点目を入れられた延長戦後半、「澤さんがいるから、大丈夫」とつぶやきながら、最後まで見通すことに方針転換。あとは日本中で中継を見ていた方々と同じ感動、興奮でした。

    ●やればできる

    3月11日の東日本大震災、原発事故以来、日本人が心をひとつにして喜んだのはおそらく初めてのことでしょう。「なでしこ」は被災者をはじめ、日本人全体を勇気づけてくれました。「やれば、できる」と。

    ●瓦礫の女たち

    感激しながら、私の頭に浮かんだのはドイツの「瓦礫の女たち」(Truemmerfrauen トリュンマーフラウエン)ということばでした。第二次世界大戦に敗れたドイツの都市は連合軍の爆撃で瓦礫の山と化していました。復興を担ったのは女たちでした。男たちはというと、青年、壮年の多くが戦争にとられ、国内に残った男の多くは老人や傷痍軍人でした。その中で、女たちは安い賃金で復興の礎を築きました。敗戦国ドイツの戦後史を切り開いた「瓦礫の女たち」ということばは、感動と感謝を込めて語り継がれています。

    瓦礫の女 
    瓦礫の女たち

    ●終戦の詔勅と「今夜のおかず」

    同じ敗戦国であった日本。以前読んだ本にこんな記述がありました。1945年8月15日正午の終戦の玉音放送を聞いた男たちの多くが、なお本土決戦を叫んだり、「自決する」などといったりしていたとき、女たちは「さあ、今夜のおかずは何にしよう?」と考えていたというののです。配給物資にも事欠く食料不足は戦後生まれの私には想像もつきません。しかし、ここでも、復興の第一歩を踏み出したのは女たちだったということを筆者はいいたかったのです。

    玉音放送 
    終戦の詔勅に頭を垂れる人々

    ●さあ、新しい日本をつくろう

    震災、原発事故から100日余りが立ちました。19日には、放射能汚染したワラを食べた肉牛が新潟県、山形県からも出荷されていたというニュースが伝えられました。このニュースが示すように、常に後手後手に回る政治に、ともすれば心が萎えがちになる私たちを「なでしこ」の女たちは、はげましてくれているようです。「さあ、新しい歴史をつくろう」と。

    ●ふつうのことをふつうに

    菅直人渋面 

    そんな話をしていたら、「学べるニュース」のディレクターK君は「ふつうのことをふつうにやるのが大事なんですね」といいます。「なでしこ」の選手たちは一発を狙うのでなく、練習でやったことをその通りに実行して、まさかのワールドカップを手にしました。大震災、原発事故が「想定外」であったとしても、その後の政府が「ふつうのことをふつうにやっていれば、いまほど「後手後手」と批判されることはなかったでしょう。その責任者である菅直人首相は決勝戦応援のためのドイツ行きを画策したと伝えられます。さすがに、これは制止されたようです。それでも、菅首相は「なでしこ優勝」に「劣勢になっても最後まであきらめないで頑張り抜く『なでしこジャパン』の闘いは、皆に勇気を与えてくれた。勝ち進むごとに『Thank you for your support』のメッセージ横断幕を世界に示す機会も増え、日本人皆の『思い』を世界に届ける役割まで担ってくれた」という談話を発表します。この談話の「劣勢になっても最後まであきらめないで頑張り抜く」というフレーズは何か菅首相自身を語っているように聞こえてしまうのです。他人の手柄を横取りすることの多いといわれる菅首相は「なでしこ」の快挙をも政治的に利用するつもりなのでしょうか。菅首相がやるべきだったことは、計画もないまま「脱原発」を打ち出すような一発狙いでなく、「ふつうのことをふつうにやることだったのですが。


     

