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    2010-10

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    ここまでやるかインスタントラーメン 酸辣湯麺に脱帽 - 2010.10.30 Sat

    以前、酸辣湯のつくり方を書きました。その後、何回かやってみて、ストライクゾーンの広い料理だな、とあらためて驚いています。出たとこ勝負で調味料を使っても、きちんと酸辣湯になっています。また、麺を入れたら立派な酸辣湯麺になりました。

    ●インスタントの酸辣湯麺にぎゃふん
     
    ところが、わが奥さんが偶然買ってきたインスタントの酸辣湯麺にぎゃふんといわされました。かんたん。パッケージの説明通りタマゴ一個、鍋ひとつと水600mlだけ。鍋をコンロ(古いですね)のうえでかけかえる手間もいらずに、へたな中華料理屋さんよりおいしい酸辣湯麺ができてしまうのです。
     
    pack
    http://www.myojofoods.co.jp/products/product_detail.html?id=4902881052955
     
    明星食品の「明星 中華三昧 赤坂榮林(エイリン) 酸辣湯麺(スーラータンメン)」です。前のブログを書くとき、「サンラータン」にするか、「スーラータン」にするか迷いました。赤坂榮林では「スーラータンメン」といっていたからです。

    ●マニュアル通りで完璧な味
     
    パッケージに書いてある作り方。600mlのお湯で3分間麺をゆでたら、麺だけをどんぶりにとり、残りの鍋に粉末スープを入れ、溶き卵1個分を回し入れてひと煮立てし、液体スープを入れて、どんぶりにスープを入れる。それだけです。私は好みで粒こしょうをひいて少し加えます。その結果が次の通りです。
     
    酸辣湯麺
     
    ●ここまで進歩した「かんたんに、おいしく」

    安藤百福さんが発明したインスタントラーメン。様々な改良が加えられましたが、インスタントラーメンが登場したのは、私の小学生のころ、私の世代の人生はインスタントラーメンの発達とともにありました。酸辣湯麺が、ストライクゾーンの広い料理だということもあるでしょう。それにしても、「かんたんに、おいしく」が、ここまできたたか、と感慨ひとしおです。
     
    箱

    ●買いだめしてしまった

    おまけに140円。ことし8月の新製品ですが、入れ替わりの激しいインスタントラーメン業界です。「なくなったら、いやだな」と近所のOKストアに行ったら、ありました。3袋入りパックが313円。一袋100円強ときては、食材を集めてつくるのがばかばかしくなります。ごらんのように、ひと箱24袋入りを買ってしまいました。もう一人で留守番も苦ではなくなるかな(笑)。明星食品にファンレターを出したくなるほどです。






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    芸術祭に「ロック」を持ち込んだ文部大臣 - 2010.10.29 Fri

    水木しげるさんが文化功労者になったことをお祝いするブログで、「文化庁も変わった」と書いて、32年前の個人的経験を思い出しました。

    ●芸術祭に「ロック」を持ち込んだ文部大臣
     
    1978年です。私は朝日新聞政治部の文部省担当でした。政治部の文部省担当がカバーするのは、大臣と日教組でした。日教組の委員長は"ミスター日教組”槙枝元文さん。これに対して、福田赳夫内閣の文部大臣は故砂田重民(すなだ しげたみ)さんでした。砂田さんは、立教ボーイでベストドレッサーにも選ばれた紳士で、珍しくスマートな政治家です。その砂田さんが、文化庁主催の芸術祭に初めて「ロック」を持ち込んだのでした。下の「文相お声がかり 芸術祭にロック」というのが、そのときの私の記事です。

    砂田 
    1978年5月5日朝日新聞朝刊2面

    この記事をみつけるために、大学の図書館で朝日新聞の古い縮刷版をめくりました。愕然としたのは、もう裸眼では縮刷版の記事は読めないこと。地下の閲覧室で見出しを頼りに捜しました。やっと見つけたとき、砂田さんの思い出がたくさん浮かびあがりました。
     
    ●砂田さんのコレクションは立教大学が保管

    砂田さんは、ロックミュージックや、フォークソングの愛好家でした。ご自宅に夜回り(夜、取材先の自宅を訪ねて取材すること)に行くと、マッキントッシュのアンプと大きなJBLのスピーカーの置いてある自室に通されて、音楽を聴きながらの取材でした。5411枚に及ぶ砂田さんのレコードのコレクションはいま、母校の立教大学に寄付されメディアライブラリーに「砂田重民LPコレクション」として保管されています。www.rikkyo.ac.jp/research/library/archives/sunadacollection/

    ●「古色蒼然たる文部省・文化庁」と書いた謹厳な先輩
     
    その砂田さんが、頭の固い文化庁官僚を説得して、ロックを芸術祭に登場させたのはニュースです。政治部の同僚にそんな話をしたら、「記者席」というコラムを担当している先輩がやってきて、「データを提供しなさい」ということになりました。「記者席」は当時の私のような駆け出しの記者が書くのではなく、中堅の記者が交代で書くことになっていました。
     
