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    2010-09

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    自然畏るべし(1) - 2010.09.09 Thu

    台風9号は、本州を横に串刺しにしました。福井県上陸は観測史上初のコースをとり、東京・大手町で1時間67ミリの雨量を記録するなど異例ずくめで首都住民を脅かしました。最近放送されたNHKスペシャル「首都水没」が決して絵空事でないことを思い知らせます。

    平成21年7月中国・九州北部豪雨 ©おんさき 
     平成21年7月中国・九州北部豪雨  ©おんさき
    神奈川県西部の酒匂川の濁流を映し出すテレビを私より10歳ほど若い知人と見ていたとき、私が「二宮金次郎が、子守の駄賃にもらった200文で松の苗を買って、決壊を防ぐために堤防に植えたのがこの酒匂川の松並木なんだよね」と話しかけても、残念なことに彼はその逸話を知りませんでした。

    無理もありません。私だって生まれる前のカスリーン台風は知りませんし、死者・不明者5000人を出した伊勢湾台風の記憶はとうに薄れています。
     
    徳川家康の命で、江戸湾に流れ込んでいた利根川の水路を銚子に導いた伊奈氏三代の治水事業など営々たる治山治水事業の積み重ねによって、いつのまにか「水魔は押さえ込める」と思うようになっていました。

    「狡兎死して、良狗烹らるる」ではありませんが、「ダムは悪者」と見られるようになりました。たしかに公共事業をめぐり、政治家と官僚機構に罪があったことは否定できません。でも、昨今の記録破りの雨は再考をうながします。


    フーバーダム ©Pamela McCreight
    フーバーダム
     ©Pamela McCreight
    防災教育の「NPO法人e-flags」http://www.e-flags.tv/)を介して知った元建設省河川局長の竹村公太郎さんは「日本の宅地の3分の1は、水に浸かる可能性がある」といわれます。

    歌川広重の「江戸百景」を使って都市計画を語る竹村さんの著書はその論旨だけでなく、浮世絵を重要な史料とするユニークな歴史論です。その視点でみると、ウォーターフロント開発をはじめ、現在めざましい勢いで進む首都の都市再開発が危うくさえ見えます。
     
    日本の都市計画は長らく1時間雨量最大限50ミリを基準としてつくられてきました。1時間100ミリ超の雨量が希有なことでなくなったいま、「水魔恐るるにたらず」というようなおごりは捨てなければならないようです。
     
    自然畏るべしです。
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    がんばれ日本の若者 ボアソナードと梅謙次郎 - 2010.09.09 Thu

     ボアソナード梅謙次郎の文献に没頭しています。お雇い外人として明治日本の法典整備、法曹養成に貢献したフランス人法律学者ボアソナードと「日本民法典の父」と呼ばれた梅謙次郎の2人が亡くなってことしは100年になります。2人は私の勤務する法政大学の基礎をつくった偉大な功績者でもあります。

    ボアソナード 
    ボアソナード

    法政大学は、9月26日から、東京・市ヶ谷の法政大学ボアソナードタワー・スカイホールなどを会場に、ボアソナード・梅謙次郎没後100年企画 (クリック!)を行います。この企画には、法政大学を中心とする研究者のみならず、法政大学の学生も参加します。私もこの企画に関わるための勉強でしたが、想像以上に魂を沸き立たせる経験になりました。

    梅謙次郎 
    梅謙次郎

    ボアソナードの名は大学の民法の授業で知り、梅謙次郎は昭和20年代に発行された第一次文化人切手で子供時代に名前を知ったのがはじめという程度の私でしたが、今回2人の伝記を読み進めるうちに時間を忘れて読みふけっていました。
    明治の勃興期の日本人のエネルギーとそれを助けたお雇い外国人の高いモラルに打たれたからです。

    ボアソナードは1873年に来日し、明治政府の顧問と司法省法学校教官という明治政府との契約に基づく大仕事をこなしながら、法政大学の前身である東京法学校で教鞭をとり、新校舎建築の資金援助までしたといいます。彼は1895年まで日本で仕事を続けました。かたや、梅謙次郎は1890年フランス留学から帰国して東京帝国大学教授に任命されます。それと平行して東京法学校の後身である和仏法律学校学監、校長をつとめ、のちに学制改革で和仏法律学校が法政大学となるとその総理を亡くなるまで務めました。

    ボアソナードと梅謙次郎の2人は、ボアソナードの編纂した民法典(旧民法)施行に尽力します。しかし、不平等条約の改正をめぐる政争や当時勃興してきたドイツ学派英米学派との国会での法典論争に破れ、ボアソナード法典は結局日の目を見ず、明治日本の民法はドイツ法の系統をひくものになりました。

    とはいえ、2人の周囲には勃興期日本の若き人材が蝟集し、不平等条約改正、法典論争など時代の大きなドラマを演じていくそのさまは、NHKで放送している「龍馬伝」「坂の上の雲」さながらです。

    いま、停滞が嘆かれる日本、若者が潜在させるエネルギーは昔もいまも変わらぬはずだと信じて、学生を鼓舞することに微力を傾けている私にとって、これは心強い味方になりました。2人の伝記に登場する明治日本の若者たちは、日本の各地で日本の発展を支える礎になりました。いまの学生たちも、かならずやそうなると私は信じています。

    がんばれ日本の若者!

    ちなみに、当時のお雇い外国人法律学者にドイツのロエスレルがいます。彼を招聘したのは井上毅をリーダーとするドイツ学派です。いわば、ボアソナードのライバルとして彼が編纂した商法典も結局日の目を見ずに終わるのですが、ロエスレルの招聘には、私の曾祖父とその義兄が関わっていたということもあり、ルーツ確認の傍証にもなりました。

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    萩谷 順

     はぎたに じゅん

    Author: はぎたに じゅん
    TVコメンテーター
    法政大学法学部教授
    元朝日新聞編集委員
     政治記者、カイロ、ウィーン
     ボン特派員などを歴任
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