    身勝手を見抜かれた菅直人首相 - 2011.07.12 Tue

     11日は東日本大震災から4か月目でした。津波の被災地の状況や福島原発周辺の被曝状況が目に見えて好転したとはいえない4か月目です。きょう公表されたNHKの世論調査によると、菅直人内閣の支持率は16%(先月より9ポイントの急落)、民主党の支持率は13.6%(先月より7ポイント近く急落)と、いずれも政権交代以来最低(民主党支持率は2007年5月以来の低率)です。内閣支持率は麻生太郎内閣の最末期の15%に近い一方、自民党の支持率は23.4%とほぼダブルスコアに近い数字です。就任わずか8日で、松本龍復興担当相が被災地に対する暴言で辞任する一方、菅首相自身が海江田万里経産相のはしごをはずして玄海原発再稼働への同意を翻し、突然原発のストレステスト(耐性検査)を振り回して、世間を呆れさせたことを考えるとこれは当然の結果といえるでしょう。

    ●原発事故は想定外としても

    4か月の節目にあたって、菅首相の責任(無責任)を整理しておきたいと思います。3月11日の東日本大震災の発生と東京電力福島原発の過酷事故の発生は、そこまでに至る道で過去の自民党政権と東電そして原子力ムラが積み重ねてきた過失を考えれば、菅首相にとっては「想定外」とするのがフェアでしょう。しかし、それからの失政はもはや看過しきれないところまできています。NHK世論調査の数字、菅首相の退陣時期について「ただちに」という回答が38%で最多という数字が如実にそれを示しています。

    ●想定された事態に対応できない菅首相

    菅首相の罪は、大震災、原発事故発生という事態を受けて「想定されたこと」に対する対策が後手後手に回り、実行すべき対策が十分に講じられてこなかったことにあります。ひとつひとつ挙げているときりがありませんので、ストレステスト事件に焦点を絞ります。ストレステストとは、原発の運転再開や継続を判断するための新たな基準を作るための前提です。通常より過酷な条件を加えたコンピューター上のシミュレーションで原発の安全の度合いをはかるものです。ストレステスト自体、さらには「新しい安全基準づくり」自体は必要なことです。問題は、それを原発事故から4か月も過ぎようというときに突然言い出したことです。

    ●想定されていた電力需給逼迫に向けて菅内閣がやったこと

    ストレステストや「新たな基準づくり」は時間がかかるだけでなく、電力供給に深刻な影響を与えます。このままだと来年の5月には全国の原発がストップする事態も予測されていますし、冬場の電力不足が国民生活に与えるダメージは夏場の電力不足よりも深刻だといわれています。そして、福島原発事故以降、すなわち3月の時点で、この夏場の電力不足はだれにも予測されたことです。東電、東北電力は休眠火力の活用や電力会社間の電力融通で対処しようとしてきました。一方、菅政権がやったことは蓮舫さんという節電啓発担当大臣をおき、節電PRをしたことと、電力使用制限令を発動したことです。

    ●ねこなで声と罰則

    節電啓発担当大臣が置かれたとき、私はアフガニスタンのタリバーン政権が置いた「勧善懲悪大臣」を思い出しました。これは、イスラム原理主義の戒律を守らせるいわば宗教警察のようなものです。しかし、蓮舫さんは7月の改造で姿を消し、その任務は細野豪志原発担当の坦務の中に消えてしまいました。原発担当大臣が節電を坦務するのは本来当然のことですが、そもそも何もできなかった蓮舫さんにやらせたことは菅首相が国民を甘く見ていたことの表れです。電力制限令というのは要するに「電力がないから使うな」と命令しただけのことです。「ねこなで声」や罰則で電力消費をむりやり減らそうとしたのです。夏場の電力不足という「想定された」事態に手をこまねいていたというなによりの証左です。

    ●危機のガバナンス

    菅内閣は何をやるべきだったのでしょうか?マクロ、ミクロの経済構造や社会の電力消費慣習を利用あるいは改革して短期的には電力需給のバランスをとること、企業の生産活動や国民生活に電力需給が好転する見通しをつけることです。これが危機のガバナンスです。菅内閣でなく、ほかの内閣であったとしてもやらなければならなかったことですが、現にここに存在している菅内閣が実際にやったことは、電力需給の逼迫の最頂点で、見通しを真っ暗にすることでした。