    上の紙面のうち、「異色の響き奏でる”文化相”」という方が、先輩記者の書いた「記者席」です。たしかに、日教組との対決姿勢を前面に出す大臣が多かった中で、文化それも若者文化に理解を示す砂田さんは「文化相」というのにふさわしい大臣でした。

    文部省 
    現在の文部科学省。砂田文相当時は手前の茶色のビル
     
    「記者席」の一部を引用します。「祭典の具体化を指示されたお役人にとって、砂田文相の口から飛び出すカタカナ名の曲名や外人演奏家がまるでちんぷんかんぷん。『帰宅して子どもに聞いてやっとわかった』
    (某幹部)とかで、古色蒼然たる文部省・文化庁に”ジャズ旋風”が吹き込んだ感じ」。というのですが、私は違和感を覚えました。当時すでにジャズは市民権を得ていました。砂田さんが市民権を与えようとしていたのは、ベトナム反戦世代の音楽であるロックとフォークだったのに。謹厳なことでは定評のあった先輩(故人になられましたが)は”ジャズ旋風”と一緒くたにしまったからです。

    ●私までロック・ファンと......
     
    一緒くたといえば、この記事を書いたおかげで、政治部では「萩谷はロックファンだ」といういわれない評価まで私につきまとうことになりました。当時の政治部の表のカルチャーでは、それはよい評価ではありません。正統派のクラシック音楽ファンである私はその芸術祭には行きませんでしたが、同僚の中にはチケットをほしがる人もいました。表のカルチャーをよそに、ロック文化はすでに政治部にも相当浸透していたようです。

    ●S&Gの「明日に架ける橋」をこよなく愛した政治家

    S&G サイモンとガーファンクル

    砂田さんは選挙に強いとはいえない政治家で、落選中に次の選挙に向けて、いわゆる「代議士本」を出版しました。そのタイトルは「明日に架ける橋」。サイモンとガーファンクルのエバーグリーン「Bridge over Troubled Water」です。「この曲が一番好きなんだ」とよくいっておられました。1982年、私が西ドイツ・ケルンの放送局に派遣されていたとき、欧州出張途中にケルンに立ち寄ってくれました。そのとき、ケルンの大聖堂に面したDom Hotelのカフェでお会いしたのは忘れられません。砂田さんは第2次海部俊樹内閣の北海道開発庁長官兼沖縄開発庁長官に就任しましたが、病気のため任期途中で辞任し、1990年に73歳で亡くなりました。私は、当時カイロ特派員で、湾岸危機取材に釘付けになっていて葬儀に参列できませんでした。そして、奥様もまもなく、後を追うように亡くなってしまいました。

    DomHotel 
    ケルンの大聖堂とDom Hotel(左)

    砂田さんとは、ほかにも印象的な思い出があります。いずれ機会がありましたら、ちょっとびっくりの歴史の裏話を書こうと思っています。 


    民主党分裂のすすめ 政治「手動」はもうたくさん - 2010.10.28 Thu

    民主党はタガが緩んでいます。26日には、企業団体献金の再受け入れを決めました。政権を奪取した2009年総選挙で、民主党はマニフェストに「企業献金の廃止」を掲げていました。「クリーンな政治」を、ことばだけでなく、現実化する大事な約束だったはずです。しかし、「企業献金廃止で政党間の足並みがそろわないから、暫定的に復活する」のだそうです。菅直人首相は「マニフェストと矛盾しない」といっているそうです。でも、メディアはあまり騒ぎません。「世論重視」の民主党としては、ほっとしているかもしれませんが、安心しない方がよいでしょう。世間がもう民主党を見放しているのかもしれませんから。
     
    ●日本はまた一歩崖っぷちへ
     
    政権交代以来、民主党政権は迷走を続けました。日米関係はきしみ、尖閣諸島の問題は先鋭化して中国の反日デモを呼びました。その一方で、経済は依然として停滞どころか、円高無策、経済無策のゆえに、いよいよ崖っぷちにさしかかっています。
     
    ●弥縫策の自民党政権を引き継いだ不勉強な民主党
     
    その崖っぷちで、民主党は政策に関するほとんどの争点で閣内不一致党内不一致をさらけ出しています。政権党当時の自民党にも党内不一致や国民の中の利害対立はありました。しかし、そのころの自民党は日本のありあまる経済力を使って、利害が対立する双方を満足させる果実を与えることができました。これは実のところ、弥縫策(びほうさく)にすぎませんでした。弥縫策のかげで、国民間の利害対立は深刻化していきました。

    鳩山由紀夫       菅直人 
    鳩山由紀夫前首相         菅直人首相


    この状態を引き継いだ民主党は、お気の毒といえばお気の毒です。しかし、政権奪取後の民主党のていたらくは、政権奪取前の不勉強ぶりのゆえでしょう。「財源はあるんです」と国民を安心させて票をかせいだ人たちが、政権交代後、「国にこんなにお金がないとは知らなかった」などと、どの口でいえるのかと思います。弥縫策すらできない素人集団というほかありません。まったく暗澹たる気持ちになってきます。
     
