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    2011-04

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    だれがやっても同じではない 内閣参与が原発事故対策を痛烈批判 - 2011.04.29 Fri

    今週、菅直人首相の側近の話をうかがう機会に恵まれました。菅首相を支える立場にある方ですから、菅首相を擁護するのは「想定内」のことでしたが、東京電力福島第1原子力発電所の事故について「事故対策はだれがやっても同じだった」といわれたのには、いささかがっかりというか、あきれました。「だれがやっても同じ」ということは「ほかのだれが総理大臣であっても、菅内閣がこれまでやった以上のことはできない」ということと同じ意味です。そして、そう評価することで菅首相が総理大臣の地位にとどまり続けるのを正当化することでもあります。

    警戒区域  

    ●内閣参与が政権を痛烈批判

    その話を聞いた翌日の29日夕方、原発事故後に内閣官房参与に任命された小佐古敏荘・東大教授(放射線安全学)が「政府の対応は法にのっとっておらず、誰が決定したのかも明らかでなく、納得できない」と菅内閣の事故対策を批判して、内閣参与を辞任したというニュースが飛び込んできました。菅首相に辞表を提出した後、記者会見した小佐古教授は「今回の原子力災害で、官邸の対応はその場限りで場当たり的だ。提言の多くが受け入れられなかった」と語り、具体的には、学校の放射線基準を、年間1㍉シーベルトとするよう主張したのに採用されなかったことを明かし、「年間20㍉シーベルト近い被ばくをする人は放射線業務従事者でも極めて少ない。この数値を小学生らに求めることは、私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」と述べました。

    小佐古敏荘 
    記者会見する小佐古敏荘教授

    ●対応のまずさを糊塗しようとする政府

    小佐古教授の告発は極めて重大な意味を持ちます。まず、原発周辺住民の健康被害そのものについてです。国際原子力機関(IAEA)や国内から「非現実的だ」と批判を受けながらも、同心円形の避難区域、屋内待避区域の指定を変えなかった政府は先週末、住民への十分な周知なしに突然、立ち入り禁止それも罰則つきの「警戒区域」を導入し、さらに、同心円形でない「計画的避難区域」指定をも導入しました。そして、それは、一般人の年間被ばく限度を1㍉シーベルトとしているにも関わらず、福島県の学校や幼稚園の子どもたちの被曝の基準を年間20㍉シーベルトと、一気に20倍に増やすという乱暴なさじ加減を前提としてのことでした。小佐古教授の批判は、まさに政府の住民健康被害対策の変更が住民の健康を思んばかってのことではなく、政府の対策のまずさを糊塗する目的だったことを指摘しているのです。

    edano 
    ああいえばこういう官房長官

    ●指針無視の乱暴かつ粗雑な政策決定

    もう一つは、住民の健康被害に対処する政策決定のあり方です。小佐古教授が「法律違反」と指摘するのは、政府の原子力防災指針で「緊急事態の発生直後から速やかに開始されるべきもの」とされた「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」による影響予測がすぐに実施・公表されなかったことなどです。これは、すでに各方面から批判のあったことです。「知らなかった」ではすまされません。小佐古教授は文部科学省が示した被曝線量基準は「国際的な常識ではなく、行政の都合で決めている」、それも「極めて短時間にメールで審議し、強引にものを決めるやり方には大きな疑問を感じる」とも批判しました。

    ●「だれがやっても同じ」ではない

    菅首相は東日本大震災発生後、東京電力や内閣府の原子力安全委員会などへの不信感から、専門家6人を内閣官房参与として迎えました。その1人が政権の対応を公然と批判して辞任したのです。小佐古教授の指摘は、はしなくも「原発事故対策はだれがやっても同じ」という菅政権の世論工作のまやかしを暴露しました。

    ●未熟で謙虚さに欠け、思慮が浅いと自認する人が政権に居座り続けている

    菅直人渋面 
    最近渋面が目立つ菅首相

    一方、菅首相はこの間、「東電の工程表の前倒し実施」「警戒地域住民の一時帰宅を連休明けにも実施」と空手形になりかねない約束を乱発すると同時に、29日の衆議院予算委員会では「最後の最後まで国が責任を持つ」「東北自動車道の無料化検討」と大風呂敷を広げます。半面、「未熟」「謙虚さに欠ける」「思慮の浅さ」など震災後の対応に反省の言葉を連発してもみせました。未熟で謙虚さに欠け、思慮の浅い人は、それだけで総理大臣にふさわしくありません。こうした言葉を安売りする一方で、口約束を乱発する菅首相。その最大の優先順位が、原発事故対策よりも「政権居座り」にあることがますます露呈しているのです。




     
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    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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