    ●見抜かれている手前勝手

    その一方で、東京電力管内の11日の最大電力使用は4,599万㌔ワット(供給量の88%)と今年最高を記録しましたが、梅雨明け前だった昨年の相当日を大幅に下回っています。これを蓮舫さんの啓発のおかげだと考える人がいたら、相当ノーテンキな人です。企業も市民も「使うな」といわれたから使わないのではありません。いま日本が大変な危機にあると市民が認識しているからこそです。そして、この市民のリアルな危機感はNHK世論調査の「菅総理大臣が急きょ原発の運転再開や継続を判断するための新たな基準を作るよう指示したことに対する評価を聞いたところ、▽『大いに評価する』が3%、▽『ある程度評価する』が22%、▽『あまり評価しない』が34%、▽『まったく評価しない』が32%でした」にも表れています。ストレステストの必要は原発事故直後から野党などによって指摘されていたのに、いまごろになって持ち出した菅首相の「『脱原発』依存」=地位しがみつき、を見抜いているのです。

    ●ストレステストをやるべきだった対象は?

    3.11後に想定された事態に適切な対応ができない菅直人という政治家にこそ、総理大臣になる前に「ストレステスト」をやっておくべきだったと思います。



    菅首相の「脱原発依存」とは - 2011.07.08 Fri

    菅直人首相が突然海江田万里経産相の原発の運転再開安全宣言をくつがえして原発ストレステスト(耐性検査)を言い出した翌日の7日は蜂の巣をつついたような大騒ぎです。

    ●政府与党も大混乱

    首相に後ろから鉄砲を撃たれ、6日 「もう頭に来た。今さら何を言っているんだ」と怒りをぶちまけたといわれる海江田大臣は7日の参議院予算委で、「時期が来たら責任をとる」と辞任を表明しました。海江田大臣の安全宣言を信じて玄海原発の運転再開を了解した岸本英雄玄海町長は「了解は苦渋の決断だった。政府のやり方は、小ばかにしている」と強い憤りを表明して了解を撤回、佐賀県の古川康知事は、全原発でストレステストを行う政府方針について、「テストが終わらないと再稼動できないのか(あるいは)できるのか、言われる方によって発言が違う」と述べ、政府部内で見解が統一されていないと批判。古川知事と会談した枝野幸男官房長官は陳謝せざるをえなくなりました。民主党の岡田克也幹事長も「ストレステストがそもそも再稼働の条件なのかもはっきりしない。今ごろになってそういう議論が出てくるのは釈然としない」と不満を表明、政府の原発対応を「ちぐはぐ」と批判しました。

    海江田 
    海江田経済産業相

    ●こりない菅首相

    ご本人は終日、参議院予算委員会で答弁に立ちました。自民党の礒崎陽輔委員(自民)に「官邸ジャック」と揶揄され、いわゆる退陣3条件を「身代金要求」と表現されると、青筋を立てましたが、批判には「逆ギレ」の術。「細野豪志原発大臣はストレステストをすべてパスしなければ運転再開はないというが、海江田大臣は玄海原発はテスト実施前でも再稼働は可能という。内閣の責任者としてどちらが正しいかはっきりさせよ」と片山さつき委員(自民)に迫られても「2人の大臣に聞いてくれ」とごまかしました。「論点そらし」「同じ内容の繰り返し」は相変わらずです。

    菅直人渋面 

    ●ひとつの仮説

    政府、与野党の信頼関係はさらに傷つき、「政治空白」がさらに深刻になりかねません。政府・与党関係者もあわてているのに、菅首相一人ちっともこりていません。なぜでしょうか? かりに菅首相に私が直接問いただしたところで、正確な答えが返ってくることはありえないので、ひとつ仮説を立ててみました。

    ●キーワードは「脱原発依存」

    それは、「脱原発依存」です。ふつうこのことばは、「脱『原発依存』」、すなわち、「原発依存」から脱却することと理解されています。当面、原発を維持せざるをえないと考えている人々をもふくめ、いま、国民の大半のうなづくところです。しかし、菅首相の場合はことばの意味が違うというのが、私の仮説です。菅首相の「脱原発依存」は「『脱原発』依存」と読みます。すなわち、「脱原発」に依存することです。菅首相の「『脱原発』依存」は国民の中にある不安をかきたて、「脱原発」の権化になることによって、「何もできない総理」「存在そのものが障害」とまでいわれている状況を一発逆転し、「政治家として歴史に名を残す」ことを可能にするのです。