    ●TPPをめぐる民主党の右往左往
     
    最近急に騒がしくなった環太平洋パートナーシップ協定(TPP)加入をめぐる問題は日本の将来に決定的な影響を及ぼすでしょう。韓国が欧州連合(EU)自由貿易協定(FTAを締結したいま、先延ばしはもはやできません。しかし、民主党内では、「1.5%の利益のために98.5%の利益を犠牲にできない」という前原誠司外相がいる一方で、加入反対あるいは、「農家の所得保障政策ではまだたりぬ」と、TPPを口実に農家にさらにカネをばらまこうとする人たちがいます。

    前原 
     前原誠司外相

    ●パワーポリティックスというパンドラの箱を開けた民主党
     
    沖縄・普天間基地問題に端を発する日米安保のきしみの中で、尖閣諸島事件が出来(しゅったい)しました。自民党政権時代にも中国の反日デモや海底油田をめぐる角逐はありました。しかし、今回は中国による露骨な領有権主張の機会を与えてしまっただけでなく、反日デモの一部には「沖縄奪還」のスローガンまで登場したと伝えられます。

    仙谷2 
    仙谷由人官房長官
     
    近代の国際法に照らせば、沖縄はもちろん、尖閣諸島が日本の領土であることは明白です。しかし、歴史的にみると、沖縄は両属でした。今後の長期的な日中の力関係の中で「日本の主権」が揺らぐことが絶対にないとはいいきれません。これがパワーポリティックスの怖さです。自民党政権時代は、小平の「尖閣問題棚上げ論」を受け流して、ここでも弥縫策をとっていたのですが、民主党政権は不手際でパワーポリティックスというパンドラの箱を開けてしまいました。
     
    ●民主党分裂のすすめ
     
    こうした事態を招いている民主党を「政治主導でなく、政治手動」だと皮肉った人がいるのをtwitterで見かけました。政治手動の右往左往から国民を救うのは、民主党が意見分裂だけでなく党分裂に進み、政界再編の歯車が動きはじめることかもしれません。しかし、「政権の蜜の味」は強烈です。いま、民主党に見られる完全な「党内結束」は権力にしがみつくことだけにさえ見えます。権力にしがみついて国を誤った自民党と同じ道を民主党が歩む可能性も高そうです。






    「屁のような人生」 水木しげるさんおめでとう - 2010.10.27 Wed

    ことしの文化功労者に漫画家の水木しげるさんが選ばれました。NHKの朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」によって、いまや知らぬ人もいなくなったでしょう。功成り名遂げての88歳。おめでとうございます。
     
    ●世の中変わった 文化庁も変わった
     
    漫画家で文化功労者に選ばれたのは故横山隆一さんがいます。横山さんの代表作は「フクちゃん」。戦前、戦後にわたり、朝日新聞、毎日新聞に連載されました。「漫画の神様」故手塚治虫さんは文化功労者には選ばれませんでした。60歳という若さでなくなったためでしょう。子ども向け、家庭向けの横山さん。新聞漫画に採用されたことを見ても、健全さは保証つきです。手塚さんはヒューマニスティックなストーリー漫画で、これまた保証つきの健全漫画です。これとはまったく違うのが水木さんの持ち味です。水木さんの顕彰は、まんがが市民権を得た何よりの証拠です。「文化庁も変わった」という感を強くします。

    水木しげる 
     
    ●水木しげるを教えてくれた友人
     
    「ゲゲゲの女房」で水木さんを知った方や「ゲゲゲの鬼太郎」で知った方は、暖かい水木まんがのイメージが強いかもしれませんが、1967年にはじめて水木さんを知った私はまったくちがうイメージを持っています。大学に入りたての私に水木まんがを教えてくれた友人は、なんと、あの鳩山邦夫さんです。彼と私は小学校、中学校の同級生。高校は違いましたが、大学でまた同級生になりました。
     
    ●紛争時代の学生はなぜまんがに魅了されたか
     
    大学紛争まで、まだあと1年の平和なころ。渋谷のパチンコ屋にけっこう一緒に行きました。そのとき、「おい、これはおもしろいぜ」と貸してくれたのが「墓場の鬼太郎」シリーズでした。これは、初期の「墓場鬼太郎」から「ゲゲゲの鬼太郎」への移行期間のバージョンです。クロのべた塗りの多い暗い画面、どちらかというと陰惨な絵、そして、暗いユーモアに私は魅了されました。
     
    1年後勃発した大学紛争。お決まりのコースで、青林堂刊の「ガロ」の愛読者になりました。まんがの多様性、可能性を教えてくれた水木さんの導きだったと思います。将来の不確実性を予感した学生たちは、古今の名作でなく、まんがに、なにかを求めていました。私もその学生大衆の中のちっぽけな一人でした。水木まんがでいえば、人間や社会のネガティブな面、「悪魔君」のメフィスト「鬼太郎」のねずみ男といったアンチヒーロー、どじで、みじめな、ときにはひきょうな市井の人々、にたまらなく共感を覚えました。なにせ、水木さんの米寿記念出版のタイトルは「屁のような人生」ですから。そして、水木まんがには理屈でない「反戦」の筋が貫かれていました。
     