    ●「脱原発」シングルイシューの大博打

    その手順はこうです。内閣不信任案の再提出や参議院での問責決議などで、いよいよ絶体絶命に追い込まれたときには、「衆議院解散」の大博打に出るのです。そうなれば、マニフェストもなんのその、「脱原発」のシングルイシューです。ほおっておけば、軒並み落選しかねない民主党のかなりの部分は議席を守るために、なりふりかまわず、「脱原発党」に付和雷同するでしょう。

    ●勝てば英雄、負けても殉教者

    そして、国民の不安を煽るのに成功して選挙に勝つというのがベストケースシナリオです。海江田大臣や古川知事らが心配する「国民経済の今後」は顧慮されません。では、選挙に負けたらどうでしょうか? 政治家菅直人は「国民の安全という正義を掲げて戦ったのに、不正に敗れた」殉教者になれるのです。選挙の勝敗、どちらに転んでも、いまのまま雪隠詰めになって不名誉な退陣に追い込まれて「無能無策の宰相」で終わるより、菅直人個人にとっては遥かに名誉な未来が待っているのです。

    ●見えてくる合目的性

    これは、あくまでも仮説だということを承知のうえ、読んでいただけたと思いますが、この仮説を立ててみると、「思いつき」「無責任」と酷評されている菅首相の言動に一定の合目的性が見えてくると思います。そして、菅首相がドジを踏めば踏むほどそのリアリティは増していくでししょう。しかし、この場合の「合目的性」は菅直人個人のものであって、国民全体にとってではなさそうです。そして、歴史上、国民の中にある巨大な不安を煽り、利用して権力を奪取した政治家を洋の東西でチェックしてみると、肌に粟を生じるような実例に気づくことでしょう。


     

    1粒で2度おいしい? 菅首相と原発ストレステスト - 2011.07.06 Wed

    「やっぱりね」という感じでした。6日審議が再開された国会の衆議院予算委員会で菅直人首相は自民党の石破政調会長から「あなたは1度でも『辞める』と言ったか」とただされると、首相は「『辞める』『退陣する』という言葉を使ったことはない」と強調し、「私が最高の首相だとうぬぼれてはいないが、責任から逃げるわけにはいかない」と追及をかわしました。6月2日の内閣不信任案採決前の民主党代議士会での「首相あいさつ」についてのことです。このあいさつはメディアによって「退陣表明」と報道されてきました。しかし、菅首相には退陣するつもりがないことをついに公式に本人の口で確認したのです。

    菅直人 
     
    ●後味の悪い「やっぱり」

    代議士会の前、菅首相と膝詰め談判した鳩山由紀夫前首相の詰めの甘さは責められますが、「身内だからそこまで書かなくても」といいくるめて確認書に「退陣」ということばを盛りこませなかった菅首相は悪徳不動産業者まがいの手練手管で不信任案を葬り去るのに成功しました。菅首相の真意は6月4日付の私のブログの通りだったということです。石破氏はこのメディアの一斉報道を「世紀の誤報」と形容しましたが、いずれにせよ後味の極めて悪い「やっぱりね」です。

    ●この一ヶ月余はなんだったのか?

    与野党、メディアともこの一ヶ月余、「退陣表明」という誤った理解を前提に「退陣の条件」論議に血道をあげてきました。これはエネルギーの無駄だったということなのでしょう。そして、これには政治空白という副産物がありました。その一方で、菅首相を取り巻く環境はますます悪化しています。「早期退陣」を求める声はいまや民主党執行部にもいきわたりました。「本当に情けない内閣だ。民主党として支える価値があるのかっ」(安住淳民主党国会対策委員長)「一分一秒でも早く辞めてほしい」(渡部恒三党最高顧問)というところまできてしまいました。

    安住淳 渡部恒三
    安住淳氏     渡部恒三氏

    ●菅首相の新たな一手

    菅首相も形勢がさらに悪化していることはわかっているのでしょう。6日、新たな手を打ってきました。「原発のストレステスト」がそれです。運転停止中の九州電力玄海原子力発電所をはじめとする全国各地の原発再稼働について、菅首相は「(安全性確保の)新たなルールを作り、国民が納得できるよう、海江田経済産業相と細野原発相に指示を出している」と述べ、原発の運転再開を判断するための新たな基準やルールを作成することを関係閣僚に指示したことを明らかにした。「新ルール策定まで、再稼働の判断を留保する考えを示したもの」と見られています。