    ●就職試験で「まんが問答」
     
    朝日新聞社の入社試験の面接のとき。当時はいまと違って、筆記試験を通って、すぐ役員による最終面接です。窓を背にしたエライ人。逆光でだれだかわからない人が「キミはまんがを読むかネ?」と聞きました。「読みます」と答えた私に、「どんな漫画家が好きかネ」。私は「私の好きな漫画家の名を、おそらくみなさんはご存じないと思います。名前をあげても意味がないでしょう」と答えました。
     
    クソ生意気な学生ですね。水木さんの導きで知った漫画家たち、たとえば林静一勝又進、さらに名前すら、いまのインターネットで捜すのが難しい漫画家たちが私のお気に入りでした。「新聞社のエライ人たちが知っていてたまるか!」という気持ちがありました。
     
    ●ありがとう 水木さん
     
    当時の朝日新聞社の幹部は心の広い人が多かったのでしょう。私は採用されました。私の人生の重要な転換点の陰で水木さんが舞台回しをしていたのです。そして、そのときの朝日新聞社のエライ人たちの年頃になり、「ひょっとしたら、彼らも知っていたのかも」と思い始めました。もう一つ、昔も今も、私は生意気な若い人が大好きです。
     
    我が家のトイレの小文庫には、「総員玉砕せよ!」など水木さんの作品が常備されています。long live! 水木さん。 長い間ありがとうございます。


      

    デジタルネイティブとの遭遇 - 2010.10.26 Tue

    24日、横浜市都筑区役所で講演しました。 「2010APEC横浜開催関連企画 国際理解セミナー」ということでタイトルは「メディアを使って世界の動きに強くなる ~これからの世界、どうやって生き抜くのか~」。中国問題を例に引いて、現在のメディアの限界や問題点、そして可能性について話しました。
     
    ●年配者の多くはネットと無縁
     
    大きな会議室に60人ほどの聴衆でしょうか。多くが60歳以上の方々とお見受けしました。雨をいとわず、勉強してみようという姿勢には感服しました。また、人生経験を積んだこうした方々にお話しするのは、いつもやりがいのあることです。
     
    ただ、残念なことは経験を積んで見識のある年配の方の多くが、インターネットの世界とほぼ無縁で生活しておられることです。これからの世界、進歩するメディア、暴走するメディアの最先端=ネットの話抜きには語れません。中国問題ではとくにそうなのですが、それが実感をもって理解していただけないことを危惧します。
     
    ●デジタルネイティブは活字と無縁?
     
    その中に、中学3年生の男の子が聴きにきていたのが目をひきました。講演後、質問に来た彼と話をしました。仲間とインターネット生放送をやっているそうで、メディアに関心があります。デジタルネイティブ
    (生まれたときからネットに親しんでいる)世代というのでしょうか。大学の「マスコミ論」の授業で、「けさ新聞を読んできた人?」と問うても、手をあげる学生がほとんどいない時代です。
     
    講演では、ネット時代のメディアの将来を予測するフラッシュムービー「epic2014」の「」をしました。ここでは、日本語字幕つきのものをごらんいただきます。字幕が小さくで読めない場合は画面をクリックしてください。多少大きくなります。
     


    ●「高級情報」と「スパム情報」の二極分解
     
    専門家の間では、とうに論じられた「古典的SF」です。「amazon」と「google」が一緒になって「googlezon」というインターネットの超巨人ができます。「googlezon」は、スーパー編集エンジンを開発し、ユーザー11人の趣向に合わせた情報を届けられるようになります。活字のマスコミはほとんど消滅に追いやられます。結果は少数の「超高級情報」を享受する人たちと、大多数の「スパム情報」を消費する人々の二極分解です。そこには、ジョージ・オーウェルの「1984年」の世界が到来しそうです。
     
    ●デジタルネイティブをどう育てる?
     
    デジタルネイティブが大人になる社会はどんな社会でしょうか?先日、経済評論家の伊藤洋一さんと一杯やったとき、「これぞデジタルネイティブの典型」に会ったという話
    arfaetha.jp/ycaster/diary/post_1162.htmlを熱っぽくしていたのを思い出し、ネット上で彼を捜しました。高校
    2年生の彼を見つける過程で、文部科学省が、来年度、中高生を対象とした「デジタル登竜門」講座を創設する予算要求をしたというニュースwww.jiji.com/jc/cを知りました。
     
    融通の利かなくなった既成の学校システムの外にこういう可能性を開くのは大賛成です。もしかしたら、退屈で抑圧的な学校教育がこうした若者を生んでいるのかもしれません。デジタルネイティブ世代の2人と交流ができたのは大収穫でした。
     
     



    疲れたときに(2) おお、カトリーヌ! - 2010.10.25 Mon

    女優さんの話です。カトリーヌといっても、新作「しあわせの雨傘」のお披露目で東京国際映画祭に来ている、あのカトリーヌ・ドヌーブではありません。
     
    まず、疲れたときのyoutubeをごらんください。もう何回見たかわからない私です。

     
    ●何とも奇天烈。これはなんだ!

    「なんじゃ、これは!」と思った方は正解です。この奇天烈な踊りをリードしている中年の女性がきょうの主役、カトリーヌ・フロ
    (Catherine Frot)
    です、アガサ・クリスティの「親指のうずき」を映画化した「奥さまは名探偵」(仏2005年)の主役もつとめたフランスの女優ですが、日本ではあまり知られていないかもしれません。
     
    私も最近まで知りませんでした。3年前、偶然入った銀座裏のシネスイッチで、「地上5センチの恋心」(Odette Toulemonde=仏2006年)の予告編を見てからのおつきあいです。「地上5センチの恋心」は、くたびれた中年の男女のラブコメディです。ヒロインのオデット・トゥールモンドは同性愛の息子と失業中の娘を持つ未亡人。昼はベルギー・シャルロワのデパートの売り子として働き、夜はレビューの踊り子がつける羽根飾りをつくる内職の明け暮れ、パリの流行作家バルタザール・バルザンの小説が唯一の癒しです。そのバルタザールが、妻に浮気され、自らの才能をも疑う、うちひしがれた状態で年上のオデットの前に現れます。オデットからのファンレターが手がかりでした。さて、どうなるかは映画をごらんください。


    Baker.jpg
     ジョセフィン・ベーカー

    ●乱暴、唐突なカタルシス

    乱暴ともいえる非現実的
    な演出に、オデットを演じるカトリーヌ・フロのコミカルな挙措動作がうまくかみ合って、結果はしっとりと、なんとも癒される映画です。20世紀の初め、パリを魅了した黒いヴィーナス、ジョセフィン・ベーカーの歌7曲が舞台回し。中でもyoutubeの「チキータ・マダム」は、互いにひかれながらも、もどかしくストレスをためあっていた不器用な男女が、双方の子どもたちも一緒になったのこの奇天烈なダンスで、唐突なカタルシスを迎えるシーンです。映画づくりとしてはむちゃくちゃに近いと思われますが、見ていた私も、同時にたしかなカタルシスを得ました。あとのストーリーなど、どうでもよくなるぐらいのクライマックスです。
     
    では、この映画の「予告編」をごらんください。

     
    カトリーヌ・フロは同じ頃、「譜めくりの女」(仏2006年)という、地味だけれど、しっかり作られたサスペンス映画で、やはり主役。オデットとは正反対の冷たいブルジョワのピアニストを演じています。フランスではけっこう有名な女優ですが、このブログを書くために調べてみたら、日本のwikipediaには、彼女の項目はありません。

    私は断然フロさん
     
    どこにでもいそうで、ちょっと東洋風の変わった顔立ち。でも、なかなかすてき。そこはかとなくコミカルな彼女は、最近の私のお気に入りの女優さんです。きょうも、NHK-BSハイビジョンを録画しておいた「奥様は名探偵」を見て、「きょうのブログはこれだ」と決めました。
     
    私も世代からいって、以前はカトリーヌといえば、「シェルブールの雨傘」のドヌーブさんが定番だったのですが、最近は断然フロさんです私の奥さんと同じお年頃なのが、悩ましい原因かもしれません。








    音楽 再生音楽あれこれ(2) アナログの黄昏近し - 2010.10.23 Sat

    ツィッターできのう、こんなニュースを知りました。@wataru4さんのつぶやきです。

    ●テクニクス・ブランド消滅へ

    パナソニックの高級音響機器ブランド「テクニクス」が消滅する公算が大きくなった。現行のアナログレコード用プレーヤーなどの生産が今月に入って中止され、後継機開発の見通しも立っていないためだ。販売店などで在庫がなくなれば、長年にわたり音楽愛好家に親しまれた名機が姿を消すことになりそうだ。パナソニックは中止の理由について、年々販売規模は縮小し、生産体制の維持や部品調達が 難しくなったためだとしている。テクニクスは、パナソニックの前身・松下電器産業の高級ブランドとして1965年に誕生し、プレーヤーやスピーカーなどのヒット商品を次々に送り出した」

    Techinics 
    Technics SL-1200MK6(2008年発売)

    ●アナログLPレコードの将来が怪しく

    先日、アナログSPレコードのyoutubeを紹介しましたが、アナログLPレコードもいよいよあぶない雰囲気になってきました。アナログのプレーヤー+アンプ+スピーカーのHiFiセット(といってもコーラスグループではありません)は、かつて再生音楽好きの定番でした。日本の技術力はここでも発揮され、国産オーディオは1960年代から全盛期を迎えていました。大小さまざまなメーカーが、華やかな競争を繰り広げていました。

    CD時代を迎えても、アンプとスピーカーは依然として日進月歩を続けていますが、アナログプレーヤーはくしの歯をひくようになくなくなりました。その中でパナソニックは高品質のプレーヤーを比較的リズナブルな価格で提供してくれていました。そのテクニクスも消滅です。いまや高級プレーヤーは国産ではDENONなどほんの少数になっています。