    ●後ろから撃たれた海江田経産相

    海江田2 
    海江田経産相

    玄海原発については海江田経産相がすでに再稼働を要請済みで、地元の町長は再稼働容認を表明していました。唯一わからなかったのは菅首相の意向でした。インターネット番組では「海江田経産相と同じ考え」と話していたようですが、公けには意向を明らかにしてきませんでした。このため、古川康佐賀県知事は国の意向の確認のため、「菅首相との直接の会談」を求めました。首相側がこの申し入れを受け入れなかったため、古川知事が再稼働容認の延期を表明した矢先の「ストレステスト発言」です。たしかにさらなる安全のためにさらに厳格なテストを経て、新しい安全基準をつくるということ自体は悪いことではありません。そして、菅首相にとっては「安全、安心の守護神」を自称できる妙手です。しかし、「安全だから再稼働してほしい」という経産相を後ろから撃つような首相の出方は・・・・ 6日夜のNHKニュースウォッチ9に生中継で出演した古川知事は「なぜ、いまなのか、わからない」と繰り返しました。NHKは午後7時のニュース、9時のニュースとも「首相の真意は?」と「?」マークつきの報道です。

    ●佐賀県知事が首相に突きつけた匕首

    古川康 
    古川康・佐賀県知事

    でも、解釈はそれほどむずかしくなさそうです。古川知事の「会談要請」は菅首相のどてっぱらに突きつけられた匕首でした。もともとは海江田経産相の発案だった「浜岡原発の運転停止」を横取りした菅首相ですが、浜岡以外の原発の運転を再開しなければ、日本経済と社会にに大打撃になることは理解しています。そこで、玄海原発の運転再開については海江田経産相を矢面に立たせ、自らの立場をあいまいなままにしようとしてきました。「手柄は自分に、責任は他人に」というもうおなじみの菅流なのでしょう。しかし、県民の安全と国策の板挟みにされた古川知事はたまりません。将来何かあった場合に知事の責任にされそうな形勢を読み取ったからこそ、「菅首相との直接会談=首相の意向確認」を求めたのです。そして、菅首相がこれを回避しようとしたため、「運転再開容認決定の延期」を表明しました。「首相の保証がなければ再開を容認できない」ということです。さあ、今度は追い詰められたのは菅首相の方です。そこで、ちゃぶ台をひっくり返すような挙に出たのが「ストレステスト」です。「安全だから再開してほしい」といってしまった海江田経産相の立場などおかまいなしです。

    ●1粒で2度おいしい? ストレステストのおまけ

    大カト 
    大カト

    これにはおまけまでついています。第2次補正予算や特例公債法、再生エネルギー特別措置法と次々商法のように増やしてきた「自らの責任」に新しい商品、ストレステストを経た「(安全性確保の)新たなルール」を付け加えれば、首相の地位にとどまり続けるための新しいガードになるのです。6日の衆院予算委で衆院解散を求めたみんなの党の渡部喜美代表に対し、菅首相は「満身創痍、刀折れ、矢尽きるまで、力の及ぶ限りやるべきことをやっていきたい」と答えました。どれほど呆れられ、どれほど支持率が下がっても、経済や社会が混乱しても首相の座にしがみつき続ける。これがNHKが「?」マークをつけた「首相の真意」のようです。あるベテラン政治記者は、6日の衆院予算委員会審議を横目に、「もう、『うんざり』と書くのにもうんざりした」と述懐していましたが、共和制ローマ期の政治家、大カトは第二次ポエニ戦争後のカルタゴの処遇について、元老院で演説を行うときに常に(全く関係無い話題であっても)「ともあれ、私はカルタゴは滅ぼされるべきであると思う」と末尾に付け加えたそうです。いまのメディアに大カトにならい「菅退陣」を要求し続ける執念あるいは根気はあるのでしょうか?執念においては菅首相の方が上かもしれません。