    ●金に糸目をつけなければ、では困ります

    もちろん、50万円以上出してもよいものがほしいという人には、輸入ものの超高級プレーヤーが健在ですが、「高品質でリズナブルなもの」を入手するのは、今後さらにむずかしくなるでしょう。

    ちなみに我が家では、約1500枚のLPが健在です。そして、それを聞くためのオーディオはなんと35年前に購入したものです。オーディオ好きの方以外にはおわかりにならないかもしれませんが、ラインナップをあげます。

    ●35年を経ても現役のラインナップ

    プレーヤーはDENONのDP-6700、これに依然として現役のDENONのMCカートリッジDL-103です。

    DP-6700    DL-103 
     
    アンプは、Kensonic Accuphase C-200(プリアンプ)と同P-300(メインアンプ)

    C-200 

    スピーカーは英国TANNOYのRectangular York(レクタンギュラー・ヨーク)です。

    Tann 

    20代の半ば、長野支局に勤務していたころ、「60歳過ぎてもこれでレコードを聴くぞ」という心づもりで、ボーナスを何回分もはたいて購入しました。独身者には広い長屋にあるのは、ふとんとこたつにこのオーディオという、一点豪華主義そのものでした。東京に帰ってから、そして、結婚して子供が生まれると置き場に困りました。海外勤務もしばしば。実家にずっとおいてあったのですが、5年前になんとか置く場所ができて、実家から連れてきました。

    speaker  

    ●アナログの世界には修理という概念が生きていた

    上の写真にあるように、スピーカーはコーン紙をとめるエッジが朽ち果て、アンプは雑音だらけ、プレーヤーもちゃんと作動するかわからない状態でした。TANNOYを扱っているTEACに聞くと、「コーン紙交換で再生可能ですよ」。近所にあるaccuphaseの本社にアンプを持ち込んだら、「修理すれば、十分現役」。プレーヤーも近くにあったDENONの修理を扱う小さな工房に持ち込むと、「調整すれば使えます」ということとで、見事再生しました。アナログレコードはもちろん、CDプレーヤーをつないで聞けば20代の昔にほれぼれとして聞いた音で、「60歳過ぎても聞くぞ」という初心を守っています。

    そこへ飛び込んだ「テクニクスブランド消滅」のニュースです。アナログ時代の黄昏を告げるニュースをデジタル時代の最先端メディア「ツィッター」で知るのも時代の流れですね。35年の歳月を超えて働いてくれているプレーヤーもいずれ寿命を迎えるでしょう。修理してくれた工房は、技術者の高齢と、需要の減退でとうに店じまいしました。「あとがないなあ」と切実に悩んでいます。私のプレーヤーはDENONのHPではなんと「DENON MUSEUMdenon.jp/museum/index.htmlというところにあります。「テクニクス」なきあと、DENONが「高品質でリズナブルなプレーヤーの生産を続けてくれることを祈ります。

    ●高品質衛星PCMラジオも消える

    これを書いているときに上記のセットから流れているのは、 J.シュトラウス2世/ワルツ「南国のばら」 Op388 。ソースは超高音質衛星デジタルラジオ「MUSIC BIRD」。これまた、来年7月でなくなります。どうしたらいいんだろ?










    中国に「自由と民主」が実現すると・・・・・ - 2010.10.22 Fri

    中国は尖閣諸島海域に漁業監視船3隻を派遣し、その常駐化を目指しています。中国農業省高官は「釣魚島の海域に行って漁業活動を保護することは国家主権を守ることであり、漁民の合法的権益を保護するもの だ」と述べています(以上読売新聞)。反日デモはとりあえず収まった一方で中国の領有権主張はまったく弱まりません。

    ship 中国の漁業監視船

    ●中国に「自由と民主」が実現するとどうなる?

    反日デモの背景には、「豊かになる」という小平の約束が満たされないかもしれないのに、「自由と民主」は与えられないことへの怒りという側面があることはこれまでにで説明しました。では、中国に「自由と民主」が実現したら、日中関係の不愉快な要素は消えるのでしょうか? 端的にいえば、反日デモがなくなり、領土主張もなくなるのでしょうか。結論からいうと、そうはいかないと思われます。

    中国での「自由と民主」の実現を2つの側面で考えて見ましょう。
    1)「自由と民主」を実現する過程で起きる問題
    2)「自由と民主」が実現した場合に起きる問題
    です。

    ●暴力、カオスなしで民主主義に移行できるか?

    まず、「実現する過程」です。「自由と民主」は中国共産党の「一党独裁」とは両立しません。だからこそ、小平は「一党独裁」を貫徹する代わりに「豊かさへの期待」を与えました。「天安門の血の弾圧」はその断固たる意思表示でした。今後も共産党が多元社会における一政党の立場(日本共産党の位置がそれです)を受け入れて、平和裏に政権交代のある議会制民主主義に移行する可能性は極めて低いでしょう。

    毛沢東 毛沢東

    共産党が権力を手放す過程は暴力を伴う可能性が大です。毛沢東以来、中国の自立と近代化という巨大な功績を果たした共産党ですが、一方で国民のうらみを買いすぎているからです。大躍進政策、文化大革命などであまりに多くの国民を死なせましたし、過去60年にわたって、共産党は特権を独占してきました。

    また、共産党が権力から追放される過程には、人民解放軍という巨大な暴力装置も関与します。内戦から軍閥の地方割拠、それも核兵器を持った地方権力のにらみ合いという恐ろしい事態も絶対に起きないとはいえないでしょう。中国5000年の歴史は、中央集権の王朝支配と分権の割拠状態の交代の歴史です。交代の起爆剤になるのは、根無し草化された農民の反乱でした。21世紀に入ったいま、その歴史が繰り返されるとしたら、13億の人口を持つ大国のカオスは周辺国にとっては悪夢以上のものです。周辺国は単なる領有権主張よりも深刻な迷惑をこうむることになりそうです。

    人民解放軍 行進する人民解放軍兵士

    ●民主主義は中国の基礎代謝をあげる

    次に2)の「実現した場合」です。仮に大きな問題がおこらずに、中国で「自由と民主」が実現し、国民の声が選挙を通じて政治に反映されるようになったら、何が起きるでしょうか。よく「民主主義国家同士は戦争をしない」といわれますが、中国は領有権主張を撤回して、真の日中友好が実現するでしょうか? そうなるとよいのですが、これまたそうはいかないだろうと私は考えます。

    中国に民主主義が定着すれば、中国の持つ国土と資源、そしてマンパワーの配合は、共産党独裁よりも効率的になるはずです(これが民主主義の存在理由のひとつです)。中国の経済活動は活発化します。人体でいえば、基礎代謝が向上するようなものです。国民はいまよりさらに豊かになり、さらにもっと豊かになることを求めるでしょう。資源有限の世界で13億人以上が新たに豊かになることが可能でしょうか? 中国は必ずしも資源に恵まれた国ではありません。民主化された中国は必然的に外部への依存あるいは要求を強めるでしょう。

    ●尖閣の領有権主張程度で収まるか?

    それが尖閣諸島の領有権程度の小さな問題でおさまるのか、それとも、日本、韓国、ベトナムなどの周辺国を新中華秩序の中の“属国”にするという解決策をとろうとするのか、それはわかりません。今回の反日デモで、「沖縄奪還」のスローガンが掲げられたのは、単なる偶然や景気づけではないでしょう。自民党の丸山和也参院議員との電話に「属国化はいまに始まったことではない」と話したという仙谷由人官房長官は過去の歴史だけでなく将来をも見通しているのでしょうか。 

    (今回の中国シリーズは、これでいったん打ち止め。さらに深い興味のある方には、右の「リンク」の欄にある「海鴎日記」をお読みになることをお勧めします。中国の基層社会(庶民のコミュニティ)を研究している学者のブログです。





    日中―危機の相似性 - 2010.10.21 Thu

    前回のブログ「反日デモの中国的事情」を書くうちに、民主主義日本共産党独裁中国の奇妙な「相似性」という考えが浮かんできました。
     
    ●日中相似の社会経済条件
     
    明治以降の日本が中国に与えてきた数々の災厄を謝罪することになによりも重点を置く日本のべたな日中友好論者でも、心の底に「日本と中国では近代化の度合いが違う」という認識がない人はおそらくほとんどいないでしょう。しかし、中国の反日デモを生んだ社会経済的条件と「失われた20年」を経た日本人の社会的経済的条件は、いま現在そう違わないように見えます。
     
    ●「太子党」「共青団」に「自民党」「民主党」を見る

    中国共産党の第17期中央委員会第5回全体会議(5中全会)を報じた19日の日本経済新聞にこんな記事がありました。「太子党と共青団」というミニ解説です。いわく「太子党は中国共産党の高級幹部の子弟らで、特権的な階級にいるグループ。一部は企業経営にも熱心な半面、コネを使った情報収集などで『2世が優遇されすぎ』などの批判も根強い。共青団は共産党の若手エリートの集まり。共産主義を学ぶ場として機能しており、将来の党幹部の候補を選ぶ場にもなっている」。

    習近平 太子党に属する習近平氏
     
    太子党は、胡錦濤主席のあとを襲うとみられる習近平氏が属するグループ。共青団はその太子党の対抗勢力ということなのですが、これを読んで私は思わず吹き出してしまいました。「太子党」を「自民党」「共青団」を「民主党」と読み替えるとなんとなく納得できるのです。太子党は、世襲議員だらけ、政権交代前の行き詰まった自民党。共青団は「国民第一の政治」を学んだつもりになっている民主党です。
     
    ●国民への約束が果たせなくなった日中両国の政治
     
    中国では「改革開放」を打ち出して以来、国民に約束していた「早い遅いはあっても、みんなが豊かになる」ことが実現できそうになくなっているのに、問題解決の本当の道に気づかない「太子党」と「共青団」が権力闘争をしているということです。

    日本では、バブル崩壊後、「大きな政府による豊かさと安心の保証」が実現できなくなっているのに、いまだに「きのうと同じことをしていても、豊かで安心でいたい」という手前勝手にしがみついています。新興国に追い越されても「唐様で書く三代目」よろしく振る舞っているのです。結果として戦後日本の安心の根幹だった「総中産階級意識」は、その実質とともに音を立てて崩れています。