     

    菅直人首相の「次々商法」と「人事」 - 2011.07.04 Mon

    6月7日に、菅直人首相の出所進退について書いて以来、約ひと月立ちました。そのときの書き込みは次の通りです。

    ●ひと月前は

    菅直人首相の命運もいよいよ尽きようとしています。「月内退陣論が加速」(7日付朝日新聞朝刊1面)。復興基本法が17日にも成立する運びになったのを機に、政権内にも菅首相に見切りをつけようという考え方が支配的になってきたためです。菅首相は、なお第2次補正予算案や特例公債法案にこだわっていますが、これらは野党の反対で合意のめどが立ちません。これら2法案が菅首相の延命の口実として利用されるのを許しては「菅首相が存在するという政治空白」が延々と続きかねないということに与党内も辛抱できないということです。

    菅直人 

    ●何が変わって何が変わらなかった

    ひと月たって変わったのは復興基本法が成立したことと、菅首相が「若い世代に責任を引き継いでいく(退陣ではありません。念のため)一定のめど」に、さらに条件(再生エネルギー特別措置法)を付け加えたことです。そしてさらに社会保障と税の一体改革まで上乗せしそうな風情、国民生活センターが消費者に警戒を呼びかける「次々商法」のようです。そして、変わらないのは「菅首相が存在するという政治空白」です。

    ●変わったことから飛び出した「人事2つ」

    この中で、数少ない進展である「復興基本法」は菅首相に2つの”業績”を付け加えました。ひとつは自民党の浜田和幸参院議員(鳥取)に総務省政務官のポストをえさに自らに投票した有権者を裏切らせたこと。いまひとつは、復興担当相に松本龍衆院議員をあてた人事です。

    ●立ちくらみ

    浜田政務官人事については、仙谷由人官房副長官の「立ちくらみがした」がまさにいいえて妙です。また就任にあたっての浜田氏の発言を正常と思う人が多くないことを願うのみです。

    浜田 
    浜田和幸総務政務官

    ●被災者の気持ち逆なでする松本発言

    松本復興担当相については、「やっぱりやったか」という印象が強いようです。松本氏は昨年の第一次菅内閣で環境大臣兼内閣府特命担当大臣(防災担当)に起用されました。防災担当としては、3月11日の東日本大震災を経ても「存在感が希薄」といわれていましたが、復興担当相に起用された途端、被災者の気持ちを逆なでする発言が飛び出しました。Wikipediaによると、それは以下のようなものです。

    ●「知恵出さないと助けない」

    2011年7月3日、復興担当相就任後に初めて被災地入りし、岩手県を訪問した際に、達増拓也知事との会談で「おれ、九州の人間だから、東北の何市がどこの県とか、わからんのよ」や「知恵を出したところは助けるけれど、知恵を出さないところは助けない」。などと発言。

    ●「そうしないと、我々は助けないぞ」

    さらに午後から訪問した宮城県庁では、数分遅れで応接室に入ってきた村井嘉浩知事に対して「お客さんが来る時は、自分が入ってから呼べ。しっかりやれよ」、「長幼の序がわかっている自衛隊ならそんなことやるぞ」と発言した。また漁業の集約や民間への開放など、村井知事が打ち出していた独自の計画案に対しては「県でコンセンサスをとれよ。そうしないと、我々は何もしないぞ」と発言。さらに会談の最後には「今の最後の言葉はオフレコです。みなさん、いいですか、『絶対書いたらその社はもう終わり』だから」などと発言し、周りにいた職員や取材陣が緊張した表情で沈黙する様子と共に東北放送の「TBCニュース」、TBS News-iで放送された。(wikipediaからの引用終わり)

    松本竜
    松本龍復興担当相

    ●NHKの映像は事実を物語る

    民主党や菅内閣は松本龍氏という政治家をなぜ重用せざるをえないのでしょうか?野党からは松本大臣の辞任を求める声が出てきているとのことです。4日夜のNHK「ニュースウォッチ9」は宮城県庁での松本発言の映像 を流しました。見た人々はどう思われるでしょうか? 週内には国会の審議が再開される見通しですが、国会はこのひとをどう処置するのでしょうか?




     

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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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