    ●日中の差は50歩100歩
     
    両国の違いは、「中間層が本格的に形成される前に挫折しそうな」中国と、「せっかく形成された中間層が崩壊していく」日本の違いだけかもしれません。「日本が先だ」といばれないのはいうまでもありません。そして、問題解決の本当の道を見つけられていないという点では、日本も中国もまったく同じです。
     
    ●切迫した日本の若者はどこへ
     
    中国同様、日本でも若い人々の意識は切迫しています。バブル崩壊以降に物心がつき、「上向きの社会」を経験したことのない若者たちが、いま未曾有の就職難に直面しています。これからの日本では、「年収300万円以下」で暮らさなければならない世帯がさらに増えていきます。
     
    こうした中、「日本の若者は保守化している」といわれます。これは「保守」ということばの誤用だと私は思います。若者は保守化しているのではなく、社会に疎外されて方向性を見失っているのです。これは「保守化」よりももっと危険な状態です。「太子党」のような自民党はもちろん、約束したことを実現しない民主党にも愛想をつかしています。

    何か大きなきっかけがあれば、その鬱屈したエネルギーは攻撃的な排外主義(当初バージョンでは拝外になっていました。訂正します)孤立主義、そして国内での対立先鋭化に向かいかねません。危機にあるのは若者たちだけではありません。働き盛りの人も、高年齢層の人も疎外が進んでいる点では同じです。
    16日の東京で行われた反中国デモは、穏健なものでしたが、それが危険なものに転化しないということをだれが保証できるでしょう。このデモをはれもののように扱い、正面から報道しないのはよくないと思います。
     

    中国流「敵本主義」  反日デモの中国的事情 - 2010.10.20 Wed

    中国の反日デモは、19日になって収まる気配を見せています。一連の報道を見ると、今回の反日デモの要点は以下のようですね。
     
    ●今回の反日デモの特徴
     
    1)デモの発生した地域が、内陸部だった
    2)学生がインターネットで呼びかけ、これに農民労働者も参加した
    3)18日終わった中国共産党の第17期中央委員会第5回全体会議(5中  全会)に向け、胡錦濤体制へのゆさぶりの色彩があった
    4)愛国主義教育を背景に、声を上げやすい「反日」をそれぞれの「政  治目的」「不満解消」の口実にした
     
    ●中国社会安定の約束ごと
     
    選挙を通じた民主主義がある日本では、国民経済が豊かになるかならないかは政治家だけの責任ではなく、国民全体の責任だということが理解されてきました(hopefully)。しかし、中国の国民と指導層をつなぐものは、「自由の抑圧」と「共産党独裁によってあまねくもたらされる(はずの)豊かな生活」の交換でした。これが、中国社会を安定させる約束ごとだったのです。

    小平 小平
     
    ●負け組の現実化
     
    しかし、高度経済成長の終焉が中国でも見え始めています。「改革開放政策」を始めた小平のいう「先富」が沿岸部に固定化され、今回デモが起きた内陸部は取り残されそうです。一方、デモのいいだしっぺになった学生たち。高等教育の拡充政策の結果、2011年には大卒レベルの数は700万人余りとピークに達します。その就職率は6割を切りそうなのです。国民の大多数が中産階級になる先進国の夢を求めてきたのに、その仲間に入れず、多くが格差社会の負け組になることが現実化してきました。そこに、すでに格差社会の負け組になることが確定している労働者、農民の不満が加わったのです。
     
    ●権力闘争の道具

    江沢民  胡錦濤 習近平 
    江沢民前主席    胡錦濤主席   習近平(次期?)主席
     
    そして、5中全会です。2年後に引退が決まっている胡錦濤主席の後任に習近平氏がほぼ確定したというのがニュースでした。軍を背景にした太子組(日本流にいえば世襲組)の習氏は、親日派の胡錦濤氏と違い、愛国主義教育を主導した江沢民前国家主席の系列に属するといわれています。反日デモは親日派への警告でもあります。デモが習氏を「次のトップ」に押し上げる一助になったのかもしれません。
     
    ●中国流敵本主義
     
    中国には、指桑罵槐(しそうばかい)ということばがあるそうです。「桑の木をさして槐(エンジュ)の木を罵る」ことで、中国の兵法書「三十六計」(「三十六計逃げるに如かず」の三十六計です)の計略の一つです。「ある相手を攻撃するように見せて別の相手を攻撃する手段」ということで、2004年ごろの反日運動のとき、日本を攻撃しているふりをして実は中国政府に対する非難や不満を表明していた、という意味でマスコミで用いられました。今回の労働者、農民、学生には多分にその傾向がありそうです。
     
    以上が、19日現在の日本での解説の解説です。「なあんだ。これじゃ、まったく中国の事情による中国国内向けの政治イベントか!」ということになってしまいそうですが、そうではありません。しかし、あまり長いブログは嫌われますので、それは次回で!




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     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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